塚本敏人さん

入学年度
2013年 博士課程前期課程
研究指導教員
橋本健志 教授
出身大学/大学院
東洋大学
塚本敏人さん 個人別時間割
Q1.スポーツ健康科学研究科に進学した理由について教えてください
出身大学では、日本の少子高齢化を受けて、「健康寿命を延ばす」という人類の半永久的な命題の解決に少しでも寄与するため、QOLの向上をテーマとした医学・工学を中心に学習し、幅広い視野を持てるようになりました。この過程で、「Exercise is medicine」という概念を学びました。運動は無料で取り組むことができるため、世界中で生じている格差社会を考慮すると、前述の命題解決には「運動」がkeyになると私は考えました。勉強していくうちに、アンチエイジングのためには、エネルギーを産生するオルガネラである「ミトコンドリア」がkeyになるのでは?と考えていた最中、現在の指導教員である橋本健志准教授に出会い、自分が思い描いていた研究活動を行っていたことに非常に感銘を受け、スポーツ健康科学研究科への進学を決めました。
Q2.スポーツ健康科学研究科の教員や大学院生について印象等教えてください
研究室の垣根にとらわれず、熱心に研究活動のサポートをしてくださる教員の方々が非常に多いです。研究活動に対して、様々な視点から専門的なアドバイスを的確にしていただけるため、より緻密な実験デザインや実験手技を確立・展開できています。また、教員のみならず、大学院生の皆さんの研究活動に対する熱心な姿勢は、比類なきものだと思っています。日々、大学院生間でのディスカッションは、とても盛んに行われています。現在、所属研究室唯一の大学院生である私にとって、本研究科の大学院生の皆さんは、良きライバルであり、切磋琢磨できる貴重な仲間たちです。
Q3.研究テーマや研究の面白さについて教えてください
加齢によって、認知機能が低下していくことが知られています。超高齢社会を迎えるにあたって、老人性認知症発症のリスクの増加はリハビリや医療介護などが財政を逼迫させる要因となります。そのため、運動や栄養処方により認知機能の低下を抑制することができないか?というのが私の現在の研究テーマです。認知機能は、学童期の学業成績とも関連していることから、この研究テーマを追求していくことで社会貢献に寄与できれば、と考えています。また栄養補給により、競技性スポーツの競技終盤によく見受けられる状況判断能力の低下を抑制、あるいは亢進できるのでは?とも考えており、様々な実験方法による研究活動を行っています。仮説を立て検証していく過程で、仮説とは異なるデータが出た時に、それが「なぜ?」なのかを考え、それをまた検証していく時間が非常に面白いです。
Q4.大学院生活の日頃の過ごし方について教えてください(学習、研究について)
基本的には、研究テーマに関連する論文を読み込む時間が多いように感じます。論文を読むことで得ることができる知識は、自身の研究活動に必要不可欠な情報ばかりだからです。また、論文を読んでいて理解に苦しむことがあった場合、積極的に教員や大学院生とディスカッションを行います。この過程こそが理解を深める上でとても大切だと考えています。勿論、しっかりとスケジューリングをして実験や学術論文の執筆などにも取り組んでいます。また、被験者として他の実験に参加することも多いのが本研究科ならではであり、違った視点から実験系などを学び、自身の研究活動に生かしたりもしています。
Q5.立命館大学大学院もしくはスポーツ健康科学研究科に関して、受験生へのおすすめを教えてください
おすすめは、本研究科の設備が最先端であることが挙げられます。そのため、恐らく他のインタビュアーの方が設備については触れると思いますので、私は奨学金制度について説明致します(笑)。
立命館大学大学院には、優秀な大学院生に対して給付型の奨学金制度があります。学修・研究活動、今後のキャリアを見据えた学修・研究計画を評価する育英型の奨学金です。いくつか種類があるのですが、本学大学院の博士課程前期課程から後期課程への進学を希望する者を対象にした奨学金については、日本学術振興会特別研究員の申請書と近似した申請書により評価が行われるため、今後のキャリア形成にとても役立つシステムとなっています。研究科ごとに給付される人数が限られているため、奨学金を獲得できた際には、今後の研究に対するモチベーションが高まります。
Q6.スポーツ健康科学研究科に進学して身についた事、良かった事を教えてください
研究活動や授業において「考える力」が常に要求されるため、入学前の自分と比較すると、論文を読み込む能力、研究を組み立てる能力、論文を書く能力、そしてディスカッション能力が飛躍的に身につきました。事象に対して「なぜなのか?」を常に考え、教員や大学院生の方々とディスカッションする時間をとても面白く感じ、自分では発想できなかった見解を得ることができた時は、充実感に満ち、本研究科にきてとても良かったと感じます。本研究科の大学院生は院生研究室をシェアしているため、必然的にコンペティションが働くので、負けず嫌いの私にとって非常に良かった点です。
Q7.修了後の進路、将来のビジョンについて教えてください
博士課程前期課程修了後は、本研究科の博士課程後期課程に進学し、博士号の取得を目指す予定です。後期課程では、より積極的に研究活動に取り組み、スポーツ健康科学の発展に寄与できるデータを論文ベースで次々と発表していきたいです。まだ世界の誰も知らないデータを発見し、国際的に発信していきたいと思います。将来的なビジョンとしては、大学教員を目指しています。研究活動はもちろんのこと、新たなエビデンスに基づいた分かりやすい授業を展開すると共に、スポーツ健康科学の未来を背負ってたつ人材を育成していくことが理想です。
Q8.受験生へのメッセージをお願いします
受験前に少なくとも一度は、この充実した施設を見学しに来ることをおすすめします。私は、受験前に何度か見学させていただきましたが、足を運ぶ度に刺激を受け、受験に対するモチベーションを高めていました。入学後は、この恵まれた環境を生かし、スポーツ健康科学を様々な視点から科学的・先進的に研究活動を行っている教員の方々や大学院生と共に、日々研究活動に精力的に取り組んでいます。本研究科への進学は、貴方の人生にきっとプラスに働くと思います。皆さんのご入学を心より歓迎いたします!