教員紹介
FUJI Nobuko
藤 信子
- 所属領域
- 対人援助学領域(博士前期担当)
- 職位
- 教授
- 専門
- 臨床心理学、コミュニティ心理学、集団精神療法
- 主な担当科目
- 演習、対人援助学研究法、臨床心理学基礎実習、臨床心理査定演習
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
集団精神療法のコミュニティにおける応用とその技法、災害支援者支援におけるグループの活用、高齢者福祉における心理的ケア、神経難病患者への訪問カウンセリング、チーム、ネットワークにおける心理アセスメント。主に関わってきた障がい・疾病が、統合失調症、難病、小児脳腫瘍後遺症の高次脳機能障害等、比較的重度であったために、個人の変化を求めるより環境設定を考えることによって、障がい、疾病を持ちながらの生活を考えていくことに重点を置いています。
そこでは、集団精神療法という技法を介して、文脈内存在である個人とそれをとりまく環境、歴史におけるあり方を考える場を作る。この技法について、災害支援者、高齢者福祉領域、難病の援助者の心理的ケアの可能性を見ることでその応用の特徴を考えます。
研究の社会的意義について、教えてください。
阪神・淡路大震災後、集団精神療法を用いて災害支援者支援を継続していたが、東日本大震災に際して、支援者支援が十分に普及していないことを実感しました。そのことから、コミュニティ(地域共同体だけでなく、職場、学校などもコミュニティである)の中の災害支援者支援という観点を、定着できないかと実践、研究を続けています。
疾病、障がいを持つ個人をケアする人が孤立化しないような環境を考えること、疾病、障がいを持つ生活を考えることが、社会と個人の相互作用を考えることになると思っています。
この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。
「障がい」を個人の属性にすることではなく、個人と社会との相互作用の観点から見ていく視点を獲得して欲しいと思います。