ニュース

【SSH】本校生徒がタイのKVIS-ISF 2021に参加し、数学の研究発表を行いました

2021.03.17

 2021年2月6日から2月20日までオンラインで開催された国際サイエンスフェアである4th KVIS Invitational Science Fair 2021(KVIS-ISF 2021)に高校2年生SSGクラスの2名が参加し、研究発表を行いました。

 タイのKamnoetvidya Science Academy(KVIS)は2015年に開校した学校で、理数系の優秀な生徒の教育、国家の持続可能な発展のための知恵の推進、自然と人類に対して前向きで熱意のある研究者や発明家の育成を目指している先進的な学校です。4度目のKVIS-ISFでしたが、今回は新型コロナウイルス感染症の拡大のため、初めてオンラインでの開催になりました。パンデミックによる予期せぬ困難に、科学的試み、友好、協力の精神をもって一緒に立ち向かいたいという思いがこのフェアに込められました。その思いを持って、本校から高校2年生のSSGクラス2名が参加しました。フェアのテーマは「Scientific Endeavors in One Click」、つまりコロナ禍の中で立ち止まることなくICTの利便性を活かして科学的試みを行っていこうという意志に基づいて開催されたフェアでした。

 KVIS-ISF 2021の取り組みの中で研究発表のコンテストがメインとなりました。生物学、物理学等の8つの分野がありました。本校生徒は以前からタイの高校生と一緒に研究してきた数学の国際共同課題研究の成果を発表しました。タイトルは「Geometric Figures on the Multiplication Circle Using Modular Arithmetic」で、合同式における乗法を、ある法則に従って円を用いて可視化する研究です。6月からタイの高校生と毎週のようにオンラインでミーティングを重ね、お互いの考え方と発見を共有しながら研究を進めました。合同式と平面図形の関係と数学の美しさに気づき、さらにカージオイドのようなまだ学校で習っていない内容にも触れることが出来て大きな刺激になりました。その研究内容を英語の論文にまとめ、5分間の発表動画を作成しました。生徒たちは、英語で論文を書く大変さ、動画を編集する大変さを感じながら粘り強く取り組み、完成したときに大きな達成感を得ることができました。オンラインで世界に向けて発表し、さらに大きな刺激を受け、今後に向けて新しい目標を立てることが出来ました。
<研究内容>
N,m を自然数とする(N>2,1≤m≤N)。円周上にN個の点を等間隔にとり、時計回りに0から N-1 まで番号を振る。x番目の点と(xm "mod" N) 番目の点を線分で結ぶと N,m によって様々な図形ができる。この図形のことをMultiplication Circle という。この研究は特徴的な図形を生成するNとmの関係式を明らかにすることを目標としている。例えば、Fig 1の各図形(順にDonut Pattern, Turtle Shell Pattern, Pizza Pattern, Cardioid Pattern)を生成するNとmの関係式を明らかにすることができた。
news_210317_1
 今回のサイエンスフェアでは研究発表に加え文化発表もありました。開会式の日に各国が作成した文化紹介の動画が流され、国内で参加しながらも世界とつながっていることを改めて感じることが出来ました。

news_210317_4

以下は参加生徒の感想です。
  • 私は、KVISのサイエンスフェアに出ていろいろなことを学びました。まず、プレゼンテーションや論文を英語で作る大変さです。数学の専門分野のことをまず日本語で理解していくのにも苦戦するのに、英語でそれを学ぶことの大変さを知りました。このサイエンスフェアで、様々なことを学んで失敗もしたけど、これを通して一歩踏み出せた気がしました。
  • 準備不足のため質問の際何を聞かれているのかを把握できず戸惑ってしまい理想の答えを返すことができませんでした。これを踏まえ今後同様のサイエンスフェアに参加することができるとするならば事前準備を万端にしこの雪辱を果たしたいと思います。また反省の多いサイエンスフェアでしたが同時に今後の課題が見つかる等、実りの多い有意義なものでした。
news_210317_23tile