教員からのメッセージ

グローバル化した時代にふさわしいリベラル・アーツを

山下 範久 教授

山下 範久

教授

リベラル・アーツは、ギリシャ・ローマ時代にその理念が生まれ、中世にヨーロッパの大学で実践的な知識・学問の基礎となる自由七科として定着しました。近代に入ると、特にイギリス圏で、“Philosophy, Politics and Economy(PPE)”という形で、社会のリーダーが応えるべき課題に立ち向かうために必要な基礎的な素養であるとされ、またそのようなリーダーの間の共通言語としての役割も果たしました。

しかし、アジアの世紀と言われる現代に入り、世界の価値観の重心が変化する中で、西洋由来のリベラル・アーツを再生産するだけでは、時代に追いつかない状況となっています。社会的な要請に応えられる実践的な能力を涵養するためには、グローバル化が進んだ現代の文脈でリベラル・アーツを再定義する必要があるのです。

本学部は、Cosmopolitan Studies・Civilization Studies・Innovation Studiesといういわば21世紀型のPPEを備え、さらにANUと連携することで、アジアの国際社会の変化や、アジアが20世紀までの近代をどのように乗り越えようとしているのかといった、地域に根差した学びを提供します。日豪二つの視点から、社会を変える思考と実践の技法を学ぶことで、私たちは新しいリベラル・アーツを創りだしていきたいと考えています。

これから世界が求める“Intellectual Tolerance”を徹底的に鍛えよう

崔 裕眞 教授

崔 裕眞

教授

今まで欧米社会を中心によく使われた言葉で“Social Tolerance”があります。これは異なる文化・宗教をもつ多民族の人々が、互いに尊重し合いながら共生を求める上で必要な能力を意味します。これからは、“Social Tolerance”を超えて、さらにグローバルな視点から異なる価値観と知性、学問領域を尊重し合い、新たな価値を共創する“Intellectual Tolerance”が必須になると思います。

この言葉は、例えば、幕末美術作品から日本の工業デザインの本質を新たに見つけ出したり、人工知能のアルゴリズムと中国の古典詩を比較してみたりなど、離れた領域としてみられがちな学問と知識の領域を創造的に横断し、新たな知性を追求し続けることを意味します。直訳すると、「知的寛容力・包容力」になりますが、本学部では“Intellectual Tolerance”の高度化を目指して、世界の多様性を学ぶ“Cosmopolitan Studies”、世界の文脈性を学ぶ “Civilization Studies”、そして世界の未来を創造する “Innovation Studies”という学びの有機的な流れを用意しています。

学生個々人が、21世紀グローバル時代をリードする新知性人を目指して、日々学び、実践する全ての知識を、ご自分の遺伝子に刻めていけるように、本学部では学生・教職員全員が一丸となって目指していきます。

広々とした美しいキャンパスでじっくりと学ぶANUでの1年間

廣野 美和 准教授

廣野 美和

准教授

私はANUに2度留学し、また教えてもいましたが、ANUの特長として1つの科目を深くじっくり学ぶという事があげられます。毎週の授業は、大教室での講義と10~20人程度のグループで討論や発表をする「tutorial」という授業が組み合わされ、どちらも学生が活発に質問や発言ができるオープンな雰囲気で行われます。学生と教員との距離感が近く、「オフィスアワー」という学生が自由に教員の研究室へ行って面会できる時間帯があったり、担当教員にメールで連絡をとって個別面談をしてもらえる自由な雰囲気があったり、学修に関する相談が気軽にできます。教員の立場からすると、このような支援体制があることで、学生の学修状況が把握しやすくなり、個々の理解度に合わせた対応ができるので、学生一人ひとりを大事にした指導ができるという印象を持っています。

ANUがある首都キャンベラは、オーストラリアらしいおおらかな自然と都市機能を兼ね備えた街で、アジア言語で書かれた書籍を南半球で最も多く所蔵するオーストラリア国立図書館があります。ANUの広々とした美しいキャンパス内にも学問分野ごとに5つの図書館があり、ゆったりと落ち着いた環境の中で学修に集中することができます。

私の専門は中国研究ですが、日本とオーストラリアの2つの大学で学んだことで、アジア地域に対する色々な視点を得ることができました。ANUで過ごす1年間は、日本だけでなく、欧米の視点とアジア・太平洋諸国の視点も学ぶことができる、素晴らしい機会になると思います。

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