Reportレポート・参加者の声

くまもと映画プロジェクト「うつくしいひと」チャリティ上映会を開催

「平成28年熊本地震」から1年。前震のあった4月14日の前日である13日に、震災前の熊本の美しい風景と物語が織り込まれた映画を見ながら関西から熊本に思いを馳せようと、災害復興支援室が企画しました。
映画上映後は、山口洋典・共通教育推進機構准教授(前災害復興支援室副室長)が進行を務め、ゲストに関嘉寛・関西学院大学社会学部教授と戸上雄揮さん(法学部2回生、くまだす+R代表)を迎え、『関西から熊本に寄り添って』というテーマのもと、トークセッションを行いました。熊本県玉名市出身で、震災後西原村での農業ボランティアや子どもの教育支援の活動を行ってきた戸上さんは、「1年が経って変化した事は?」という問いに対し、「何回か通う中で、徐々に瓦礫のあった場所は更地になるなど、目に見える変化があった。また自分の周囲では、熊本に関心を持つ人が増えたように感じる」と話しました。一方で、「くらしの再建や人々のつながりの形成には時間がかかる」とも述べました。更に、「一緒に活動した仲間から熊本の自然や食べ物の美味しさを絶賛され、震災が起こる前よりも熊本が好きになった。またこの活動が無ければ出会うはずの無かった人との出会いもあり、それからが活動の原動力になっている」と話しました。戸上雄揮さん


震災後、益城町を中心に学生たちのボランティア活動を企画・引率された関教授は、活動に当たって心がけていることのひとつとして、「ボランティア活動だけでなく“まち歩き”を通して、町と人のことを知る機会をつくることを大切にしている」と話しました。また、「地域の方とのかかわり方のコツは?」という会場からの質問に対し、「行動に最後まで責任を持つことを前提にしたら、遠慮をせずに多少図々しくてもよいと思う」と答えました。
 
関嘉寛教授

閉会にあたり、塩崎賢明・災害復興支援室副室長は、「熊本地震から1年が経過したが、いまなお、関連死が増えている。その事実からも目をそらさず、継続的な支援をしていきたい」と締めくくりました。
塩崎賢明副室長

なお、会場外では、熊本映画プロジェクトのチャリティ企画として多募金活動と古本募金も実施し、多くの方のご協力により、計16,294円を行定監督(くまもと映画製作実行委員会)にお届けすることができました。