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【SSH】本校主催の科学の祭典Japan Super Science Fair 2020 Onlineが24カ国・地域の参加を得て成功裏に終了しました

2020.11.19

 10月31日(土)・11月1日(日)、11月7日(土)・8日(日)、11月14日(土)・15日(日)の3週末にわたって開催してきたJSSF2020がとうとう最終週のWeek3を迎えました。
 Week 3では4つの取組が実施されました。最初は2週間を通してグループで取り組んできたScience Showdownの表彰式です。Week 1では4つの課題が各チームに出されました。生物分野からは「与えられた条件下で生存することのできる最も強い動物をデザインする」、地学分野からは「メンバーのそれぞれの国で雲の写真を撮り、グループで10種の雲(巻雲・巻積雲・巻層雲・高積雲・高層雲・積乱雲・乱層雲・積雲・層積雲・層雲)の写真を集める。10種に当てはまらない雲、珍しい形の雲を集めたグループにはボーナスポイント」、数学分野からは「折り紙を重ならないように折って半分の面積にする方法をできるだけ多く考える」、そして総合問題として暗号問題です。生徒たちは5名程度の小グループに分かれて2週間協力して取り組み、多くのグループからたくさんの興味深い解答が提出されました。表彰式では、優秀解答を提出したグループの生徒に解説をしてもらったあとで、教員からの講評を行いました。時差のある中、国籍も言語も文化も異なるメンバーが初めてオンライン上で出会い、2週間の間SNS等を使用して問題解決に取り組むことは決して容易なことではなかったでしょうが、参加生徒はその難しさも楽しさも感じながら一生懸命取り組みました。今の高校生が大人になったときにはオンラインでの国際的な協働が間違いなく活発になっていることでしょう。その世界を早いうちから経験したことで、将来につなげてくれることを願っています。
 その後、Week 1に続き2回目の日本文化紹介が行われました。今回のWeek 3では嵐山の風景や日本の食事マナーなどに関する動画を生徒実行委員会が作成し、参加者全員で鑑賞した後はグループに分かれてクイズに取り組みました。過去17年間のJSSFでは京都に参加者が集い、清水寺観光や市内での散策によって秋の美しい風景と日本文化を楽しんでもらっていました。今回それはかないませんでしたが、バーチャルで楽しく日本文化を体験してもらうことができました。
 3つ目の活動として、海外校からの海外文化紹介が行われました。24カ国・地域からの参加があるJSSFならではの楽しい企画です。この活動では海外校にそれぞれのブレイクアウトセッションをホストしてもらい、参加者たちは自分が選んだ好きなセッションの発表を聞きに行くという形を取りました。タイ語の挨拶、カナダのクイズ、オーストラリアの食べ物、シンガポールの風景、ハワイのフラなど、どの学校も参加者とのインタラクティブなプレゼンテーションを準備してくれており、多様な文化を身近に感じる時間になりました。
 閉会式では、本校の堀江未来代表校長より感謝の言葉とともにCertificateが参加者全員に授与され(事後に郵送)、参加生徒の代表からのスピーチ、生徒実行委員長の閉会の言葉と続きました。最後に本校生徒達が作成したクロージングPVが流され、全員でzoom上で手をつないで記念スクリーンショットを撮りました。
 Officialな活動がすべて終了し、ほっとしたところで、最後にはFarewell Eventとして、オンラインでも楽しめるゲーム3つを生徒実行委員会が準備し、ブレイクアウトセッションで小グループに分かれて楽しみました。3週間を共に過ごした仲間と、最後に笑いの絶えない楽しい時間を過ごすことができたようです。Farewell Eventの最後にはすべての参加生徒が協力して作り上げた、全員でのWe are the worldの動画が流され、感動とともに初のJSSF2020 Onlineは幕を閉じました。
 今年度の初めてのJSSF2020 Onlineの実施にあたって、さまざまな方にお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

Week 1 報告
Week 2 報告

<JSSF2020 Online>
■    参加国数 24の国と地域
■    参加校数 海外46校 国内(SSH校を中心に)16校 立命館高校 計63校
■    参加生徒数 海外163名 国内42名 立命館高校生79名 計283名
■    口頭発表数 分野別に6会場に分かれて 計53本 のべ101本(3ゾーンでの実施合計)
■    動画発表数 計121本

