教員紹介

Ryoichi HIROI

廣井 亮一

廣井 亮一
所属領域
臨床心理学領域(博士前期・後期担当)
職位
教授
専門
司法臨床、加害者臨床、非行臨床、家族臨床、犯罪心理鑑定
主な担当科目
家族心理学特論、臨床心理学演習、人間科学プロジェクト演習

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

家庭裁判所調査官として18年間、非行少年の更生を援助する少年事件と、離婚や児童虐待などの家族の問題解決に関与する家事事件に携わってきました。私の専門はそうした臨床実践に基づいて、犯罪や非行、虐待やDVなど「法」と「臨床」の交差領域に立ち上がる諸問題の解決のために、法的機能と臨床的機能の両者を架橋してアプローチをする「司法臨床」の構築を研究しています。

さらに、「司法臨床」によってさまざまな加害者/児をケアする「加害者臨床」の方法について研究しています。この3,4年間はストーカー問題について集中的に取り組んでおり、大阪府警のストーカー事案100ケースを質的分析しました。それを基に重大事件につながりかねないストーカーへの対策について研究をすすめています。また、殺人、性犯罪、依存症など精神・心理鑑定、情状心理鑑定を行っています。 そして今後、刑事司法における「治療的司法」の研究者と共に「司法臨床」と「治療的司法」による実践的展開を目指しています。

研究の社会的意義について、教えてください。

凶悪な犯罪や非行が起きるたびに、現代の社会は、「そのような悪者に厳罰を下せ」と感情的になります。刑事裁判、少年審判でも、犯罪や非行に対する重罰化の傾向を強めています。しかし、はたして加害者/児への法的な厳罰だけで被害者の苦しみは癒されるのでしょうか。むしろ、同様な事件が起きるたびに、被害者の苦しみや悲しみは深まるばかりでしょう。

例えば、ストーカー犯や性犯罪者は歪んだ攻撃性があるため、罰だけの対応では更生しません。逆に、根深い攻撃性を増幅させて過激な犯行を起こし、悲惨な事件を起こし新たな被害者を生みます。厳罰だけによらない加害者の罪の償い(贖罪)のあり方や加害者の真の更生を目指すことは、とりもなおさず被害者支援につながることなのです。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

実践と研究の両輪を心掛けてください。さまざまなフィールドで獲得した実践知をもとに研究論文に仕上げてください。

司法の枠組みにおける臨床の実践的展開は、本格的な法化社会になったわが国で今後さらにその必要性が高まります。

著書等

  • 加害者臨床 (日本評論社、2012年)

  • 司法臨床入門 (日本評論社、2012年)

  • カウンセラーのための法と臨床 (金子書房、2012年)

  • 司法臨床の方法 (金剛出版、2007年)

論文

経歴・業績について