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SGH高1GJ「ONEDAY FIELDWORK」を実施

2016.07.04

Super Global High School (SGH)
GJクラス特別プログラム報告
SGH  GJ ONEDAY FIELDWORKを実施しました

 6月21日、高1GJクラス対象にGJ ONEDAY FIELWORKを実施しました。国際系クラス2コース80名の生徒が、SSHコースとSGHコースに分かれて実地研修をする取り組みで、今年度で2回目となります。これは、2年時に両コース(クラス)に進学することを想定して、1年時よりコース(クラス)内容に特化した取り組みを先行的に実施・経験することにより、コースでの学びをより主体的におこなうことを目指したものです。
SGHコースでは、兵庫県神戸市にあるJICA関西様と人と防災未来センター様への訪問で、留学生を含め41名が参加しました。


 事前学習として、まず、両施設の活動内容のリサーチや、それらを踏まえ自らの意見を形成しました。その後、16日には、グローバルな課題としての防災教育について、災害の多い足元の日本を見つめるということで、東日本大震災でどれだけの国々から支援を受けたのか、また、支援の内実を検討することにより、私たちが支援する側としての被災者のニーズとはどのようなものなのかということを中心に、本校教員によるワークショップを実施しました。


 そして、研修当日。青年海外協力隊に参加された中野元太様より、エルサルバドルでの防災教育に従事されたご経験をお話しいただき、その後のワークショップでは、発展途上国で災害被害が多くなる理由について、同国でどのような災害・防災支援が必要だと思うかを、グループでディスカッションし発表し合いました。さらに、高校生ができる「アクション」についてもご提言いただきました。災害問題といっても実は多岐にわたっている問題で、そのことを生徒たちは感じ取っていたようでした。また、災害には目に見えるものと見えないものがあり、自らの故郷の喪失など後者についても思いを馳せなければならないことも理解したようでした。
 午後からは人と防災未来センターを訪問し、生徒たちにとっては生まれる前の出来事である阪神淡路大震災について、映像資料やボランティア説明員の方々の話にじっくりと耳を傾け、災害の風化と復興の課題という問題について、深く学ぶことができました。


 24日には、事後学習としてSSHコースと研修内容の交流をおこないました。コースは異なれど、その目的を一にしている取り組みであることから、自らの研修内容を他者へ発信し、また経験していない研修について他者から聞き取る作業をすることで、より一層学びの意欲が高まったようでした。事後アンケート結果からは、「国際的な問題に関する学習意欲が向上したか」について95.2%が向上したと答え、特に「貧困問題」「災害問題」「国際平和問題」
の分野への関心が非常に高く、本研修を契機にさらに上記問題に取り組んでいってほしいと願っています。

以下は生徒の感想です(一部)
「中野さんのお話でエルサルバドルと日本は災害が多い国という共通点を理解しました。しかし1点だけ日本とは異なることがあり、それはエルサルバドルという国が世界であまり知られていないということです。情報発信システムを整えることもそうですが、もっと世界が知ろうとする努力が必要だと思いました」
「隣同士の両施設とも防災について研究、発信しているのだと思いました。JICAの活動を深く知ることができてよかったです」「どの話、展示も私にとっては内容の濃いものでした。行く前と行った後では理解が大きく異なりました」「日本で次に起こるかもしれないと言われている南海トラフ地震は私たちが住んでいる地域も含まれているので、すごく勉強になりました。今から準備をしておこうと思いました」「先進国と途上国でなぜこんなにも復興にかかる時間、一つの震災による衝撃が違うのかと思った。途上国にはない『技術力』を与えていかなければならないと思った」「個人の力がいかに小さなものであっても、そのような問題に目を向け、興味を持つことの重要性を感じ、これからの課題研究活動につなげていきたいと思います」