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准教授

Ph.D. in Philosophy, University of Copenhagen

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yishihar [at] fc.ritsumei.ac.jp ([at]を@に置き換えてください)
Office Location:
AC5307
Office Hours:
月曜日 11:00-12:00(メールにて事前連絡)

学歴

  • Ph.D. in Philosophy, University of Copenhagen

2017年コペンハーゲン大学で、西田幾多郎とハイデガーにおける1920年代後半の超越論哲学の批判的受容について博士論文を執筆し、博士の学位を取得しました。2017年4月より2018年3月まで東京工業大学の地球生命研究所で人文系としては初めてポスドク研究員として雇用され、そこでは生命の起源をめぐる議論に現象学及び日本哲学の観点からどのようなことが寄与しうるかを模索しました。また2017年2月から2019年3月まではプリンストン高等研究所の招聘研究員として、学際的研究プログラム所長のピート・ハット氏と、現象学におけるエポケー概念の再解釈に関する共同研究を行ないました。

学生のみなさんへ

現代社会はあらゆる情報で溢れ返っています。そうした状況で必要となってくるのは「批判的思考力」と我々を取り巻く状況に対する「自覚的な意識」です。前者は飛び込んでくる情報を批判的に取捨選択するために、後者はこの目まぐるしい社会の中で自分の立ち位置を見失わないために必要となります。グローバル教養学部ではカリキュラムの内容が非常に多彩で、これらのスキルを育成するための最適な環境が整っています。私たちは、皆さんがこのグローバルな社会において次世代のリーダーになれるよう、広い視点と深い自覚を持った人材になるためのお手伝いをします。

研究領域

Kyoto School Tradition, Phenomenology, Comparative Philosophy, Philosophy of Play

私は近代日本哲学(主に京都学派の哲学)と現象学の交差するところに関心があります。現象学が「事象そのものへ」という標語を掲げるとき、それはどこまで—またどのような方法で—溯源(そげん)することができるのか、また溯源すべきなのか、という問いが近年の1番の関心事です。また最近は現象学的エポケーの再解釈を試みています。この研究では、エポケー概念をフッサールが紹介したような特定の文脈から、日常における実践的な文脈に位置づけ直し、さらにそれを“実在と遊ぶ”ための実践的で有効なツールとして捉え直すことを目的としています。

立命館大学 研究者学術情報データベースもご参照ください。

指導領域

日本の近代哲学(京都学派の伝統を含みますが、これに限定されるものではありません)、東西比較哲学、現象学などを扱ったトピックを学ぶ学生の皆さんを歓迎します。また、私は、哲学と心理学、神経科学、デザイン、技術などが交差する学際的なトピックにも関心を寄せています。

主な著書と出版物

  • "Nishida and Ueda on Philosophical Reflection", in Tetsugaku Companion to Ueda Shizuteru: Thoughts about Experience, Language, and Zen (Series: Tetsugaku Companions to Japanese Philosophy), Raquel Bouso et al. (eds.), Springer, forthcoming.
  • "Heidegger and Nishida’s transformation of transcendental reflection", in Phenomenology and Japanese Philosophy (Series: Tetsugaku Companions to Japanese Philosophy Vol. 3), S. Taguchi and A. Altobrando (eds.), Springer, pp. 77-94, 2020.
  • "Nishida Kitarō's awakened realism: going radically transcendental", Metodo: International Studies in Phenomenology and Philosophy, Special Issue 1.3 (On the Transcendental), pp. 57-84, 2019.
  • 「西田幾多郎の場所論と超越論的基礎づけ主義」『日本の哲学』(昭和堂)第18号, pp. 93-112, 2017.