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2014年6月、ベルギーで開催された世界最高峰のジュニアのカートレース“KARTING ACADEMY TROPHY”の第1戦。太田格之進君は、海外初参戦とは思えない積極果敢な走りで世界の並み居る強豪を抜き去り、先頭でチェッカーフラッグを受けた。

父親に手を引かれ、太田君が初めてカートに乗ったのは、3歳の時だった。4歳からカートレースに参戦。「最初はただハンドルを操り、風を切って走るのが楽しかった」と、振り返る。しかし同世代や年上のライバルたちと競い合ううち、次第に「勝ちたい」という気持ちが強くなっていく。毎年全国各地で行われるカートレースを転戦し、上位に入賞する回数が増えるにつれ、いつしか「将来はプロのカーレーサーになる」という目標が明確になった。
レースは頭脳戦だ。「やみくもにスピードを出しても20周を完走できません。カートや路面のコンディションを見極め、ライバルのレース運びを推測し、いかに速く、最後まで走り切るかが勝負。いつスパートをかけるか、どのコーナーで相手を抜くか、レース中も常に考えています。思い通りのレース展開で勝った時は、最高です」と、目を輝かせる。

勝負はコース内だけではない。マシンを整備するメカニックに、車体の不具合や整備のポイントを正確に伝える時からもうレースは始まっている。マシンを熟知することはもちろん、些細な疑問も見逃さず、原因を考え、大人のメカニックと意見を交わすコミュニケーション力も求められる。海外に参戦した今年からは、外国人のメカニックを相手に英語で話すことも不可欠になった。「メカの知識に考える力、英語力やコミュニケーション力。世界で勝つためには、勉強も必要と実感しています」と太田君。目標があるから、学校生活も勉強も楽しいと思える。
夢はF1レーサーになること。太田君の挑戦はまだ始まったばかりだ。