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【SSH】大規模な高校生のための国際サイエンスフェア「Japan Super Science Fair」 Week 2を迎えました

2020.11.12

 先週末に開幕した大規模な高校生のためのサイエンスフェアJapan Super Science Fairは11月7日・8日にWeek 2を迎えました。Week 2ではこのフェアのメインイベントである、20カ国以上の高校生の科学研究の発表がオンライン上で行われました。

 今回のJSSFでは研究発表を二種類の方法で行いました。一つは提出した動画をオンライン上に置き共有することで、各参加者がコメントをつけたりそれに返信したりして意見交換するもの、もう一つは期間中に研究発表の時間を設けて、司会の進行によって順にオンライン上で発表していくものです。動画発表は10分間とし、ライブでのオンライン発表ではその動画を聴衆がすでに見ているという前提で5分間のPPT発表と10分間の質疑応答の時間を設定しました。

 オンラインでのライブ発表は時差によって3つのゾーンに分けて実施しました。他の活動は時差によって2つのブロックに分けているので別のブロックの参加者同士が出会うことはできないのですが、研究発表だけは3つのゾーンの中の2つで発表することによって、20カ国以上のすべて国の発表者の研究をすべての国の参加者が聞けるという仕組みです。生物・化学・物理・環境・地学・数学・ロボット工学などの分野別にオンライン会場に分かれ53本、3つのゾーンでのべ101本の研究発表が行われました。それぞれの会場では海外参加校の理数科の先生方が2名ずつコメンテーターとして参加され、研究発表後に専門的な見地からのアドバイスや今後の研究への励ましをいただくことができました。

 日本が参加する2つのゾーンでは本校の生徒が、日本時間深夜のゾーンではイギリスの交流校の生徒達が、それぞれの会場の司会進行役となり、プログラムを進めました。細かなトラブルはありましたが、司会生徒たちが臨機応変に対応し、すべての会場を無事に取り仕切ることができました。質疑応答ではたくさんの質問が出され多くの会場で活発なディスカッションとなりました。本校生徒も生徒実行委員会の事前ミーティングで「立命館生からどんどん質疑応答を盛り上げていこう」と約束がされていた通り、積極的に質疑を行う場面が見られました。そして何より、ハワイの高校生がイギリスの高校生に質問したり、日本の高校生がインドの生徒の質問に答えたりしている場面などを目にし、このような状況の中で科学を通した国際交流の場を自分たちが作り上げていることに多くの生徒たちが誇りを感じたことでしょう。今回研究発表のリーダーを務め、自らも”The time dependent change of redox reaction under various conditions(様々な条件下での信号反応の時間の変化)“というタイトルの研究発表を行った高3SSGクラスの佐藤虎汰郎くんは「今年はオンラインということもあり、いつもと違う環境だったので準備することが多くて大変でした。さらに自分の研究のデータを集めるのが難しくて諦めかけたこともありましたが、当日の質疑応答では多くの海外生から温かいコメントをいただけて、今まで研究を行ってきてよかったという思いと同時に、改めて世界は繋がっていると実感しました。」と述べています。

 研究発表に先立って実施されたScience Talk(科学講義)では以下の4つのオンライン会場に分かれて本校生徒が司会進行しながらの実施となりました。
 【T-1】 "Micro" Science to Change Medicine(医療を変える「ミクロ」科学)
 【T-2】 Sustainable Animal production Systems in the Tropics: Case of Poultry.
    (熱帯地方の持続可能な動物生産システム:家禽のケース)
 【T-3】 Bat influenza A virus(コウモリ由来のインフルエンザA型ウイルス)
 【T-4】 Science is Fun!(サイエンス・イズ・ファン!)
 参加者は各々興味のある講義に参加しました。どの講座でも先生方の専門性と個性を生かした大変有意義な40分間のご講義となりました。その後の質疑応答でも参加生徒が積極的に質問する姿が印象的でした。

 研究発表の後は、国や学校を超えた小グループで活動するScience ShowdownのWeek 1に続く2回目のグループワークとなりました。引き続き数学や理科の問題に40分間かけて取り組みました。国も文化も言語も違うメンバーが初めてオンライン上で集まって問題を解決するために議論することは、大変難しいことでしょうが、今の高校生が大人になったとき当たり前のように行われていることでしょう。

 大きな山場であったWeek 2が終わりました。世界中の高校生がオンライン上で集う貴重な場であるとともに、本校生徒にとっては様々な生徒たちが司会や質疑、研究発表、実行委員会の役割などで活躍し、大きな成長の場になっていることを実感しています。世界中のサイエンスを愛する高校生のためのJapan Super Science Fair、いよいよ来週はWeek 3としてJSSFのフィナーレ、最終週を迎えます。

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  <JSSF2020 Online 研究発表一覧(動画発表含む)>
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