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SSH 東京グローバル研修

2015.08.12

Super Science High School (SSH)
国内研修 報告

  

 725()から31()の日程で、さくらサイエンスプランで来日したタイのMahidol Wittayanusorn SchoolMWITS)の生徒10名と立命館高校の生徒4名が、29日(水)~31日(金)の日程で、東京にて、サイエンス研修を行いました。

 

729() “東京へ移動し、国立天文台訪問”

 国立天文台では、臼田功美子先生から国立天文台についての説明、特に、国立天文台がハワイで運用しているすばる天文台は世界最先端の技術を誇る天体望遠鏡であり、多くの功績をあげていることなど興味深い話を伺いました。続いて、ハワイで建設が開始されているTMTThirty Meter Telescope)の説明を受けた後、天文台内を見学させていただきました。歴史的価値の高い、古い望遠鏡を見せてもらったり、太陽系を模式的に表した遊歩道を歩いたりと、楽しい見学でした。

 

730() “日本科学未来館見学、東京工業大学”

 午前中は日本科学未来館にて見学研修。2時間という短い時間での見学だったため、時間がもっとほしかったという感想が多くなってしまいました。しかし、ASIMOのショー等が特に良かったようで、日本の最先端科学技術を楽しく学習できました。

 午後は、東京工業大学を訪れ、大学見学と講義受講、そして研究室の見学を行いました。2006年、MWITSから初めての交換交流で立命館を訪れてくれた生徒の一人が、MWITS卒業後、東京工業大学で学び、現在はタイで研究者として活躍しています。彼女から恩師を紹介してもらい、この訪問が実現しました。

 東京工業大学では、最初に特徴的なキャンパスを見学させてもらい、その後、スーパーコンピューターTSUBAMEを見学。見学の最後に、工作室を見せてもらいました。最先端の中でもものつくりを大切にされていることが理解できました。

 続いて、2つの講義を受けさせてもらいました。生命理工学研究科、生命情報専攻の山口雄輝教授と生体システム専攻の本郷裕一教授の講義でした。山口先生は、ゲノム情報発現の制御機構の解明をされた先生で、この日の講義は、サリドマイド催奇性における主要な標的因子を発見された話でした。長年謎とされていた研究で、魚類や鳥類のサリドマイドによる異常が大きく改善されるという内容でした。本郷先生からは、シロアリとその腸内にいる腸内原生生物の話であした。講義の後で、本郷研究室を実際に見学させていただき、全員に2台ずつの顕微鏡を用意いただき、講義に出てきたシロアリとその腸内の原生生物を実際に見せてもらうことができました。その後、研究室で行われている様々な研究を丁寧に説明いただきながら見学させていただきました。

 

731() “「脳」についての講義”

 午前中、立命館大学東京キャンパスに、自然科学研究機構 特任教授 小泉周先生をお招きし、「脳」についての講義を行っていただきました。

 講義では、網膜の機能やその信号を脳がどのように認識するかをお話しいただき、信じられないような錯視をいくつも見せていただくことができました。驚きの体験により「脳」の不思議さを感じ、続いて、小泉先生が作製されたマッスルセンサーを用いた体験をさせてもらいました。筋肉の収縮時に発生するわずかな電流を捕え、それを増幅してランプをつけるという機械です。最後に、小泉先生が歩まれた経歴から、若い高校生に期待することや将来に向けてのアドバイスをいただき、講義は終了しました。


 東京駅で最後の食事をして、MWITS生徒たちとはお別れ。


貴重な科学研修を体験し、多くの友情を育み、友人との再会を誓っていました。