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【SSH】初めてのオンライン国際サイエンスフェア、Japan Super Science Fair 2020 Online 開幕!

2020.11.11

 立命館高校ではSSH事業による大きな国際イベントとして、Japan Super Science Fair(JSSF)の開催を2003年から17回継続してまいりました。20カ国以上の高校生が集う、課題研究の発表を中心とした高校生のための大規模な国際科学行事です。18回目となる今年度はコロナ禍の影響により通常通りの開催を見送り、初めてのオンラインJSSFとして24カ国・地域から、海外校46校、国内校17校、約300名の高校生の参加を得て10月31日(土)に盛大に開幕しました。

 毎年11月に参加者を立命館に招き5日間連続の行事として実施しているJSSFですが、今年度はオンラインでの開催のため、参加校の授業に配慮し、第1週10/31(土)、11/1(日) 第2週11/7(土)、11/8(日) 第3週11/14(土)、11/15(日)の週末3回、各4時間を使って取組を計画しています。また、時差を考慮して、日本から西へヨーロッパまでをAブロック、日本から東へアメリカまでをBブロックに分け、Aブロックは日本時間の土曜日夕刻、Bブロックは日曜日朝に同じことを2回実施します。さらに、第2週に行う生徒の研究発表については、日本の日曜日深夜の時間帯にイランから西へハワイまでの学校で3つ目のブロック(本校生徒は参加できないため運営をイギリスの交流校に依頼)を作り、それぞれの発表者が3回の内の2回の発表を行うことにより、すべての発表者が世界中の参加者に研究発表を聴いてもらえる環境を準備しています。

 本校生徒達は、例年通りのJSSFを楽しみにしてきましたので、残念な思いもありながら、世界でおそらく初めての大規模な高校生のための国際サイエンスフェアとなる「第1回オンラインJSSF」を開催することに誇りを持ってこれまで準備を進めてきました。前例がまったくない中、高校2・3年生のSSGクラスを中心とした生徒実行委員会が参加者のための様々な企画を準備し、Week 1の初日を迎えました。開会式では生徒実行委員長の井上碧惟くんが「私たちは困難な状況の中でJSSFを実施することを決意しました。これまで以上に世界中の人々が集うこのようなイベントが必要であると信じているからです。私たちは、これまでのJSSFで行われていたように、共に世界をより良くするための知識と経験を蓄えるため、現在急速に発展している技術を利用してオンライン上で集結するのです。今年は多くの変更が必要な年でした。したがって、今年のJSSFのスローガンは『The Challenge of Change(変化への挑戦)』です。今、迫られている変化のために、自分自身に挑戦する必要があることを意味しています。今年のJSSFに参加するすべての人が、自分自身の視野と経験を広げ、豊かにし、得た知識と洞察を、さらなる仲間と共有できることを願っています。誰もが真の変化をもたらすことができる強力なインフルエンサーになる力を持っているのです。」と力強く述べ、盛大に開幕しました。

 Week 1では、開会式の後、日本、アメリカ、イギリスの3名の研究者の方々により、”How do you explore the universe?”というテーマで、天文に関する記念講演を行っていただきました。Thirty Meter Telescope(TMT)やSquare Kilometre Array (SKA)など、国際協力なくしては成し得ない巨大な天文プロジェクトのお話を直接聞かせていただき、参加生徒たちは将来自分たちが活躍すべきグローバルな世界を感じることができました。
 その後、国や学校の枠を超えたオンライン上での小グループによる取組を行いました。最初のScience Discussionの時間では「提示される5つの要因のうち、人類を滅ぼす最も大きな原因となるものを上から順番に並べ、それを防ぐための手立てをグループで考える」「プラスチックごみ問題の解決において最も大切なキーワードを20のうちから3つ選び、なぜそれが重要であるのか説明する」などのトピックが与えられ、参加生徒たちはオンライン上で初めて出会った世界中の高校生たちと議論を行いました。自分たちの考えが覆されたり、新しい視点での意見を交換したりと、難しくも楽しい時間となったようです。
 次のプログラムはScience Showdownとして、こちらも国や学校の枠を超えた5名程度の新しいグループで課題に挑戦する取組を行いました。数学や理科に関わる問題がいくつか提示され、グループで協力して課題に取り組みました。こちらはWeek 2にもグループワークの時間を設けているため、2週続けて同じメンバーで活動し、期間中にSNS等で回答を持ち寄り継続して話し合ってもらうことを期待しています。
 その後、日本文化紹介の時間には本校生徒が撮影し編集した清水寺や京都駅の楽しい日本文化紹介の動画をYouTube Liveを使用して全参加者で共有し、それを見終わった後にまた新しいグループでクイズに解答し提出するという取組を行いました。
 最後には参加国に協力してもらって作成した海外文化に関するクイズをKahoot!で行いました。多くの国が集うJSSFならではの多様性に富んだ問題が出され、参加者全員楽しい時間で締めくくりました。

 2週目以降には、研究発表や科学講義等が続きます。

 オンラインでの取組では、直接の触れ合いはないものの、工夫次第で心を通わせることが出来ると考えています。これからますますネットでの取組が増えることは容易に想像できます。その際に、オンラインで国際ネットワークを育み、協力して議論を進め、リーダーシップを取りながら活躍していける力を早くから育んでおく必要があると考えます。新しい時代の始まりを感じさせるJSSF Onlineの開幕です。

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<JSSF2020 Online 参加校>
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