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SGH 台湾平和研修を実施

2015.09.10

Super Global High School (SGH)
SGH
台湾平和研修報告

                       

SGH台湾平和研修を実施しました。

 

2015 Kaohsiung International Forum of Social Science and Humanities (KIFOSH)

2015高雄人文曁社會科學國際論壇

 

819()827()、今回で2回目となるSGH台湾研修を実施しました。本校の交流提携締結校である、台湾の高雄市立高雄高級中学(KSHS:男子校)と高雄女子高級中学(KGHS:女子校)との協力により、社会的な問題について日本と台湾の高校生が共同で調査し、フィールドワークも行い、さらにそれをプレゼンテーションにまとめて発表するという活動を行いました。

2年目となる今回は、今年のホスト校である高雄女子高級中学と事前にTV会議での打合せやディスカッションを行い、本校のSGHの趣旨や本校のテーマの共通理解のもと、今年度は、特に研究の手法に重点を置き、理論的に整理した上で、「調査→フィールドワーク→調査→プレゼンテーション」という流れで取り組むことができました。

全体を4つのテーマ・8グループにわけ、立命館の生徒2(男女問わず)に高雄高級中学の生徒(男子)および高雄女子高級中学の生徒(女子)3人の1班合計5人グループで1つの班をつくり(1つのテーマに2つの班)、グループ活動を行いました。

4つのテーマは、1. Water Resources, 2. Fast Fashion, 3. Conflicts of Middle East, 4. New Immigrants という、多様なテーマでしたが、人文科学系の研究を行う手法のさまざまな面を体験できました。

本校からは16名の高校2GLコースの生徒と高校1GJクラスの生徒が参加(高210名・高16名、男子6名、女子10名)。全員がそれぞれKGHSまたはKSHSの生徒のお宅にホームステイをさせていただき、台湾の文化や最近の情勢を知るうえでも、非常に有意義でした。


1日目、819()、午前10時に関西国際空港の国際線出発ロビーに集合。まだ夏休みで海外に行かれる方が多いのか、出国の手荷物検査場は長蛇の列でしたが、中華航空の飛行機は定刻に出発。無事に高雄に到着しました。1日目は、市内の様子を知るための市内観光のみでしたが、ガイドの方が新潟に3年間住んでいたという日本に詳しい方で、台湾と日本の違い等、非常にわかりやすく、面白く、お話してくださり、これからの1週間にわたるステイにとても参考になることが多かったようです。蓮池潬や寿山(忠烈祠と恋人展望台)などを見学し、台湾の食べものや文化、行事のお話をいろいろと教えていただき、心がまえをつくる上でも有意義な半日でした。

夕刻、1730分に高雄女子高級中学に到着し、お迎えに来ていただいたホストファミリーの方と、生徒はそれぞれのステイ先に分かれていきました。

 

2日目、820()は、ディスカッションのための準備の日でした。午前中、Ice-breaking Activitiesを行った後、各班が事前に台湾と日本でそれぞれリサーチしてきたことを発表し合い、共有しました。午後は、スタンフォード大学から台湾に調査に来ておられるJennifer HSIEH(謝若鈴)さんから ”Idea and Method: Creating One’s Path in Social Science Research” というタイトルで講演をいただき、生徒達からも質問がいろいろと出され、今回のForumへの意欲を高めました。その後、各校の学校紹介と文化紹介をお互いにし、本校の生徒は全員で「ソーラン節」Danceを披露しました。

3日目、821()、この日が「開幕日」でした。900からOpening Ceremonyが開催され、黄校長のご挨拶に続き、KSHSの謝校長のご挨拶をいただき、その後、本校竹中副校長が中国語と英語で挨拶をしました。それぞれ、若い世代への期待と集まった3校の交流関係の継続への決意が語られ、熱い気持ちが伝わる開会式となりました。それから、記念品の交換や、生徒代表からの挨拶があり、このForumの実質的なスタートとなりました。

その後、午前中には、各班に分かれ、それぞれの班で付き添ってくださるInstructors & MentorsKGHSKSHSの主に社会科の先生方、および実習教員や大学生)のご指導のもと、ディスカッションをスタートさせました。

 

午後は、班別の活動で、1. Water Resources 2. Fast Fashionがテーマの4つの班はKGHSに残り、ディスカッションの続きで、主に意見交換を行いました。3. Conflicts of Middle East4. New Immigrants4つの班は、MRTに乗って高雄市内のモスク(イスラム教寺院)を訪問しての調査活動でした。ただ、こちらのモスク訪問は、現地でのお話もインタビューもすべてが中国語で進んだので、話題についていくのに大変だったようです。

