2018年度全学協議会確認文書 第Ⅰ章 2018年度全学協議会の意義と議論経過 立命館大学の全学協議会を紹介するとともに、これまでの議論経過を本章で記載します。 ○全学協議会とは 全学協議会とは、立命館大学において、大学という「学びのコミュニティ」を構成する学部学生(以下、「学生」という)、大学院生(以下、「院生」という)、教職員および大学(学部長が理事として参加する常任理事会)が、教育・研究、学生生活の諸条件の改革・改善に主体的に関わり、協議するために設置された機関です。協議の場である「全学協議会」は、大学を構成する全ての構成員が自治に参加する「全構成員自治」の考えのもとに、学生の自治組織である学友会、院生の自治組織である院生協議会連合会の代表、教職員組合、大学の4つのパートに、学生生活等を支援する立命館生活協同組合(以下、「立命生協」という)がオブザーバーとして加わり構成されています。 前回の全学協議会は、2016年度に開催されました。2016年は、立命館大学の今後5年間の基本的な計画となるR2020後半期計画を策定しスタートする年でした。2016年度の全学協議会はこの学園計画論議とも連関し進められ、その確認事項は「2016年度全学協議会確認文書」としてとりまとめるとともに、大学が2019年度以降の学費提起を行う全学協議会を公開で2018年に開催することを各パートと確認しました。2016年度全学協議会以降、全学協議会代表者会議(計3回)や各種懇談会等(計32回)を重ね、2018年10月3日に全学協議会が公開で開催されました。 本文書は、2016年度全学協議会以降の各パートとの論議の経過と到達点、その後の論議を経て合意した事項とその具体化に向けた取り組みを「2018年度全学協議会確認文書」としてまとめたものです。 ○2018年度全学協議会の意義 2018年度は、前回の全学協議会から実質1年強という期間しか経過していないことを踏まえて、取り組みを進めている課題や学生実態として新たに明らかになっている課題、各パートから出されている論点を議論の出発点として各パートとの議論を進めました。また、大学は、これまで推進してきた教育改善および学生生活支援の取り組みを発展させ、次の10年間(2021-2030年度)の計画の土台を形成すべく、「学びのひろがり、つながり、変革を協創する(ともに創り上げる)ラーニング・イノベーション」の検討を行ってきており、各パートに2019年度以降の教育・学生支援施策を提起し、協議をしました。 このように、2018年度全学協議会は、実施途上となるR2020後半期計画と2021年度以降の次の10年を見据えながら、学生、院生、教職員が多様な協議を積み重ね、大学づくり・キャンパスづくりに向けた方向性や計画を具体化し実行していく点において、重要な意義を有するものと位置づけられます。 第Ⅱ章 各パートから出された主要な論点 2018年度全学協議会の協議の中で、各パートから出された主要な論点を本章で記載します。 1.学友会から出された主要な論点 学友会は、多くの学生が課題認識を持ち改善が必要な事項について、優先的に大学(常任理事会)と協議をする必要があるという立場から、2018年度全学協議会で論点を提起するにあたり、学友会独自に全学生を対象としたアンケート(以下、学友会アンケート)を実施しました。この学友会アンケートの結果を踏まえ、(1)大学の学び(正課・課外)について、(2)キャンパス環境について、の論点を提起しました。また、(3)大学から提起をした2019年度以降の教育・学生支援施策についても学生の立場から主張・指摘をしました。さらに、(4)学費提起と全学協議会の開催についての論点を提起しました。具体的には以下のとおりです。 (1)大学の学び(正課・正課外)について 学友会は、まず第1に、学友会アンケート結果を受け、学びの環境を安心・安全に確保するという観点から、自然災害等の非常時における授業の休講措置に関する判断基準の見直しを求めました。この休講措置に関連し、学生の学ぶ権利への配慮から自然災害等によりやむを得ず授業を欠席した場合に、この欠席を補うための教員から学生への授業外学習の指示等の適切なフォローアップも併せて検討することを求めました。 第2に、立命館大学生の授業外学習時間が相対的に少ないという実態を背景に、学生の知的好奇心を喚起し、興味関心を高める授業の実践を求めました。また、この授業方法を実践するにあたり、すべての教員が教育・研究に専念できる労働環境が重要であることも指摘しました。これらの主張は、「教育の質向上」を求めるものであり、この教育の質向上や学生の満足度、成長実感に関して客観的な評価指標を設定し、検証をすることも求めました。 第3に、正課・課外ともに学生の成長にとって重要で教育的意義のあるフィールドであるという認識を学友会・大学ともに改めて確認をした上で、課外自主活動によりやむを得ず授業を欠席する場合に、授業配慮の制度として運用されている「試合等参加証明書」が、教員によっては受理されないなどの実態がある点を指摘し、改善を求めました。 第4に、課外自主活動で使用する施設に関して、安心・安全に活動できるよう、修繕・改修についての相談窓口やフローの透明化を求めました。また、新たに整備が必要な施設については、引き続き協議することを要望しました。 (2)キャンパス環境について キャンパス環境の整備に関わる課題に関して、学友会は2016年度全学協議会の確認事項をさらに具体化し、「キャンパス整備の検討段階において、様々な学生の意見が反映される意見交換の場を設ける」ことを継続して要望しました。