2018年1月、びわこ・くさつキャンパスで、国際文化交流イベント「International Food&Culture Event」が行われ、日本人学生、留学生、あわせて約200人が集まった。イベントでは、留学生が主体となり、15カ国の食べ物の提供やアフリカ音楽のライブ、インドのダンスなどさまざまなパフォーマンスが披露され、伝統衣装のファッションショーも行われた。イベントを開催したのは、学生団体GSAR(Global Student’s Association Ritsumeikan)。GSARの会長のシヴァンナさんと副会長の藤村さんを中心に企画・運営した。

留学生が主体となったイベントを

留学生の活動を活発化させようと設立されたGSARは、2017年の前期にはピクニックなどのイベントを開催していたが、「もっと大きなイベントをしないと意味がないのではないか」と考え、今回の「食」をテーマにした国際文化交流イベントの企画を立てた。シヴァンナさんは、大学のスローガンである「Beyond Borders」という言葉に惹かれ、その言葉を形にしたいと考えていたという。シヴァンナさんに誘われ、メンバーのほとんどが留学生であるGSARに加入した藤村さんは、英語は好きだったものの、スピードの速い英語の会話についていくことはとても大変だったと振り返る。「発言しなければ、意見がないと思われるし、わからないときは、わからない、といわないと誰も気にかけたりはしてくれない」。必死でついていった結果、留学生たちも耳を傾けてくれるようになっていったという。

文化の違いにとまどいながらも

イベントの実現に向け、国際交流の助成金を受け本格的に活動が始まったが、日本語を話せる留学生がいなかったため、大学側との手続きや交渉などは藤村さんが一手に引き受けた。研究で忙しい中、活動に興味を持って、積極的に参加してくれる人は少なかったため、人脈をたどって、地道に協力してくれる学生たちを集めていった。連絡が取れなかったり、文化の違いからメンバーに必要な手続きをなかなか理解してもらえず、思うようにいかないことも多かったという。「リーダーの経験もなく、人を巻き込み、動かしていくことはとても難しかった」と2人はその苦労を振り返る。

研究と活動で忙しい毎日を送っていたシヴァンナさんは、友人に「研究に集中した方がいいのではないか」と言われたこともあったが、人と関わることが好きで、インドの大学でもイベントに積極的に参加していたことから、なんとかやり遂げたいと諦めずに活動を続けた。「時間の管理はとても大変でしたが、応援してくれた友人もいました。さまざまな国の人と接することはとても勉強になりました」と話す。藤村さんは、「必死になって一つのことをやり遂げたことは初めてでした。留学生の輪の中で、人を動かす副会長として頑張ってきて、終わってみると思っていたよりも自分がやってこられたことに驚きました」と笑顔で振り返った。2人は今後も研究の傍ら、GSARの活動を続け、プレゼン大会やディベート大会などにチャレンジしていく予定だ。2人の姿に、文化や言葉を越えた強い絆を感じた。

PROFILE

シヴァンナ・シュウェタさん

インド出身。BMS College of Engineering卒業。建山教授の建設保全工学研究室に所属。目標は、建設工業の分野で建設創造システムを専門に日本で働くこと。夢は10以上の外国語をマスターすること。趣味は、読書や映画や音楽で、旅先で知らない文化に触れ、学ぶことが好き。

藤村志帆さん

同志社女子高等学校(京都府)卒業。資源循環・リサイクル工学研究室所属。鉄鋼やアルミをつくる過程で出る不要なものを合わせ、リンをつくるプロセスを研究している。中学、高校では、管弦楽部でトランペットを担当。外国語を学ぶことが好きで、英語と韓国語を話し、現在は中国語を学んでいる。

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