4日目、822()Forumは一日中続きます。午前中は、ディスカッションの続きで、各班で調査内容を明確化するとともに、まとめを見据えて調査方法を討議し、実際の調査を具体的に考えるなどしました。午後は、昨日と逆で、1. Water Resources 2. Fast Fashion4つの班がフィールドワークに出かけました。1. Water Resources2つの班は、MRTと徒歩で、市内各地の貯水施設や防災施設を見学してまわりました。 2. Fast Fashion2つの班はHanshin Department Store(漢神百貨店)を訪れ、インタビューなどをしました。

 

5日目、823()は、ホームステイ先の家族と思い思いに過ごしました。心配していた台風15号も、台湾の手前で急に進路を変え、我々を避けるように北上していったので、高雄方面にはほとんど影響はなく、新しくできた巨大ショッピングモールにある観覧車を楽しんだ生徒もいました。

6日目、824()、この日だけは会場をKSHSに移して、実施されました。台湾は、School Year8月末から始まるので、この日がKSHSは新入生の登校日。新年度が始まるあわただしさのなかでも、この取組みを重視してくださっている熱意が伝わってきました。午前中は、まず ”Japan in Taiwanese Literature”「我的華麗島‐西川滿與臺灣文學」というタイトルの講義を受けました。戦前から戦中にかけて台湾で活躍した 西川 満 という日本人の作家が、台湾の文化に興味を持ち、影響を受け、また彼の作品が台湾の文学に影響を与えた話から、台湾と日本の交流について考えました。また、そこから、今回のような取り組みの重要性を考えるよい機会となりました。昼食時には、KSHSの生徒に校内や学校近辺を案内してもらい、生徒は交流を深めるとともに、創立100年近い校舎の歴史を感じていました。午後はディスカッションの続きとともに、調査活動やプレゼンテーションにまとめるための準備を行いました。その後、プレゼンテーションで提案する内容に関して、各班で意見交換を行いました。

7日目、825()、この日も、ディスカッションをさらに深め、明日に発表するプレゼンテーションの準備の活動を行いました。

午後、KGHSでは新入生に向けてのClub Show Dayが開催されます。我々も、その、いわゆる「新入生歓迎会およびクラブ紹介」の会に参加させていただきました。生徒会の代表の生徒によってすべて運営され、エンターテイメント精神あふれる司会や、吹奏楽や演武のレベルの高さに圧倒されました。

8日目、826()KIFOSHの最終日です。午前中、朝から、生徒たちはプレゼンテーションの作成とリハーサルで大忙し。台湾の生徒と日本の生徒が話し合い、コンピューターやスマートフォンを駆使しながら、グループ内の意見交換や進捗状況の共有を図り、班でひとつのプレゼンテーションにまとめていきました。

 

午後は、各班の発表。各班、趣向を凝らし、プレゼンテーションを行いました。KSHSKGHSの英語科の先生方がジャッジをしてくださりましたが、昨年度と比較しても、プレゼンテーションのスキルが格段に向上していることとお互いのディスカッションがより深くまでテーマを掘り下げて内容をしぼって発表できていることに驚いておられました。今回のKIFOSHでは、人文分野におけるリサーチの手法の習得に重点を置いていましたので、その点でも、各班の努力がうかがえました。

 

お互いのプレゼンテーションの発表の後には、閉会式を行い、KGHSの黄校長、KSHSの謝校長、立命館の竹中副校長からの挨拶のなかで、参加した高校生全員の健闘を讃えるとともに今後のますますの交流に向けて、また、今回考えたWorld Issuesについてこれからも深めてどう行動につなげていくのかという課題などの話がありました。参加者全員にCertificateが与えられ、KIFOSHは閉幕を迎えました。終わった後も、記念撮影などで盛り上がり、互いの健闘を讃えあいました。

 

9日目、827()、今回のSGH台湾研修の最終日です。この日の午前中はFree Timeで、とてもお世話になった各自のホストファミリーの生徒と高雄市街に出かけ、それぞれが思い思いに過ごしました。各自、台湾の生徒と昼食を自由にとった後、昼にはKGHSに再び集合し、バスで空港に移動。とても仲良くなった台湾の生徒と、再会を誓い合うとともに、別れを惜しみました。高雄国際空港から関西国際空港へ、空の旅は、ほぼ定刻通り。明日からの新学期に気持ちを切り替えて、解散しました。