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SSH 本校でノーベル物理学賞受賞者の益川敏英先生の講演会を実施

2018.07.25

Super Science High School (SSH)
さくらサイエンスハイスクールプログラム報告

 

SSH 本校でノーベル物理学賞受賞者の益川敏英先生講演会実施

 

716日の11時から、本校においてノーベル物理学賞受賞者の益川敏英先生の講演会が開催されました。これは、科学技術振興機構(JST)のさくらサイエンスハイスクールプログラムの一環で本校が会場となり実施されたものです。

「理系人材を目指す世界の若者へのメッセージ」と題されたこの講演会は本校の堀江未来代表校長がコーディネーターとなり対談形式で行われました。またさくらサイエンスハイスクールプログラムから海外の高校生が参加しているため、通訳を交えてのご講演となりました。

お話は、先生は模範的な生徒とは言えなかったそうですが、目標がはっきりするとそれに向かってとことん努力を惜しまない幼少時代だったというところから始まりました。良い仲間に巡り会えること、良い先生に巡り会えることが大切であるということを強調されました。また、同じ到達レベルの学生が夜を徹して議論することが極めて重要であるとおっしゃられたことが印象的でした。数学の研究と物理の研究が決定的に違うのは、物理の理論は美しいだけでなく実験と一致しなければならないところ。クォークが4種類と考えると、美しい理論は出来るが実験結果とは一致しない。実験結果と合わないという論文で諦めようかとしていた時、入浴中に4種類でなく6種類にすればいいのではと思いつかれたことが、ノーベル賞を受賞された「小林・益川理論」へつながったということでした。科学には「あこがれ」と「ロマン」が重要なこと、「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があるが、大海を知った井の中の蛙こそが、第3の世界の可能性に気づくのだとおっしゃられました。先生のお言葉の一つ一つから、偉大な業績を上げられたことが伺える講演会でした。

 

益川敏英先生

ノーベル物理学賞受賞者

高校時代に当時世界的な物理学者だった坂田昌一博士にあこがれ、名古屋大学に進学し、同大学院で理学博士号を取得。専攻は素粒子物理学。1970年に京都大学にうつり、1973年に物質の存在の謎を解く画期的な理論である「小林・益川理論」を発表。2008年秋にノーベル物理学賞を受賞。