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SGH 第3回「高校教育のグローバル化を考える」シンポジウムを開催

2017.03.10

Super Global High School (SGH)
SGH
活動の普及の取り組み報告

 

SGH 第3回「高校教育のグローバル化を考える」シンポジウム 開催

 

223日(木)、本校スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業として、「第3回高校教育のグローバル化を考えるシンポジウム~SGH事業3年間の総括と今後の可能性について~」を開催しました。高校入学時よりSGHの様々な授業やプログラムを体験してきた生徒たちが卒業を迎える今年度、SGH指定3年の節目として、その到達点と課題を広く共有いただくのと同時に、さらに発展的に推進していくためのご助言等をいただく機会として、本校キャンパスを会場に全国より教育関係者をお招きしました。

まず、3年間の授業の集大成として、卒業を前にした3年生GLコースの生徒たちとともに英語特別授業をおこないました。TTの授業スタイルで、パネルディスカッション形式のディスカッションをおこなったわけですが、この特別授業のコンテンツやスタイルについても、自分たちがこれまで学んできたものが最も発揮できるものは何かということについて、生徒たちと担任でもある授業者が相談しながら決めたものでした。

つぎに、開沼博先生の特別講演会を実施しました。「社会のグローバル化と教育の未来可能性」と題して、今後ますますグローバル化していく社会のなかにあって、私たちが生きている社会とはどのようなものであり、そのような社会を生きていく生徒たちに教育としてどのようなことが期待され、そして大人たちはどうすべきなのか。また、貧困をはじめ困難な現実を直視したときに立ち上がってくる「当事者性」の涵養についてどのように考えればいいのか、など非常に示唆に富むご講演をしていただくことができました。

午後の部では、生徒発表をおこないました。「SGHプログラム・GLコース3年間の学び」「グローバル化社会に生きる未来の私」「フィリピン研修と釜ヶ崎研修」「学びを実践に変える~研究開発課題の当事者性とは~」「課題研究の取組から~代表生徒によるポスタープレゼン~」の5つの発表で、GLコース3年生と2年生がそれぞれの学びから得た成果と、未来につながる・つなげていく想いをプレゼンテーションしました。

 最終の全体討議では、それまでの内容を踏まえ幅広くご意見をいただくことができました。

 

 

 本校では2013度入学生から教育システムを変更し、高校2年次から国際系コースとしてGLGlobal Learning)コースを設置しました。GLコースは、英語学習や国際交流を重視している、いわゆる国際系のコースにとどまらず、「平和と民主主義」を教育理念とする立命館であるからこそ、平和へ積極的に関わる多くの優秀な人材を輩出したいと願っての設置でした。世界の時事問題に高い関心を持ち、平和を愛する深い思いと平和の実現のために行動できる力を養成したいと考えてきてのことでした。そうしたなか、GLコース開始の同じ年に、2014年度から始まる文部科学省SGH事業に参加することにいたしました。研究開発課題は、GLコース設置目標をそのままに、「平和な社会の実現に貢献できる人材の育成を目指す教育システムの研究開発」としました。まさに同じ目標に向かえるこの事業への参加をしてまもなく3年が過ぎようとしています。今回のシンポジウムでは、これからも上記教育目標をめざし、実践活動に邁進するという強いメッセージを発信することができました。

全国よりご参加いただきました教育関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

以下は参加いただいた方からの感想です(アンケート 一部抜粋)

特別授業について

・生徒たちが英語で活発に議論している姿が印象的でした。生徒の活動的な学びを引き出す先生のファシリテーションの工夫もすばらしかったと思います。帰国生ゼロのクラスで、あれだけの学習活動を実現できたのは、3年間の英語学習全体の組み立てと、フィールドワーク等の実体験を絡めた仕掛けの多数さ、そして何よりも先生方の継続的な努力とチームワークがあったからこそだと思います。すばらしい授業を見せていただきありがとうございました。

・自分の意見をすぐに英語でまとめ、発信できることに感銘を受けました。英語力の高さだけではなく、論理的思考力なども印象的でした。

生徒発表等について

3年間の活動を通じて自分の意見や考えをしっかりと伝える力量がついていると感心しました。また、学んだことだけを話すだけではなく、学んだことから自分が気づいたこと、これからの自分はこうしたいと自信を持ちはっきりと話せることにも感心しました。高校卒業後の将来がとても楽しみです。

・講演の中でも開沼先生がおっしゃっていましたが、「当事者性」というのがひとつのキーワードであると感じました。GLコースの生徒たちが英語をツールとして活発な学習活動を生き生きと展開できているのも、様々な問題について、それぞれの生徒が自分なりの「当事者性」を感じているからなのではないかと思います。伝えたい内容が自分の中にあり、伝えたい相手が目の前にいれば、伝えるための道具としての英語力は自然についてくるのだなと実感しました。ツールとコンテンツの幸福なスパイラルが実現できているようでした。今日見せていただいた実践例を持ち帰って共有し、本校の今後の教育活動に役立てたいと思います。