Reportレポート・参加者の声

「クウちゃん10歳」フォト投稿 審査員特別賞

image_phptoto-tokubetusyo-kuchan

「大船渡漢字探検隊」の宿泊先で旅館のお婆さんが震災のことを語ってくれた。
地震後、街はまだのんびりしていた。しかしチリ地震津波の体験があるお爺さんは「只事ではない」と、クウちゃんを抱き3階へと階段を駆け上がった。
近所の建物はひとたまりもなく潰されたが、旅館の3階に避難した人は全員助かった。
旅館を再建してから3か月後、お爺さんは病院で息を引き取った。臨終まで「クウちゃんに会いたい」と言っていたが、病院に連れては行けなかった。
今もクウちゃんは、毎日かなりの時間を旅館の玄関で過ごしている。「お爺さんがいつか帰って来るんじゃないかと思ってるんでしょうかねぇ。」とお婆さんは語っていた。

【投稿ネーム】久保 裕之 さん
【撮影年月、撮影場所】 岩手県大船渡市 2012年10月
【立命館とのご関係】  立命館大学・大学院 教職員

全応募作品
【受賞発表】災害に見舞われた地域に心を寄せてー「つむぐ思い出」フォト投稿