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【SSH】SSGクラス2年生がプラズマ・核融合学会で研究発表

2021.01.27

 2021年1月23日、(社)プラズマ・核融合学会主催の第18回高校生シンポジウムが開催され、本校SSGクラス2年生の2名が「プラズマによる宝石の改変と合成」というタイトルで研究発表を行いました。コロナ禍のなか、ZOOMを使用してのライブ発表でした。
 プラズマとは電離によって生じたイオンや電子が含まれる気体です。私たちに身近なプラズマは物質が燃えるときに生じる「炎」です。今回、大阪大学大学院工学研究室の上田良夫先生のご協力でプラズマ発生装置を使用させていただき、重水素(化学的性質は水素と同じで質量が2倍)、ヘリウム、酸素のプラズマを照射して、10種類の宝石の表面改質に取り組みました。高エネルギーの重水素プラズマ照射により、ほとんどの宝石類に変色などの変化がみられました。とりわけ、マラカイトでは主成分の銅が、ルビーやエメラルドではアルミニウムと思われる金属が表面に析出するなど興味深い結果が得られました。アルミニウムが反応しやすい可能性があると考えられ、高校の課題研究室では酸化アルミニウムと赤色に着色するための酸化クロムを使用してルビーの合成に挑みました。家庭用電子レンジで2000℃以上の高温状態をつくり、二種類の酸化物を包んだアルミホイルを溶融してルビーを合成します。電子レンジ内部でプラズマが発生しやすい条件を見つけることと試料の調整が成否の鍵です。上手くいかないことの方が多く失敗の連続ですが、根気よく実験しているうちに合成に最適な条件がわかりつつあります。
 高校生にとってプラズマや核融合の研究は条件的に難しく、ほとんどの学校がプラズマや核融合とは無関係の内容で発表するなか、プラズマをテーマとした発表は12校中2校だけでした。コロナ禍でいろいろと制限の多い毎日ですが、二人は実験を粘り強く続け、はじめての対外発表を経験しました。実験内容に関心を持たれた大学の先生方も多く、いろいろな質問や意見が出されました。緊張しながらもスムーズに発表できたことで自信がついたことと思います。今回の発表で弾みがついたためか先日、気持ちを新たに二人が実験したところ、赤い粉末状のルビーと思われる物質がようやく合成できたようです。
 プラズマ照射による物質の改質は専門家にとっても未知のことが多く、生徒の取組みが意外な発見につながることを期待しています。

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