また、学友会アンケート結果から、特に学生の関心が高かった以下3点の検討を求めました。 ①食環境について、食堂の回転率や快適さの向上、食堂以外の食環境の多様化の検討。 ②大学が提示したキャンパス全面禁煙に関わる具体的な4つの取り組み[1)健康と社会に対して喫煙が与える害について、学園構成員に教育し、啓発する。2)受動喫煙による健康被害から非喫煙者を守る。3)新たな喫煙者を発生させない教育、啓発を行う。4)喫煙者の禁煙を支援する。]とそれを達成するための方法として、キャンパス全面禁煙という手段をとっている点の再検討。 ③空調設備の柔軟な運用と自習環境について、試験期間における施設開室時間の拡大の検討。 学友会は、特にキャンパス全面禁煙化の取り組み課題について、学生実態に即した重点課題として主張をしました。この背景として、学友会アンケート結果から、受動喫煙の被害を受けていると多くの学生が感じていることを挙げ、これまで大学が取り組んできたキャンパス全面禁煙の取り組みが不十分であることが浮き彫りになってきていることや、これまでの取り組みの継続では、この被害が無くなる見込みが薄い点を指摘しました。また、こうした受動喫煙被害の状況を打開するために、キャンパス内に喫煙専用施設を設けることも案の一つとして提示をしました。 (3)2019年度以降の教育・学生支援施策について 大学が提示した2019年度以降の教育・学生支援施策について、学友会は大学に以下の9点について、見解を示しました。 ①導入が検討されているmanaba+Rの新機能である履修・ポートフォリオが、学生支援に効果的に活用されることは重要としつつ、学生の多様で自由な活動の阻害にならないかの懸念があること。 ②学友会(自治会)の中に位置づけられるオリター団が長年の取り組みの中で役割を果たしてきたという到達点がある一方で、新入生に対する初年次教育の高度化を考えた場合に、課題も出てきているため、今後のオリター団の活動について、学友会と大学とが協同してワーキングを設置し、別途検討を進めることを要望すること。 ③教養教育改革に関わり、IoT・AIなどの技術革新による産業構造の社会的変化である第4次産業革命を見越した分野や、日常生活に関連する分野での教養教育科目の設定を検討してもらいたいこと。 ④LGBTや経済困窮層など多様なバックグラウンドをもった学友を迎え入れる観点から、ダイバーシティ&インクルージョンの一層の推進を求めること。 ⑤地域貢献や海外経験など、学生の学びのフィールドを拡げる際には、具体的な運用に関する情報提示を求めること。 ⑥英語で教育課程を履修する入学者に対し、日本語科目を始めとした系統的なカリキュラムの提供を求めること。 ⑦Beyond Borders Plaza(以下、BBP)の積極的な利活用を推進すること。 ⑧海外からの留学生の受け入れが増加している一方で、これらの留学生が、履修や住居の情報収集など生活上の困りごとの相談に対応できる窓口が十分ではないことから、言語の壁を超えて相談できる体制として留学生支援コーディネーターの設置を求めること。 ⑨英語で教育課程を履修する入学生向けに開講されている科目の拡大を求めること。 (4)学費提起と全学協議会の開催について 学友会は、2019年度入学者学費が据え置きになった点は評価しました。その上で、2019年度以降の新たな教育・学生支援施策に必要となる予算は現行の政策予算等を見直すことで捻出するという大学からの説明に対して、学友会は、現行の教学や、それを支える環境の質低下を招くことに繋がらないかという危惧を示すとともに、残予算の有効活用について指摘しました。また、学費提起のあり方と全学協議会の開催は相互に連関するものであり、持続可能な学園振興や教学・研究の高度化をめざすことを念頭に置いて全学協議会を開催するのであれば、この協議の準備等を勘案すると少なくとも2年以上の期間が必要であることを主張しました。このことから、2019年度の全学協議会では複数年度の入学者学費を提起することを求めました。また、学費提起に関わる協議の場のあり方についても引き続き検討することも求めました。 2.院生協議会連合会から出された主要な論点 院生協議会連合会からは、(1)院生の多様化に関して、(2)院生のキャリアパスに関して、(3)コモンズなどの環境整備に関して、(4)2019年度・2020年度の学費提起に関して、以上4点について論点の提起がありました。具体的には以下のとおりです。 (1)院生の多様化に関して 院生協議会連合会は、「グローバル化による多様化」と「社会人院生も含めた多様化」を取り上げました。留学生院生が増加する中で、各種窓口での日英2言語での対応を求めました。また、キャンパス内だけでなく日常的な生活面でのサポートを求める留学生への対応も課題として指摘しました。これまでは、日本人院生がボランタリーにこうしたサポートを行ってきましたが、日本人院生と留学生院生の割合が逆転したことにより、こうした課題が表面化してきた背景があります。また、海外からパートナーとともに留学に来た院生の住居にも課題がある点を指摘しました。 このほか、これまで院生協議会連合会は社会人院生が学ぶ環境の充実として、託児所の設置を要望してきました。こうした経過を踏まえ、2018年度から保育所がキャンパス内に設置された点を評価するとともに運営に関して連携して取り組みたいとの意見表明がありました。 (2)院生のキャリアパスに関して 以下3つの論点を指摘しました。 ①ティーチング・アシスタント(以下、TA)制度が、大学の教育・研究活動にとって重要な制度であり、院生にとっての経済支援の側面もあるなど、一定の役割を果たしてきたという到達点を踏まえ、さらなる業務範囲(学部生に対するアドバイザリーや論文指導補助など)の拡大を求めました。 ②奨学金やキャリアパス支援制度について、院生の研究モチベーションにつながるような助成金や支援制度の設置、博士課程後期課程の学会参加費や参加への補助などの制度の拡充、標準修業年限を越えた院生への経済的支援拡充を求めました。さらに、こうした新制度設置や制度変更に際して、院生の意見を踏まえて検討することや新たな制度を始めた場合、複数年度に渡り固定して運用をすることを求めました。 ③継続した課題として博士課程後期課程修了後のポストドクトラルフェロー(以下、PD)のポスト拡充を求めると同時にPDの研究環境として机などが十分に配置されていないなどの課題を指摘し、待遇改善を求めました。 (3)コモンズなどの環境整備に関して リサーチ・コモンズが配置されている、衣笠キャンパスと大阪いばらきキャンパスにおいて、院生数に対して、座席数が十分ではない点を課題として指摘し、改善を求めました。また、リサーチ・コモンズを始めとした院生の研究環境を新たに整備する際や、変更を検討する際には、その検討のプロセスに多様な院生が参加できる機会を設けることも求めました。 (4)2019年度・2020年度の学費提起と全学協議会の開催について 院生協議会連合会は、2019年度・2020年度の学費提起に関して、大学からの提示を肯定的に評価しました。その上で、現行学費を2021年度以降も継続することを要望しました。また、全学協議会の開催については、この間の2016年度からの継続した協議による院生に関する課題解決の進展を評価する一方で、全学協議会での確認事項を評価するには一定の期間が必要であることから、数年に一度の全学協議会の開催を求めました。 3.教職員組合から出された主要な論点 教職員組合からは、全学協議会に参加するにあたり、全学協議会の歴史的経過から、学生・院生を支える立場で協議に参加をしたいとの見解表明がありました。また、教職員組合からは、学友会から出された教育の質向上に関わる課題に関連し、大学教員の労働環境の実態として研究時間の確保が不十分である点や、安定的に充実した教学を提供するために授業担当講師が有期雇用である点を課題として指摘しました。加えて、教職員組合は教学議論に基づく学園財政議論を行うために、財政公開を十分に行うことを求めました。 4.立命館生活協同組合(オブザーバー)から出された主要な論点 立命館生活協同組合(オブザーバー)からは、全学協議会に参加するにあたり、全学協議会の歴史的経過や立命生協で把握している学生実態を踏まえ、学生・院生・教職員などの組合員を支える立場で協議に参加をしたいとの見解表明がありました。 第Ⅲ章 2019年度以降の大学の取り組み(確認事項) 2018年度全学協議会での協議を踏まえ、2019年度以降に大学が取り組んでいく具体的な内容を本章にて記載します。 正課、正課外の学びの充実 学友会から提起された論点と、大学から提起した2019 年度以降の教育・学生支援施策への学友会からの指摘を受け止め、正課・正課外の学びの充実に向けて、今次全学協議会において議論・協議を行いました。特に正課・課外の学びの質を可視化し改善していく課題については、R2020前半期・後半期における「教育の質向上」とも直接関わる重要なテーマであり、2019年度全学協議会に向けて引き続き議論をすることを確認しました。 1.非常時における休講措置 「休講判断の『運用申し合わせ』と今後の課題について」「自然災害によるやむを得ない休講および欠席への対応について」「自然災害によるやむを得ない欠席への授業配慮について」を教学委員会で承認し、2018年10月25日から教学支援ホームページで全教員に公開しています。これらには、生命・身体の安全保持を最優先とする基本方針を明記しました。また、補講実施を原則としつつ、休講措置等が学生の履修目標達成を妨げることがないように手立てをとりました。前日中に判断するなどの運用をすでに実施しています。災害等の種類ごとに具体的方針を記した「運用申し合わせ」の主旨は『学修要覧』等で学生にも公開します。今後は、実績を踏まえて「立命館大学授業に関する規程」改定に向けて検討します。学生に対する効果的な連絡のあり方については、教学部と総合企画部広報課、総務部などが協力して取り組むことになります。 2.教育の質向上 学生の正課の学びの意欲を喚起するためには、学生の興味関心を高める授業を展開し、授業外学習時間を改善していく教育の質向上が必要です。授業アンケートや「学びと成長調査」において、自主的な学習への意欲や授業への能動的取り組みの向上、成長実感に対する改善がみられますが、全学協議会では、効果検証やその結果の学生との共有のあり方について、さらに検討を進める必要があることを確認しました。大学は、さらなる授業改善の必要性についての学生の指摘を受け止め、アクティブ・ラーニング型授業の拡大、ICTの利用の促進、個々の科目の意義・位置づけの丁寧な説明について、組織的ファカルティ・ディベロプメント(以下、FD)を実施していきます。学生実態の把握を強化し、教学改革が学生の成長や満足度向上に寄与したかについて、多面的に効果検証を行い、主体的な学びを促す授業づくりに取り組みます。 