2018.11.24

Super Global High School (SGH)
RSGF2018 報告④

SGH　　Rits Super Global Forum (RSGF) 2018　実施報告　④

11月13日（火）～17日（土）にかけて本校で開催されているRits Super Global Forum（RSGF）2018。4日目(DAY 4 )は、40名規模で実施するMini-Plenary Discussionが終日続きました。

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Mini-Plenary Discussion。このチャレンジングな議論の形態。5つのステークホルダーである「生産者」「消費者」「企業」「政府」「NGO(NPO)」それぞれでのSmall Group議論を受けてその立場を越えて合意形成をはかり、また翌日の発表のために内容を詰める。ここでの議論は翌日のPlenary Session の成否を決定づける重要な要素だ。おきまりの定型的な発表を披露し合うというフォーラムにはしたくない。まだ誰も踏み入れたことのないフィールドに行ってみたい。Mini-Plenary Discussionを採用して3年目。そして生徒たちの野心的な取り組みはもう5年も続いている。

昨年はどうであったか。「『カオスだ』。５つのトピックには本校３年生のトピック・リーダーを配していたが、あるトピック・リーダーがそう言いながら崩れ落ちた。ピリピリしたムード、海外生徒の先鋭化する議論を捌き切れず錯綜する議論。自身の無力感に打ちひしがれ涙する生徒。『昨年度と同じなのか？やっぱり無理だったのか』。そう思った。しかし、今年度はここからが違った。他の会場でもTAと協力しながらファシリテートをするトピック・リーダー。うまく議論が流れない。しかし、そこではリーダーだけではなく議論に参加している他の本校生が積極的に発言したり、リーダーをサポートしたりと、リーダーが孤立することのないよう全力でサポートしていた。また、崩れ落ちた上記リーダーに対しても教員が丁寧にサポートに入り、また生徒たちもリーダーを支えた。これは昨年には見られなかったことだった。『全員で何とかしようとしている、オーディエンスではなくプレイヤーとして議論しようとしている。すごいじゃないか』‥」（昨年度より）。

そして今回。ある生徒が呟いた。「RSGFとは一体なんなのか？私たちは何の議論をしているのか？どこに向かおうとしているのかわからない」。確かにそうであった。議論はSmall Group毎に進捗状況が異なっていた。それはわかっていた。それを踏まえてうまく捌いていくことにファシリテーターの力量が問われるし、Mini-Plenaryの議論を先導するリーダーの存在意義がある。そして、その役割も本校3年生が担っている。Small Group毎の発表とそれを聴き続ける聴衆。Q&Aは活性化することなく、インタラクティブな議論にならない。議論は迷走した。しかも、ステークホルダーが異なっているところから価値観の共有がされにくい。例えば生産者は消費者でもありNGOでもありえるというように、一つの立場が複数を担うということは頭では理解していても、立場をなかなか越えられない。Make it a better place。世界の課題を解決してよりよいものしたい。想いは一緒のはずなのに、よい知恵が浮かばない。教員も最大限サポートした。議論が収斂し統合されていくように様々なツールを提供した。それを有効活用することで議論がスムーズに進んでいったグループもあったが、全てがそうとは言えなかった。生徒はやる気に満ちてはいた。疲弊し苦悩するMini-Plenaryリーダーを助けてあげたい。しかしその方法がわからない。時間は過ぎていく。翌日のFinal Presentationのための準備に入らなければならない。最大公約数的に妥協するしかないのか。これが目指していた形なのか。

　放課後の時間に設定されたCultural Performanceでは、道を塞がれた彼（女）らのエナジーが迸った。それは後悔や申し訳なさややるせなさ、不全感などない交ぜになっているようにも見えた。そして、そこにはもう一つ、明日への決意も見えたのだった…。

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