<海外校の参加者からの感想(抜粋)>
●    It was so much fun learning and meeting so many amazing people even if it was online, thank you so much for this awesome opportunity!! 
●    I could not have asked for a better science fair than this! I am very sad that this has come to an end, but I cannot express how much I am thankful to the Ritsumeikan School and staff, and the new friends I made. Hopefully, I get to see everyone again! Thank you so much :))
●    Thank you for working hard to make it happen. It is important to continue the JSSF for future generation. Some participants will meet each other at some science field in the world in future. Job well done again. Please keep going.
●    Great job on making it possible to still host an amazing event like this, being faced with Covid-19

<本校高校3年生の感想(抜粋)>
●    今回のJSSFは私の今までの固定概念を大きく覆したと考えています。今までJSSFなどのサイエンスフェアはオフラインで行うべきであり面と向かって話し合うことこそに本質があると考えていましたが、実際にJSSF Onlineを開催してみるとおおむね滞りなくそのイベントを開催することができ、とても驚きました。これはこれからの私の研究において新たな選択肢になるのではないかと考えています。また従来以上の参加校を集めることができたため非常に充実したものとなっていました。提出された多くの研究を見ることができたのは私自身非常に良かったと思います。
●    私はこのフェアで多くの困難にもまれながら英語力に加え、精神的にも少し成長出来たのではないかと思います。厳しい状況下でも世界中の高校生やエキスパートの方々とサイエンスについて考えを共有出来たことは貴重な経験でした。おそらく将来的にもサイエンスのみならず様々な分野でオンラインが取り入れられていくのではないかと思います。対面とは違った側面をもつこれらを今後どのように活用していくか今回の経験も踏まえながら検討していければと思います
●    研究発表からは自分の知りたいと思ったことを追求する人の情熱を感じ、物事に夢中になる素敵さを知りました。私ももっと英語を使って自分のことや知りたいこと、意見を伝えたいので、英語学習に力を入れていきたいと思います。やはり、対面でみんなに会いたかった気持ちはありますが、今しかできない、私たちにしかできないJSSFを作ることができたと思います。
●    今回はオンラインで世界的なフェアをするというものすごく大きな挑戦に携わることができたことをとても光栄に思う。しかもそれが成功に終わったということがとてもうれしい。この先も変わらず努力をして、いろんなことに挑戦しようと思った。このフェアは僕にそう思わせてくれるモティベーションを与えてくれた。この先グローバル化が進んでいったときに対応できる人間に必要なことなどを、身をもって感じ学べたということが私の人生にとても大きな影響を与えてくれた。
●    私はこのフェアを通し、リーダーシップやICTスキルが向上し、国際的視野を広げられました。そして同年代の高校生が素晴らしい科学研究を行っていることに刺激を受けました。将来はこの経験を糧に、世界を舞台に活躍して行きたいと思います。
●    私はJSSF 2020 Onlineを経て、また一つ自分を成長させることができたと思う。フェア内では今まで習った理系の知識や英語力をフルに使い、とても楽しかった。また、私の英語は上手だとはとてもいえないが、伝えたいという気持ちを持てば伝わるということを感じた。そして、当時高校一年生の自分に比べて、研究発表を少しは理解できるようになり、さらに自分の殻を破って質問も積極的にできたので、自分自身でも成長をものすごく実感した。今回の経験は私の中で大きな自信となったので、将来の国際交流の際に存分に活かしていきたいと思う。
●    ブレイクアウトセッションでは積極的に自分から話すことができ、また、多くの海外生と意見を交換することができました。そしてWeek2の研究発表でも、いろいろと海外生に質問できました。去年の自分では質問するということは考えられなかったので、この一年、英語の授業や国際交流を通して大きく成長できたんだと身をもって感じました。このような国際交流を経験して、もっともっと英語を勉強して、将来英語を使って多くの人と意見を交換できるような大人になりたいと思いました。これからますますグローバル化されていくので、英語を通してたくさんの人と交流したいです。

