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SGH 東京平和研修を実施しました

2018.08.05

Super Global High School (SGH)
SGH東京平和研修報告


SGH 東京平和研修を実施しました

 8月1日(水)~3日(金)の日程で、SGH夏季平和三研修の一つである東京平和研修をGLコース、GJクラスから計6名が参加して実施しました。東京研修は、将来グローバル人材となるために、まず日本や世界の課題について知ることを第一目的として設定されています。ワークショップやディスカッション等の活動を通じて、現在世界で起こっている問題や多文化共生について、自分たちの生活と関連づけながら、自分たちができることについて考えを深めていきます。
 研修1日目は、国際協力NGOセンター(JANIC)の方による講演をお聴きし、NGOとは何か、日本のNGOがどのような支援活動を行っているのか等について学びました。また、ワークショップでは、貧困問題、特にベトナムの貧困問題について知り、その原因を考え、プロジェクト立案を経験しました。ベトナムの貧困問題として、破傷風で命を落としてしまった少年ニャットの物語をもとに、治療が間に合えば未然に死を防げる病気であるにも関わらず、なぜ少年ニャットは命を落とさなければならなかったのか、その原因を社会的、医学的、物理的、経済的要因など様々な視点から探り、意見交換をしました。意見交換をする中で、これらの原因は貧困問題が根底にあり、さらにそれぞれの原因が複雑に絡み合っており、簡単に解決できるものではない問題であることにも気づきました。このように少しでも命を落とさずに済むために、どのようなプロジェクトが考えられるかグループごとに立案しました。ワクチン接種ができていない原因を断ち切るために、少しでも多くのペットボトルキャップを回収しワクチン寄付をするという自分たちの身近なところからできるプロジェクトを考案したグループ、医療従事者への教育や保健ボランティアの育成など長期的プロジェクトを考案したグループもありました。また、これらのプロジェクトは、SDGs(持続可能な開発目標)のどの目標と関連しているのかを考えることで、SDGsは自分たちと繋がっていることであり、世界の問題を「自分事」として捉える第一歩となったように思います。JANIC研修を終えて、生徒たちは「世界の問題について自分がまだ知らないことがたくさんあることを知った、知ることの大切さを学んだ」「恵まれた環境に自分は生きているということに気づかされた、普段の自分の生活の中でフードロスの削減、ベルマークやペットボトルキャップの回収など、自分たちにできる小さなことをやっていきたい」「自分たちの生活の中にも、無意識のうちに児童労働などの問題と関わっていることがある。世界の問題について、自分が学んだことを人に伝えることから始めたい」「貧困とは何なのか?平和とは何なのか?考えさせられた。答えは見つからないが、今後も考えていきたい」等と想いを述べ、自分たちの生活や自分自身と世界の問題を結び付け、様々に考えを深めることができました。

 研修2日目は、独立行政法人国際協力機構(JICA)を訪問し、地球ひろばの体験ゾーン見学と青年海外協力隊の方の体験談をお伺いしました。地球ひろばでは、SDGsや私たちの生活と食糧との関わりについての特別展示があり、11月に本校が主催するRSGFメインテーマとも関連する内容で大いに勉強になりました。また、世界には飢餓や食糧不足の問題がある一方、日本では莫大な食糧廃棄をしている現状を無視できない、自分たちにできることはたくさんあるのではないかと生徒たちは各々考えを巡らせました。青年海外協力隊の方の体験談では、日本が行ってる援助のしくみや青年海外協力隊の方々はどのような活動をしておられるのか、また異文化の中で人とのコミュニケーションを大切にしながらボランティア活動をしていくことの意義などについてお話しを伺いました。これまでただ漠然としか知らなかった青年海外協力隊の活動について具体的に知ることができ、将来、青年海外協力隊として海外で困っている人々のために何か力を尽くしてみたいと興味を抱いた生徒もいました。
 2日目午後には、NPO法人難民支援協会の方よりご講演をして頂きました。ここでは、難民とはどのような人々なのか、難民になる原因や難民に関する現在の状況、日本の難民受け入れ状況、難民として日本社会で暮らす人々の生活とその苦悩、難民支援協会の活動等についてお聞きすることができました。世界の難民の数は現在6,850万人であり、それは3秒に1人が難民になっているということを意味します。難民問題解決に向けて必要なことは何か?もちろん、難民を生み出す紛争の根を断つことや、難民を支援することは必要ですが、平和で安全な国が難民を受け入れることが大切であり、日本も難民問題について目を背けられない時期に来ているということを生徒たちは実感していました。その日の振り返りでは、生徒たちは次のように考えを述べ、考えをシェアすることでさらに難民問題に対する理解を深めた様子でした。「外国人に対して日本人が閉鎖的であることが気になった。移民、難民を尊重するだけでなく、その人達のことを理解して接することが大事だと思った。この研修で、難民に対する理解が深まり、いろいろなことを考えさせられた。」「自分たちの生活をよりよくするために途上国の生活を侵してもいいのか?難民や移民、外国人に対して偏見がある。その考え方を根本から考えていかければ難民問題解決にはつながらない」「難民を遠くに感じてしまっていた。かわいそうだなで終わる日本人が多いのでは?本当の意味で理解できていない、多様性を認めるきっかけを自分から作らないといけないのでは」

 3日目は、チェコ大使館を訪問し、館内を見学させて頂いた後、チェコ大使館やチェコセンターの方よりチェコの概要、文化、産業、芸術についてお話しをお伺いしました。特に、チェコと日本との関わりや、チェコ人と日本人との共通点について新たな発見があったことは、国際社会の中の日本についても考えを深めるきっかけとなりました。
 今回の研修参加生徒たちは、研修後、異口同音に「研修に参加して良かった。世界にはまだまだ知らない問題がたくさんあることを実感した。それらを知ろうとすることが大切だし、自分たちにできることを今後も考え続けていきたい」と語りました。
 本校SGH事業では、今後とも様々な機会を提供し、生徒たちの成長に寄与できればと考えています。