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SGH  Rits Super Global Forum (RSGF) 2016 実施報告②

2016.11.18

Super Global High School (SGH)
GL/GJコース(クラス)SGH取組報告

SGH  Rits Super Global Forum (RSGF) 2016 実施報告 ②

11月15日(火)~19日(土)にかけて本校で開催されているRits Super Global Forum(RSGF)2016。
2日目( DAY 2 )は、まず、特別基調講演としてフォト・ジャーナリストの安田菜津紀さんにご講演をいただきました。メディア等でも積極的に発信しておられる安田さんの今回のご講演は全編英語でしたが、時折笑いも交えながらも会場全体にお人柄が染み渡るものとなりました。
世界の紛争地や貧困地域の人・モノなど多くの写真を提示してご説明いただきましたが、その優しい語り口のなかに潜む現実の冷厳さ・過酷さを目の当たりにされてきた安田さんならではの社会的課題についての現状認識と、それを踏まえて我々が考えるべきことなどを提示していただきました。それらを生徒たちは食い入るように聞き入っていました。
シリア内戦で取り残される子どもたち。東日本大震災後の陸前高田の子どもたち。社会的弱者に寄り添おうとされる安田さんのスタンス。講演後の質問でも、本校生や海外生たちからの質問に真摯に答えてくださり、移動のために講演後すぐに去られた後も質問し切れなかった生徒や海外教員等も多く、その反響の大きさを物語っていました。
 終了後、安田さんからは「立命館高校にお邪魔させて頂きました。在校生さんや、世界各地から集まった70人の高校生たち。その熱量にたくさんエネルギーを頂いて。あんな環境に10代のうちに触れられるのは羨ましいし、もっと大人としても、心と言葉に触れる場を築かなければ、と気持ちを新たにしました。感謝です。」(安田菜津紀さんfacebook 2016/11/16より)とのお言葉をいただき、これからディスカッションに突入していくにふさわしいすばらしいご講演をいただくことができました。
 その後、ファースト・ディスカッションに臨み、互いの自己紹介とこれまでリサーチしてきたことを改めてシェアしあう時間となりました。
 午後からはStudy Tour of Disaster Prevention History & Culture Experience in Kyotoと題して校外研修を行いました。京都市防災マップ(水災害編)を手にして京都鴨川に足を運び、水害に苦しんできた京都の人たちがいかにそれらに対処してきたのかということなど、先人の工夫や智慧を学ぶため実地で学習しました。また、現地での防災に関するレクチャーは、生徒たちが作成したパンフレットをもとに各グループリーダーが英語で説明しました。時間が足りず満足にレクチャーできなかったグループもあるなか、鴨川べりを歩きながら各自想いを馳せるなど、海外生たちにとっては貴重な経験となったようでした。その後、京都文化体験として、万華鏡作りや八つ橋作り体験をし、夕食をディスカッション・グループで取り、この日を終えました。

 3日目( DAY 3 )は、朝から6限終了後までひたすらディスカッションを繰り広げるディスカッション漬けの1日でした。この日は8名程度(本校生と海外生がほぼ1:1の割合)のsmall groupでのディスカッションでした。この日3度あるディスカッション・セッションで、最終的にアプローチ毎に世界の貧困問題を解決するための具体的な解決策、あるいは行動計画を提示するというかたちにもっていくという目標をもっています。例えば、世界の貧困問題を解決するために経済的なアプローチからは何が必要で、また、高校生の自分たちに何ができるのか。非常に難しい問題に挑戦しているからこそ、そこで生まれる苦悩や無力感、諦念をのりこえなければたどり着けないものです。一人ではなく海外の高校生とともに考えること、生きてきた環境や考え方が全く異なる者が集い、そこで生まれる何か。
その成果は最終日に明らかになるかもしれません。大人たちの過去の知見など経験値の高さから導かれる判断が必ずしも通用しなくなった不透明な現代社会であるからこそ、高校生の直観や感性を大事にしたい。彼(女)らが荒削りで現状理解の不足があるとしても、そこから創出されるアイデアにはキラリと光るもの、または、本質的なものをキャッチしているものが多く含まれているということは確信を持って言うことができます。最終日に期待したいと思っています。
 ディスカッションの合間のランチタイムでは、時間差を利用して本校3年生のゼミ科目「吹奏楽とボランティア」受講生徒たちによる特別演奏会が開かれました。海外生もよく知っているお馴染みのナンバーを演奏していただき、アタマを使ったあとのひとときの安らぎの時間を得ることができました。
ディスカッション終了後の放課後は、気分を換えて日本文化体験キャンパスツアーと題して本校所有の茶室「瑞兆軒」での浴衣体験や書道、けん玉、ソーラン節など古来の遊具などを体験しました。
明日は5つのアプローチ・グループが一つにまとまるMini-Plenaryディスカッションです。
 RSGF2016の挑戦は続きます。