<高校2年生の感想>
●    約半年友人2人とタイの生徒3人、計6人で勤しんだ共同研究をなんとか1つのプレゼンテーションとして発表できたのはこの上ない喜びであり、達成感であり、今後の研究を励ますものでした。今数学の研究を課題研究としているのですが、私自身将来は数学の研究者として生きていきたいので、その第一ステップにふさわしいものであったと思います。また、国内生の発表はもちろん、海外生の発表はとても興味深いもので、自分の研究につながりそうな研究をしてらっしゃる生徒と連絡を取り、少し研究と研究を繋げることができたことは私にとってJSSFにおける1つの成果あるいは成功としても良いと思います。
●    研究発表は、対面では当日初めて聞いたプレゼンに質問をしていく必要があります。しかし、今回は事前にビデオやポスターを見ることができたり、トークアプリを用いて直接は勇気がなくて言えない質問も気軽にできたりしました。また、好きな種類の研究発表をみたことで、自分の興味のある分野の知識を深めることができたことに加え、私のこれからしていく研究に関連している内容の知識を広く手に入れることができました。日本語を話す私たちが、普段使わない英語で会話をするというのはとても高い壁です。この壁を越える、壊していくにはいかに自分自身に自信を持ち、何事にも挑戦していくことが大切だと感じました。
●    今回のJSSFにおいて私は勉強をもっと頑張ろうと思いました。というのも英語面もそうですが、みんなの研究発表を聞いたり動画を見たりしているときに自分の知識不足で少し理解が及ばない点に何回か遭遇しました。実際、日本の生徒含め海外生の研究は私たちがしている研究以上に高度なものが多く、感銘を受けるとともに、自分ももっと頑張ってこれらに並び立つくらいの何かを一生懸命模索できるようになりたいと感じました。今回のJSSFは初のオンライン開催で不安な部分も多々ありましたが、成功してよかったと思います。
●    今回のJSSFで自分に自信がついたというところが、自分にとって1番大きなことかなと思います。研究発表では実験の内容などとても自分の課題研究にも参考になるものが多くあり、またSlackがあったことによって躊躇なく質問も出来たので、考え方を共有できとても有意義な時間になりました。僕自身あまり海外と関わって仕事がしたいなど思ってはいなかったのですが、今回JSSFに参加したことにより、海外生の自分とは違った考え方や視点を知り、またその楽しさを身をもって実感できたので、将来を考えるいいキッカケになりました。
●    ディスカッションなどではお互い鋭い視点から物事を見合い、それが受け入れられる、鋭いながらもウェルカムな雰囲気で行えた、議論が終わってみんなの意見が一つにまとまったあとの達成感は忘れられません。ショーダウンでも新たな友だちに出会え今では週に何回か電話するほど仲良くなることができました。今回のJSSF2020を通して様々な障害がありましたがそれを乗り越えられるぐらい本当に沢山の経験をすることができました。私は今回の参加を通して成長したすることができたと胸を張って言えます。
●    特に印象に残っているのはディスカッションで、オンラインではあるが、それぞれの生徒が個々の意見をしっかりと言い合えた。研究発表においてもSlackを活用しての質疑応答など充実したプログラムだったと思う。来年こそは直接会ってJSSFが行われると良いなと思う。
●    今回のJSSFで沢山の国の人が混じった中で、社会で必要とされる人は、周りをしっかりと見ることができるリーダーシップ力があって、なんでも積極的にする人であることを学び、これは世界共通なことなんだと初めて実感することができました。もし、JSSFを経験することができなかったら、私はまだ周りの目を気にする臆病なままだったと思います。世界という大きな舞台で、自分の将来に大きくプラスになることを確信できるたくさんのことを学べて本当に良かったです。
●    私はこのJSSFが初めての国際交流となった。初めは自分の力がどこまで通用するのか不安だったが、無事に海外生と仲良くなることができてよかった。研究発表では難しいテーマのもとで同年代の人達が立派に研究している姿を見て、尊敬した。自分もあのようになりたいと思った。ディスカッションでは自分の意見を伝えることの難しさを知った。日本語ならいくらでも思い付く話の展開や進行、英語になると突然出来なくなった。まだまだ英語力が足りないことを痛感したので、これからの英語の勉強に一層力を入れたい。
 
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