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SSH 高1GJクラスを対象に理系One-Day Fieldwork 実施

2018.07.30

Super Science High School (SSH)
高校1年生の理系One-Day Fieldwork報告

SSH 高1GJクラスを対象に理系One-Day Fieldwork 実施

 6月19日火曜日、高校1年生GJクラスのうちほぼ半数約60名がOne-Day FieldworkのSSHコースに参加しました。SSHコースでは午前中に京都府立植物園での実習、午後には2コースに分かれて京都府立大学と京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)においてお世話になりました。

 午前中は京都府立大学の椎名隆教授と佐藤雅彦准教授に説明していただきながら、府立植物園内のさまざまな植物を観察しました。カギカズラという植物は一見ただのツル植物に見えますが、茎をよく観察すると、鉤のような棘が2、1、2、1と規則正しく並んでいます。植物は脳を持たないにも関わらず、数を数えることができるという説明を聞き、生徒たちは興味深く観察を行いました。温室では、「奇想天外」という植物も観察しました。この植物は生涯でたった2枚の葉しか持ちません。また、その寿命も長く、1千年以上生きている株も存在します。奇想天外はなぜ2枚しか葉を持たないのか、生徒たちも不思議に感じ、その理由を考えていました。また、カカオの実は幹や太い枝に直接生えるという不思議な実のつけ方をします。奇怪な実のつけ方に驚いていました。

 午後のAコースは、京都府立大学へ移動し、生命環境学部の小保方潤一教授、織田昌幸教授、椿一典教授の研究室を見学させていただきました。小保方先生の研究室では、植物でも動物でもない、特殊な生物について研究を行っています。ウミウシはその一例で、動物であるにもかかわらず、藻類がもつ葉緑体を体内で飼うことが知られていますが、なぜそのようなことができるのかについてゲノム情報の視点から研究をされています。織田先生の研究室では、様々なタンパク質の結晶構造解析を行っています。結晶を作成して構造を決定したり、物理化学的解析手法によって構造変化の解明を行っています。JAXAの高品質タンパク質結晶生成実験にも参加されています。椿先生の研究室では、様々な機能を持つ有機化合物の開発をしています。ナフタレン骨格がたくさん並んだオリゴナフタレンの合成を行っており、新規材料として注目されています。ホモオキサカリックス[3]アレーンはカリックスアレーンとクラウンエーテルの両方の特徴を併せ持つ化合物の合成を可能にし、修飾することで、糖類やアミン類の特定ができる呈色薬の開発も行っています。それぞれの研究室で行われている研究内容に関して、高校1年生の生徒たちにわかりやすいように丁寧に説明していただきました。大学院生の実験の様子も見学させていただきました。次に、石田昭人副学長の特別講義を受けました。石田先生の研究についてのお話、生徒と学生の違い、大学へ向けた勉強について大変身になる話を聞かせていただきました。
 生徒たちは終始熱心にメモを取りながら聞き入っていました。当初の予定を超えてお話を聞かせていただくことができ、先生方の研究への情熱を感じ、大変有意義な時間となりました。

 Bコースは、京都大学CiRA(サイラ)の見学をさせてもらいました。CiRAはCenter for iPS Cell Research and Application, Kyoto Universityの略称で、「京都大学iPS細胞研究所」のことです。2010年に「iPS細胞の臨床応用」という使命を持って開設された研究所で、ノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥先生が所長を務めておられます。
 見学では、最初にiPS細胞とは何で、どのように役立つのか、ここではどのような研究がされているのか等を分かりやすく説明をいただき、その後で、3グループに分かれて所内を見学させていただきました。多くの研究者の方々が世界第一線の研究をまさに行っておられる間を通っての見学で、たいへん緊張する経験となりました。広い所内は、それぞれの研究者がグループの枠を超えて交流し合いながら研究が行えるようにと、細かな部屋に区切られることなく、実験用の機器や机が並んでいました。
 CiRAは研究機関であるとともに教育機関でもあり、ここで学びながら研究を行っている大学院生もおられるとのことで、高校生達もどうすれば大学院でここの所属になれるのか等にも興味を持っていました。
 見学から戻って、最後に、iPS細胞から作られた「心筋細胞」が動いているところを実際に顕微鏡で見せてもらうことができ、大いに興味関心を高めることが出来た見学となりました。 
 CiRAでの研究がさらに発展し、世界の人々の幸せにつながる研究となることを願い、また、自分達自身も将来そのような研究に携わることが出来ればと多くの生徒達が夢を抱いてくれたと感じています。