3.ポートフォリオ機能の拡充 すでに現在のmanaba+Rにおいて、学生は自身の学習の履歴を振り返ることができます。ポートフォリオ機能の拡充は、学生の自由な活動を制約するものではなく、学生自身の学習履歴などの蓄積データを学習支援又はキャリア形成のサポートに利用することを目的としています。ポートフォリオ機能の拡充によって、権限をもった教員がこの履歴を閲覧し、一人一人の学生により適切な学習アドバイジングができるようになります。しかし、履修履歴は個人情報の側面があり、学生の情報コントロール権との関係から課題をもつことから、目的外利用等がなされない体制の整備が必要であり、ポートフォリオ機能の拡充を具体的に実施する際には、アクセス権を付与する教員の範囲、さらに実際に閲覧可能となる情報の範囲を限定するなど、慎重に検討していくことを確認しました。 4.初年次教育におけるオリター活動の充実 初年次教育におけるオリター活動の充実を図る点については、学友会からの要請を受け学友会と大学とで検討ワーキングを設置し、検討を行いました。この検討の結果、学部毎に多様化するオリター活動の水準を維持向上させる基盤として、「オリター活動に関する確認事項」を定め、活動の意義や目的等を明文化しました。また、オリター学生が各学部の特性を活かした活動を促進し、かつ、大学・学部が支援を具体化する際の土台として、「オリター活動・支援のフレームワーク」を活用することを確認しました。これらは学友会と大学の合意事項として確認し、具体的な内容は、本文書巻末に後述しています。 5.教養教育改革 現在進めている2020年教養教育改革について、学友会と懇談会を開催し、意見交換を行いました。新たな産業分野や日常生活に関連する分野が重要であることは、大学側も認識しています。大学における教養教育は、テーマ性のあるものだけではなく、普遍性をもつものを学ぶことが重要だと考えており、テーマ性のあるものは教養ゼミナールなどで展開していくことを学友会と確認してきました。 2020年度教養教育改革では、カリキュラム・マップの導入、各学部のカリキュラムの中での教養教育目標の明確化、「導入」、「形成」、「先端」といった科目の明示化を通じて、教養教育における学びの発展が可視化できるようにしていきます。双方向型、アクティブ・ラーニング型、Problem Based Learning(PBL)型の授業を通じて、学生が主体的に学べる授業展開を推進し、FDを通じて共有することを検討します。先端的分野や日常生活に関連した分野は、教養改革の新たな科目展開や科目設計の中で工夫し、改善に努めます。学生が受講したいテーマについては、教養ゼミナールなどでのアンケート実施を検討します。 6.課外自主活動の高度化 立命館憲章や学生育成目標を実現する取り組みとして、課外自主活動を学生の成長の場として位置づけ、単に結果を求めるだけでなく、他者との協同の中で目標に向かうプロセスも含めた支援を大学が行っていく必要性については、学友会とも見解が一致しています。これらは、正課と課外の両立を前提とするものです。 こうした観点から、試合や大会等の参加によりやむを得ず授業を欠席する学生を対象とする制度である「試合等参加証明書」の目的と運用について改めて教員への周知を徹底し、学生の自発的・主体的な学習意欲に応えるべく取り組みを進めます。学生は授業欠席の場合、クラス・クラブ等の仲間の協力を得て、その授業に対するフォロー(資料収集など)を自分自身で最大限努めることが基本となります。担当教員は、学生からの申し出があった場合、教員の判断により可能な範囲で当該の学生に対し、例えば、①資料の配布、②授業範囲の確認および授業のポイントの説明、③次回までの自習内容の指示、④その他事項の通知などの指導・援助を行います。 このほか、課外自主活動に関連する施設・設備の整備に関しては、安全・安心をしっかりと担保することを優先します。この整備に関して課題が生じた際の学生からの対応一次窓口は、学生部(学生オフィス、スポーツ強化オフィス)にて対応します。その上で、活動の高度化の支援や快適な活動環境の支援を行う方針です。 留学生支援を含む国際化、包括的学生支援とダイバーシティ&インクルージョンの推進について 1.留学生支援を含む国際化 本学では2018年秋学期には、3,200名超の留学生(短期受け入れ含む)が学び、これは全学平均で約10%に相当します。また学部によっては留学生比率が20%のところもあり、さらに高い留学生比率の研究科も増えています。この中には、年間200名あまりの短期留学生も含まれます。このような中、全学協議会代表者会議では、留学生への教学・学生生活支援の充実強化が議論されました。 3キャンパスの国際教育センター・国際課における留学生支援は、1、2月の韓国現地での合格者説明会や渡日時オリエンテーションに始まり、各種行政手続きや奨学金に関する説明会、仲間作り支援、入寮者へのガイダンス(防災訓練含む)に及んでいます。さらには学部・研究科のオリエンテーションにつなげるほか、学園生活への導入期支援を留学生支援団体によるピア・サポートとも連携して実施してきています。 就学支援においては、カリキュラム理解支援などの早期の学習支援、また生活支援においては、トラブル対応やカウンセリングへの誘導を行っています。また、院生間の支え合いの範囲を超える留学生サポート事案に対して学内対応のみならず、行政やNPO団体、ボランティア組織への紹介を進めてきました。 