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2020/1/31 本学部准教授・上田憲嗣先生らの研究が「スポーツ教育学研究」に原著論文として掲載されました.


 本学部・研究科准教授・上田憲嗣先生及び同教授・大友智先生,同志社女子大学助教・宮尾夏姫先生らが共同で取り組まれた研究が「スポーツ教育学研究」に原著論文として掲載されました。

 我が国の児童の体力・運動能力は、緩やかな向上傾向にあると報告されていますが、体力が最も高かったとされる昭和60年度の水準と比較すると、依然として低い状況であるとされています。また、このうち握力とボール投げについては、新体力テスト施行後の19年間の推移をみると男女ともに、低下傾向を示していると報告されています。

 そこで、今回の研究では、小学生821名(内女子:465名)を対象として、体育科の学習指導要領に定められた授業内容・時間数を妨げない授業開始後の準備運動として用いられることの多い5分程度で実施できる短時間運動に着目し、これらが握力とボール投げの体力及び運動有能感に影響を及ぼすのかを検証しました。その結果、握力においては女子に、ボール投げにおいては男女ともにその体力の向上の効果があることが示されました。また、運動有能感については、握力では低学年女子に、ボール投げでは高学年男女に有意な向上が確認されました。これらより、児童を対象とした性別・学年別を考慮した短時間運動の導入は、効率的な体力・運動能力及び運動有能感の向上に寄与することが示唆されました。

 

上田憲嗣, 宮尾夏姫, 大友智.2020) 短時間運動が児童の握力及びボール投げならびに運動有能感に与える影響. スポーツ教育学研究. Vol.39, No.2, pp.1-11

 

UETA K., Natsuki M., Satoshi O. (2020) Impact of short-term exercise interventions on grip strength, ball throwing for distance and physical competence in school children. Japanese Journal of Sport Education Studies 76 Vol.39, No.2: 1-11.

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