スポーツ健康科学研究科に進学した一番の理由は、研究指導教員の大友智教授の存在です。私は小学校の教員をしているので、体育の授業に関して研究したいと考えていましたが、大学院の博士課程後期課程で体育授業を研究テーマに指導を受けられる研究科は、あまり多くありません。そんな中、大友教授と一緒に研究に関わらせて頂く機会があり、研究に対する妥協のない姿勢や、見識の高さ、人柄に触れ、ぜひ研究指導を受けたいと思い、本学への進学を決めました。

本研究科は、一流の先生方ばかりです。先生方の講義を受けてみると、研究領域の違う先生のお話も、大変面白くてためになります。特に研究の意義や、その研究が社会に対してどのような意味・影響を持っているかのお話を聞いていると、改めて自分自身の研究について、どのように社会に還元していくか、考えさせられます。また、大学院生も、研究に対するモチベーションの高い人たちばかりです。そこから刺激を受けて、自分も頑張らなければいけないという気持ちになります。

私の研究テーマは、小中学校の体育授業を対象としたものです。その中でも、ボール運動に焦点を絞っています。体育授業の中でのボール運動は、児童・生徒にどのような力を身に付けさせているのかが曖昧だということがこれまで指摘されてきました。現行の学習指導要領は、これまでの要領をさらに発展させて、指導内容や系統性が整理されています。しかし、児童・生徒の発達段階に対して、指導内容をどこまで身に付けさせるかということについては、科学的な根拠が整理されていない状況です。私は、その点について検証を進めていきたいと考えています。体育授業は、複雑な要素が絡み合って進行しているので、研究のフレームワークを作るのがとても大変です。しかし、先行研究を読み込み、内容をしっかり整理して分析をすると、傾向や結果が出てきますので、そこが面白いところです。

スポーツ健康科学研究科は、スポーツ健康科学分野全般の研究に関する様々な設備が整っているため、スポーツ健康科学分野に関する研究を希望される方は、どの分野の研究においても、最先端の設備を使用することができると思います。また、先生方の講義については、自分と異なる分野を含む各分野の先端をいく研究について話を聞くことができるので、本当に刺激になります。また、私の研究領域である体育科教育学に関わってのおすすめは、なんと言っても、研究フィールドの広さです。研究でデータ収集を行う場合も、大友教授が全国の自治体の教育委員会や学校に連絡をとってくださり、様々な研究協力を得ることができています。これはひとえに大友教授の人脈の広さと人徳によるものですので、同じ領域の研究を希望される方にはぜひおすすめです。

私は博士課程後期課程に在籍していますので、講義は少ないのですが、その中でも、博士論文を書いていく上での、論文の書き方、参考文献の整理の仕方、研究の心構えなどしっかり指導して頂いています。また、なかなか大変ではありますが、自分の研究に関して、時間をかけてじっくりと向き合うことが出来ているのも進学して良かった点です。
　そして、同じ研究室で研究を進める大学院生の方々に、相談にのってもらったり、教えて貰ったりすることがたくさんあり、それもまた、日々大変勉強になっています。

体育授業に関わる研究を進めていて、一番面白く、また喜びを感じるのは、体育授業を受ける子どもたちが喜んで授業に取り組んだり、体育が苦手な子が楽しんで体を動かしたりする姿を見ることができることです。ですので、自身の研究を更に発展させていき、その研究成果を多くの教育現場の先生方に還元し、運動・スポーツが好きな子どもがたくさん増えていくようにしたいと考えています。そのためにも、大学院修了後も引続き研究を続けられるような環境に身を置いて、教育現場の先生方と連携しながら研究を続けていきたいです。

スポーツ健康科学研究科は、研究の面では、妥協がなく全力で取り組まねばならない厳しい環境であると思いますが、先生方は、その分熱心に、かつ親身になって研究指導をして下さいます。本気で研究に取り組み、社会に還元していきたいと考えている受験生の皆さんにはおすすめです。