各種相談対応が増える中、留学生固有の「困りごと」の本質や主たる要因をまずは理解したうえで、問題解決に向けた相談窓口(教育研究や医療・カウンセリングの専門窓口、近年増加する留学生の就職支援ニーズなど)に適宜つなぐ必要があります。全学的な留学生支援体制の構築ならびに留学生が求める多様な支援のワンストップサービスの設置による支援体制の充実のため新たに2019年度から「留学生支援コーディネーター」による支援を行っていきます。 英語開講科目を拡張、強化していくことは重要であり、また全学協議会代表者会議では留学生の日本語学習支援の必要性についても確認しました。 このほか、3キャンパスに開設したBBPではオンキャンパスの国際交流や言語教育センターによる言語習得の機会を提供しています。今後、日本人学生、正規留学生、短期留学生、そして彼らを支援する多様な学生団体が、BBPを拠点によりいっそう活発な活動や交流に取り組めるよう、異文化交流助成制度も活用しながら促進していきます。地域貢献活動や海外経験は、学生の学習の動機付けとして重要であり、支援を進めていきます。 2.包括的学生支援とダイバーシティ&インクルージョンの推進について 本学ではこの間、包括的学生支援体制の構築を進めてきました。この取り組みの一環として、2011年度に特別ニーズ学生支援室(発達障害だけでなく、困り感を抱える学生への支援)の設置、2015年度に保健センターの学生部移管、2016年度に障害学生支援室の学生部移管と特別ニーズ学生支援室の統合、2017年度にStudent Success Program(以下、SSP)を開始、などの取り組みを行ってきました。これらの到達点に加え、社会情勢の変化や2018年度全学協議会論議でも求められたダイバーシティ&インクルージョンの推進の観点を踏まえ、以下の点をさらに強化して取り組みを進めます。 (1)初年次を中心とした学生の自立と成長支援の強化 2018年度全学協議会論議では、初年次教育の充実が論点となりました。初年次教育とは、大学での学びのみならず学生生活への適応を含み、正課・正課外にわたって提供される総合的な教育プログラムです。高校から大学への学びと学生生活へのスムーズな移行支援は大きな課題であり、これを支えるためにSSPの取り組みを拡充し、困難を抱える学生やより充実した学生生活を求める学生に対する支援体制を充実します。また、初年次学生の支援を行うオリター学生に対し、研修や振り返りの支援強化を行い、初年次学生の課題や学生の多様性の理解をした上での活動を促すとともに、オリター学生自身の成長も支援します。 (2)多様な学生への相談・支援体制の構築 ジェンダー、セクシュアリティに関する相談・支援については、大学が組織的に対応する課題として相談・支援体制を構築していくことが必要であり、個別相談のみならず、学生・教職員全ての構成員への周知・啓発活動も含めた取り組みを広げていくことが求められていると認識しています。これらの課題に対応する体制を、学生オフィス内に整備していきます。 また、障害学生支援については、2016年の障害者差別解消法の施行等により社会的な理解や認知が進み、障害学生支援室として把握や支援を行っている学生は増加を続けています。さらには、英語による相談対応も求められており、これらの課題に対応する障害学生支援体制の強化を図っていきます。 (3)経済支援給付奨学金の拡充 2017年度より現在の奨学金・助成金制度を運用してきています。経済支援給付奨学金については、「給与収入329万円以下層」の出願者全員に対して、後期(2018年度は秋学期)学費全額もしくは半額相当額を給付しています。こうした奨学金の予算総額は全国トップレベルにあるという到達点がある一方で、なお経済的困窮層への経済的支援拡大を求める声は大きくありました。こうしたことから、給与収入400万円以下の層への受給率を高める取組みを可能な限り進めます。具体的には、この経済支援に関連する奨学金は複数の種類があり、予算総枠の中で柔軟に執行する対応を行うことで、給付者数の拡大が図れる見込みがあることから、2019年度は運用方法の改善により受給率を高める取り組みを行います。 なお、2020年度以降については、政府が高等教育段階の教育費負担軽減方策の検討を進めていることから、この動向も踏まえ、2019年度前半期を目処に検討を行います。 キャンパス環境の質向上について 1.キャンパス環境の整備について 本学では、R2020後半期計画に基づき、キャンパス環境の質向上に取り組んできています。今後のキャンパス環境整備について、「常任理事会は大学づくり・キャンパスづくりのプロセスに学友会中央パートをはじめとした様々な学生が参加・参画する機会を設けるなど、多様な方法を積極的に取り入れる。」(2016年度全学協議会確認文書)ことを継続し、多くの学生の意見や声を聞きながら進めていくことを改めて確認します。具体的な機会としては、2015年度から開始したキャンパス別懇談会や2017年度から開始した学生の要請する懇談テーマに基づいたテーマ別懇談会が実績としてあり、これらを継続していきます。 2.食環境の改善について 食堂の回転率の向上や昼食が取れる教室の開放を拡大するなど、引き続き学生の声を聞きながら立命生協と協力した取り組みを進めて行きます。衣笠キャンパスでは、清心館改修(2019年9月~)に伴うキャンパス西側エリアにおける昼食時の混雑に関する課題を衣笠キャンパス懇談会で共有し、存心館改修時に実績のある洋洋館での「教室deランチ」の設置をし、それを十分に周知することを行います。