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2016/03/29 本研究科博士課程後期課程1回生 塚本敏人さん(日本学術振興会 特別研究員(DC1))の研究が「Physiology & Behavior」に原著論文として掲載されました。


本研究科博士課程後期課程1回生の塚本敏人さん(日本学術振興会 特別研究員(DC1))が同研究科准教授 橋本健志先生、東洋大学理工学部教授 小河繁彦先生らと共同で取り組まれた研究が、「Physiology & Behavior」に原著論文として掲載されました。

 この研究論文は、高強度運動を間断的に繰り返し実施する高強度間欠的運動を、1時間の休息を挟んで2回実施すると、1回目の運動と比較して2回目の運動による乳酸産生量が少なくなることを明らかにしました。さらに、前回の我々の報告(2016/01/01のニュース参照(Tsukamoto H et al. Physiol Behav, 2016))では、高強度間欠的運動が、運動後の認知機能の亢進をより長い時間持続させることを報告しましたが、同じ運動強度、実施時間、運動様式の運動であるにもかかわらず、2回目の高強度間欠的運動のように乳酸産生量が少なくなると、亢進した認知機能の持続性が損なわれてしまうことを明らかにしました。この研究により、運動による認知機能亢進の持続性に、運動誘発性の乳酸産生量が重要な役割を担っている可能性が示されました。競技性スポーツなどで、競技開始直後および競技終盤に頻繁に見受けられる認知機能の低下には、乳酸が関与している可能性が考えられますが、脳の乳酸代謝と認知機能の直接的な関係については更なる検証が必要です。

 

Tsukamoto H, Suga T, Takenaka S, Tanaka D, Takeuchi T, Hamaoka T, Isaka T, Ogoh S, and Hashimoto T (2016). Repeated high-intensity interval exercise shortens the positive effect on executive function during post-exercise recovery in healthy young males. Physiol Behav, Vol.160: pp 26-34.

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