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東日本大震災から7年に寄せて

東日本大震災から7年が経ちました. 7年の月日と共に復興が進み,避難されていた住民の方が戻り始められた地域もある一方で,心の傷は決して癒えることがなく,その心の復興には 先を見通すことのできない長い道のりが横たわっています.いまなお2500名以上の方は,行方がわからず,縁者の方々が消息を求められているという現実もあります.被災された地域では,いまなお幾多の苦悩と困難が続いていることと想像を巡らせながら,今日という日を迎えました.被災された地域の皆様に謹んでお見舞いを申し上げます.

災害復興支援室は,東日本大震災直後に活動を開始しました.身内の方が 被災された本学の学生の支援から始め,被災地の支援にも取り組んでまいりました.それらの取り組みは,被災された人々の支援を目的に始めたものですが,様々な活動を通じて,徐々に我々自身が多くのことを学ばせていただいているとういうことを強く感じるようになりました.飛散してしまったコミュニティーの再構築,地域経済の再生,一人一人の生活の再建の過程を目の当たりにして,人が生きていく場をゼロから作ることの難しさを強く感じました.あらためて,何事もなく暮らしている日常の生活がいかに貴重なものであるかを認識させられました.
災害復興支援室では,毎年,被災地の皆様と一緒に様々な取り組みに関わらせていただいています.それらは,地域,期間,規模とも限られたものです.ある意味,一瞬だけ光る点のような取り組みかもしれません.それが「広範な地域に,かつ長期間にわたり,様々な課題を抱える被災地の復興にどれだけ寄与できているのか」ということを問われることがあります.しかしながら,期間が限られていても,ごく限られた地域であっても,我々の活動でその地域の皆様には,将来に向けて明るい希望を多少なりとも膨らませていただけているものと信じています.我々の活動は,小さな点の活動かもしれませんが,日本中で取り組まれている他の数多くの点の活動が集まれば,点がやがて面になり被災地の再生・復興に大いに貢献できるものと考えています.その意味から,今後も我々自身の活動を続けると共に,日本中で活動しておられる多くの皆様との連携を密にして,その輪を広げていくことに取り組んでいきたいと考えています.

日本は災害国です.地震,火山,台風,大雨など,日本では自然災害が激化して来ていると言われています.我々はそういった自然災害と共に生きていかざるを得ない国に暮らしています.被災という現実の問題を直視して,それを乗り越える方策を被災地の皆様と一緒に考えるこことができた経験は,間違いなく次ぎにつながると信じています.

立命館として改めて災害復興支援に取り組む意義を確認し,今後も引き続き,粘り強く,活動を続けていくことをお誓い申し上げて,追悼の言葉とさせていただきます.


2018年3月11日

学校法人立命館 災害復興支援室  室長 建山 和由