これは清心館改修にともなう一時的な措置となります。BKCでは、食環境の多様化にむけた取組みを行う予定です。また、その検討を進めるにあたっては、学生との意見交換を行っていきます。OICでは2019年9月竣工予定の分林保弘国際交流館(仮称)の1Fに食提供機能および200席程度のスペースを整備予定です。 このほか、食環境は学生の日常的な課題であり、関心も高いことから、各キャンパスのキャンパス懇談会で継続して協議をし、立命生協とも連携をとった取り組みを進めます。 3.キャンパス禁煙化について 学友会から指摘のあった、これまでのキャンパス全面禁煙の取り組みに不十分な側面があったために、キャンパス内での受動喫煙による被害を多くの学生が受けている点を真摯に受け止め、受動喫煙被害防止の取り組みをさらに徹底します。具体的には、2019年度は、設置場所の見直しを含めた卒煙支援エリアの改善と卒煙支援エリア以外の場所での喫煙行為をなくす取り組みを重点的に進めます。また、教職員のキャンパス内での喫煙実態への厳しい指摘もありました。改めて教職員のキャンパス内禁煙を徹底します。このほか、2018年度全学協議会の論議では、キャンパス全面禁煙化のあり方について学友会と大学とで見解が分かれたため、今後も引き続き協議を継続していきます。 4.試験期間における施設開室時間の拡大の検討 キャンパス施設の利用に関する課題については、キャンパス懇談会の中で、さらに具体的な要望や学生実態を確認する中で対応を検討していきます。 特に、試験期間における施設開室時間の要望については、各キャンパス懇談会で具体的な要望、実態について意見交換を行いました。これを受けて、各キャンパスで次の対応を行います。衣笠キャンパスでは、試験期間前から試験期間中にかけてキャンパス内の学生の時間帯別の共有スペースでの滞留状況等の実態把握を行うことの必要性を学友会と確認し、2018年度秋学期定期試験期間の実態を把握したうえで、対応策を検討します。BKC・OICでは、試験期間において、学生の自習スペースが不足していることが喫緊の課題であるという学友会からの指摘を受け止め、試行的に2018年度秋学期定期試験にむけて教室等の施設を一部開放する取り組みを進めます。 大学院教学の充実について 1.TA制度 大学の教育・研究活動に一定の役割を果たしているTA制度について、業務範囲の拡大などの充実を論点としました。 院生が教える経験を通じてキャリア形成と経済支援に寄与するTA制度は、ピア・サポートの観点からも本学の重要な取り組みであり、多くの院生がTAとしての経験ができるような取り組みを行っています。TAの募集時期のホームページでの公開、教養科目TAのmanaba+Rでの公募、教学・研究において結びつきが強い学部の科目でのTAなど、従来からの方向性でTA活動の機会がより広まるような検討を進めていきます。この際、独立研究科の院生においても、専門分野で関連する学部授業などでのTAとなる機会を持てるよう、進学ガイダンスなどを活用して丁寧に案内します。 2.キャリアパス支援制度の充実 研究のモチベーションおよび博士課程後期課程修了後のポスト拡充・待遇改善につながる助成金や支援制度の確立、博士課程後期課程での学会参加助成などの既存制度の拡充、標準修業年限を超えた院生への経済的支援、各種制度を変更する際の院生との協議や複数年での固定制度運用の4点を論点としました。 第4期キャリアパス形成支援制度(2016年度~2020年度)およびR2020後半期重点施策である大学院高度化政策予算での既存の取り組み(学会奨学金、研究活動促進研究費、ベーススキル向上支援、博士論文出版助成、英語論文投稿支援など)について、大学院キャリアパス推進室を中心に確実に実施することを確認しました。初任研究員・初任助教制度(特任研究員・特任助教制度から名称変更)を新設し、博士課程後期課程修了後のポストを拡充することになりました。また、本学における、学部併設でない独立研究科への進学や研究科を跨ぐ進学(ななめ上への進学)は、院生のキャリアパスの観点からも重要であると考え、学内進学に関する情報提供の機会をより増やしていきます。 大学院キャリアパス推進室の取り組みは、毎年度末に実施状況などの検証を行い、より効果的な成果や院生の利便性の向上、予算の有効活用を目指した制度運用の微修正をしながら継続的に実施します。具体的な対応策としては、十分に活用されていない取り組みの予算を有効活用することで、学会奨学金の制限緩和、英語資格試験の受験費用支援の新設、博士論文出版助成制度やリサーチ・アシスタント(RA)制度の拡充をすることになりました。制度運用を修正する際には、全学協議会はもとより、院生との協議の場を設けることも検討します。それぞれの制度は5年間を単位として設計しており、大学院改革推進委員会で議論したうえで、研究科を通して院生にも周知が進むよう配慮しながら、中期的なスパンで制度全体の見直しを行います。この際、標準修業年限を超えた院生への経済的支援が要望されたことについては、現時点での課題として認識しつつ、標準修業年限での修了となるような支援を強化していきます。 3.研究環境(リサーチ・コモンズ等) 衣笠キャンパスと大阪いばらきキャンパスでのリサーチ・コモンズの座席数が院生数に対して十分でないこと、リサーチ・コモンズなどの研究環境を整備する際に院生の意見を反映すること、リサーチ・コモンズの見学マナーを論点としました。 