教員紹介

Naoko ANNEN

安念 直子

安念 直子
所属領域
臨床心理学領域(心理・教育相談センター)
職位
嘱託講師
専門
臨床心理学、心理臨床学
主な担当科目
臨床心理学実習(心理実践実習)、
心理的アセスメント(C)(学部科目)。
公認心理師の職責(学部科目)
おすすめの書籍
世界中が夕焼け:穂村弘の短歌の秘密穂村弘 山田航(著) 新潮社2012年
森へ行きましょう川上弘美(著) 日本経済新聞出版2017年
居るのはつらいよ:ケアとセラピーについての覚書東畑開人(著)筑摩書房2019年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

力動的心理療法、特にユング派の理論を礎とする臨床実践に基づいて、心理臨床における箱庭や描画などのイメージを用いた心理療法のプロセスと、イメージの理解のありかたについて研究を進めています。

砂箱やスケッチブックをはさんで二者が向き合い、間にイメージが立ち上がる時、その場の主体は誰なのか、何なのか・・・個人を超えた間主観性・間身体性、主体の揺らぎとその先にあるものに関心を持っています。

また、イメージの解釈は一様ではありませんが、言葉にすることによって削ぎ落とされるものも多いと考えます。言葉ですり合わせるのではなく、イメージをイメージのまま共に味わい眺めることについても探究していきたいです。

さらに、このようなイメージを用いたアプローチは、近年主流となっているエビデンス・ベイスドのアプローチと相容れないものではなく、相互補完的、むしろ相乗的に機能するものと捉え、その共生についても模索しています。

研究の社会的意義について、教えてください。

2020年、コロナ禍で私たちの暮らしは一変しました。他者との接触機会を減らして家で長く過ごすことを余儀なくされ、これまで当たり前のように受け入れていたことが崩れ、不安や孤独に押しつぶされそうになったり、逆にひとりの時間が増えて楽になっている自分に驚いたりと、自己が揺らぐ体験をした人も少なくないでしょう。

必要に迫られてオンラインでのやりとりが急速に普及したことで、それで過不足なく済ませられることが多いと気づいたり、一方で時になぜか満たされない感覚が生じたりと、直接人と会うことの必要性や意義を見直すきっかけも与えられたと思います。

社会活動が徐々に再始動し、休止していた対面の心理療法を再開した今こそ、「場」で二者が出会う心理療法の真価が問われています。実践を重ねつつ、これからの時代の心理療法で変わること・変わらないこと・譲れないことを考え続け深化させていくことが、社会的に意義あることと信じています。

「場」の再開を待っていた方々、「場」を探し求めて来談する方々とお会いする中で、人と人が直接出会い、その間に立ち上がるイメージを扱うことの力に改めて感嘆しています。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

学内実習施設である心理・教育相談センターで個人スーパーヴィジョンを主に担当します

臨床心理士・公認心理師を目指し大学院に入学したみなさんは、座学や演習・ロールプレイを重ねて満を持してケースを担当しますが、それでも「思っていたのと違う!」「こんなの初めて!」にたくさん出会うでしょう。客観的に観察・分析し、適切な技法を選択して実践することは心理臨床の基本ですが、実はそれで説明できることは限られています。ひとりとして全く同じ語りはないのですから。思いがけない語り、そして何よりそれに揺さぶられる自分自身に戸惑うこともあるでしょう。

心理臨床は一方向の支援ではなく、面接の「場」で二者が向き合い、共に変容する営みです。奢ることも臆することもなくその独自性・固有性・瞬間性に開かれ、向き合えるよう、スーパーヴィジョンの「場」で向き合い、共に学んでいくことを目指します。

著書等

  • 大人の発達障害の見立てと心理療法 河合俊雄・田中康裕(編)創元社2013年 担当部分:
    第3章「社交不安障害と診断された20代女性との心理面接」pp.44-62.

論文

経歴・業績について