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本研究科博士課程前期課程1回生杉本岳史さんの研究が「Medicine and Science in Sports and Exercise」に原著論文として掲載されることが決定しました。


スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程1回生杉本岳史さんのスポーツ健康科学部・同研究科橋本健志教授、伊坂忠夫教授、菅唯志助教、塚本敏人助教と共同まれた研究論文Medicine and Science in Sports and Exerciseに原著論文として掲載決定しました

 

この研究論文は、15分間の歩行運動中に下肢の血流制限を伴いながら行うことで、通常の歩行運動よりも運動直後の認知機能(とりわけ実行機能)を改善させることを明らかにしました。この結果は、血流制限下歩行運動が通常歩行運動よりも乳酸産生を亢進させるとともに、一酸化窒素やノルアドレナリンの増加を基軸として脳の活性化を促し、実行機能を改善させうる可能性を示唆するものです。血流制限下歩行運動は、低強度かつ短時間で行えることから、高強度や長時間の運動を行うことが困難な高齢者や有疾患者でも比較的に実施しやすいことから(ただし、血流制限を伴うことから、安全に行うための適切な処置が必要とされます)、このような対象者における認知症の予防効果が期待できます。したがって、血流制限下歩行運動は、認知機能の維持・改善に有効な運動方策の1つとして役立つことが考えられます。

 

Takeshi Sugimoto, Tadashi Suga, Keigo Tomoo, Kento Dora, Ernest Mok, Hayato Tsukamoto, Shingo Takada, Takeshi Hashimoto, Tadao Isaka. Blood flow restriction improves executive function following walking. Medicine and Science in Sports and Exercise, 2020.

https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000002446

(ニュース)20200821-5