リサーチ・コモンズのスペースが不足している課題は認識しており、限られたスペースの制約の中で、機械的に座席数を考えるのではなく、教学・研究の分野ごとのスタイルの違いを考慮し、キャンパスごとに望ましいリサーチ・コモンズ環境の観点から検討・改善を行っています。大阪いばらきキャンパスでは、暫定的に教室を共同研究室として利用する対応を行いました。そのような際には、院生との十分な協議を行いながら検討することを確認しました。見学の参加者と引率者が趣旨を正しく理解し、マナーを守って見学することを徹底します。 今次の学費提起と2019年度の全学協議会の開催にむけて 1.2018年度全学協議会での学費議論 今次の学費政策を提起するにあたって、常任理事会では、2019年度以降の教育・学生支援施策と合わせて、社会的な情勢変化の課題である定員管理の厳格化や政府による働き方改革等の社会諸制度改革への対応について議論を重ねてきました。公費助成の国際間格差および国私間格差の是正が見込めない私学の財政構造の中で、学納金や人件費といった収入・支出の根幹に関わるこれらの課題に対応することはきわめて重い課題です。これらへの対応を織り込むと、R2020後半期の財政運営指標であり、また社会的な評価にも関わる収支均衡が維持できない状態が続くことも想定されます。 大学(常任理事会)は、このような中期的な課題認識のもと、学費の重みや諸課題が大学運営・財政運営に与える影響の重大性に鑑みて、具体的な対応やその財政的な対応策についての議論・検討を継続する必要があると判断しました。このこととあわせて、院生の学費政策に関わる教学的な取り組みである定員確保についての状況をふまえて、学生および院生の学費政策は現行どおり(据え置き)とすることを提起しました。そのうえで、学生については2019年度入学者のみの学費政策提起となったことから、2020年度以降の学生の学費政策については2019年度にあらためて全学協議会を行い協議することが提起され、これを確認しました。 2.2019年度の全学協議会の開催にむけて 2019年度全学協議会では、R2020からR2030へと移行する節目を迎えることに加え、中期計画と学費政策とを連動させる観点から、2020年度・2021年度の2年間の学生の学費政策について提起することとし、2019年6月を目処に「学園通信」を通じて学生・院生へ周知を行うことを確認しました。また、2021年度からスタートする中期計画であるR2030とそれに対応する財政運営基本方針の策定を受けて提起する2022年度以降の学費政策の期間は4年(2022年度~2025年度)として、2021年度に提起し、全学協議会を行うことを表明しました。あわせてこの4年の間には中間点検を行う方針であること、その点検の内容等については今後検討を行うことが表明されました。 2019年度全学協議会では、議論の前提となる教学実態とそれに関連して2018年度全学協議会で学友会から指摘された学び(正課・課外)の質向上の可視化の課題、キャンパス禁煙などのキャンパス環境に関わる課題など、2018年度全学協議会の協議で残された課題を引き続き協議することについても合わせて確認を行いました。 また、院生の学費政策については、今次の全学協議会で2020年度入学者までの学費政策が提起されていることから、学生の学費政策サイクルと一致させる(例えば、院生の学費政策を1年延長する等)かどうかについて、関連する大学院政策(教員組織整備計画、奨学金)との対応等と合わせ、2019年度全学協議会にむけて今後検討することとしました。 以 上 オリター活動に関する確認事項 2019年1月30日 前文 オリター活動(エンターを含む)は、1960年代に学友会(自治会)が、新入生に下宿の探し方や学生生活のノウハウを教える新入生支援活動を自発的に開始したことまでさかのぼることができる。その後、基礎演習前後でのクラス活動支援への自主的な関わりを経て、大学は、学友会(自治会)の自主的な取り組みを一層支援するという観点から、1991年度全学協議会において、オリター活動を新入生支援の制度として位置づけ、支援を行うことを確認した。活動は、「生活」「学習」「自治」という3つの支援を担うものとされてきた。現在、本学学生の約1割が参加するピア・サポート活動は本学の特色ともなっており、オリター活動はその起源と言える。 昨今、社会の変化、教学の高度化(学部の新設を含む)、学生の多様化等が進む中で、オリター活動の内容は学部特性にあわせて多様な取り組みが行われている一方、大小様々な課題も生じている。このような近年の状況を受けて、改めて、初年次教育支援やオリター活動のあり方について、2018年度全学協議会において学友会と大学による協議を行うことを確認した。また、協議の中で、初年次教育は「専門教育以前に、大学教育、学生生活への円滑な移行を目的とし、学習技能、学習意欲、さらには大学生としての自覚の涵養まで含む、正課・正課外にわたる総合的教育プログラム」(初年次教育学会2018)であり、大学は、「学生生活への適応」を含めて、初年次学生に正課・課外にわたって様々な学びや経験を提供することが求められていることを確認した。 この協議を受けて、学友会と大学は、初年次教育支援およびオリター活動を行う前提として、以下の点を原則として確認する。 オリター活動に関する原則的確認 (1)オリター活動は、本学における初年次教育支援の一翼を担い、初年次学生の「学生生活への適応」および「自治活動」の支援、ならびに学部の状況に応じて「大学での学習への適応」の支援を行うことを目的としたピア・サポート活動である。 (2)オリター活動は、学部自治会の下に置かれた団体による自治活動であるが、初年次学生の学びと成長に関わり、学部から時間や場の提供等の便宜を受けることから、オリター活動の目的・内容等について、定期的に大学・学部と学友会・オリター団とが五者懇談会等で協議・確認を行う必要がある。また、この協議の中で、正課教育への関与の有無を含むオリター活動の活動範囲を確認し、この確認に基づき活動を行う。 (3)各学部オリター団は、自治活動団体として自ら規約を定めるとともに、毎年度活動方針や活動計画を策定し、目的に応じた適正な活動を行えるように運営を行うことが求められる。また、参加学生は、ピア・サポーター(支援者)としての知識や態度を身に付けることが求められる。 (4)大学は、初年次学生の学びと成長のみならず、当該学部の在学生であるオリター学生が、活動を通じて学び成長する視点も重視し、その主体的学びと成長を支援することが求められる。このため、大学はオリターに対して研修や支援を行う。 (5)各学部オリター団は、初年次学生の支援という目的を達成するためおよび活動を適正に行うため、別添のフレームワークに依拠し、自らの活動を自律的かつ主体的に行う。フレームワークは、オリター活動を一元化するマニュアルではなく、オリター団が自律的に活動の質を高めるための土台であるとともに、大学・学部による支援と評価・検証の基本枠組みとして位置づけられるべきものである。 以上 【別添】オリター活動・支援のフレームワーク 2019年1月30日 (1)規約の策定と見直し ・各学部オリター団は、自治活動団体として、自ら規約の策定または見直しを必要に応じて行う。 ・規約には、概ね①名称、②目的、③組織、④入・休・退団、⑤役員、⑥機関(会議)、⑦運営(活動方針・活動計画)等を記載する。 (2)活動方針・活動計画の作成 ・各学部オリター団は、自らの活動の目的・目標等を定め、団員および学部との共有を図るため、毎年度、活動方針・活動計画を作成する。 ・活動方針・活動計画には、「オリター活動に関する確認事項」、「規約」に留意しながら、以下の内容を盛り込む。 ①活動の目的 ・目的 ・初年次学生の課題(学生実態) ②活動内容と活動内容毎の目標 ・活動内容、活動内容毎の目標 ・オリター自身の目標 ③活動計画 ・募集計画 ・研修計画 ・初年次学生支援計画 ④活動ルール ⑤振り返りと自己評価 (3)学部とオリター団との協議 ・学部とオリター団(団長、その他執行部)は、定期的にミーティングを行い、活動方針・活動計画の協議・確認、活動の進捗や課題、振り返りと自己評価等を共有し、活動の改善・高度化を図る。 (4)学生部とオリター団との協議 ・学生部とオリター団(団長、その他執行部)は、キャンパス単位で月1回程度の頻度でミーティングを行い、活動方針・活動計画の検討経過、活動の進捗や課題を共有するとともに、振り返りと自己評価等の機会を提供し、オリター団相互の活動の改善・高度化を図る。 (5)学生部・教学部による情報提供 ・学生部・教学部は、各学部および各学部オリター団に対して、初年次教育支援やオリター活動の状況、オリターや初年次学生を対象としたアンケート結果を参考資料として毎年度提供する。 ・また、良好な活動ができている事例をグッド・プラクティスとして共有する。 (6)オリター活動への学友会全学自治会からの支援 ・学友会全学自治会は、(1)、(2)および(9)をはじめとするオリター活動を支援するとともに、(4)のミーティングに参加する。 (7)オリター活動への大学・学部からの支援 ・大学・学部は、学部個別の状況に応じて、時間(クラス懇談会、サブゼミ等)や場所(教室、セミナーハウス等)の提供、活動助成金(学びのコミュニティ初年次教育活動助成金)による活動支援の実施有無を判断する。 ・学生部・教学部は、ピア・サポーターとして求められる知識・能力・態度を修得する研修プログラムを提供するとともに、各学部オリター団からの要請に基づき、適切な時期に学生生活支援等の課題や団運営の課題に関する研修を提供する。 ・学部は、オリターの活動計画・活用内容を踏まえ、オリター団からの要請に基づき、学部が支援をする活動の範囲に応じて履修方法等の学習面に関わる研修・指導を行う。 (8)活動サイクル ・十分な準備・研修期間を確保することを目的として、以下の活動サイクルを標準とする。秋入学者に対するオリター活動については、個別に調整する。 ~10月:オリター(執行部)組織 10月~:オリター(団員)募集 02月~:初年次学生支援準備 04月~:初年次学生支援 07月~:活動の振り返りと自己評価(学部によっては秋学期の活動もあり得る) (9)振り返りと自己評価 ・自律的かつ主体的に活動の振り返りを行うことが、組織的にも個人的にも学びと成長に資する観点から、各学部オリター団は、活動の終了にあたって活動を振り返りと自己評価を行い、報告書をまとめる。 (10)情報の共有 ・各学部オリター団および学部・学生部は、相互にオリター活動に関わる事項の報告・連絡・相談を綿密に行う。特に、トラブル等発生した場合には、速やかに情報を報告・共有し、解決に向けた方策を協議する。 (11)改定 ・本フレームワークの改定は、学生生活会議の議を経て、大学と学友会の合意に基づいて行う。 以上