教員紹介

Yoshio KAWASHIMA

川島 芳雄

川島 芳雄
所属領域
臨床心理学領域(心理・教育相談センター)
職位
嘱託講師
専門
臨床心理学、社会福祉学
主な担当科目
臨床心理査定演習Ⅰ~Ⅱ、臨床心理学実習
おすすめの書籍
人間とは何かV.E.フランクル 春秋社 新潮社2011年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

学生時代に専門職公務員試験に合格し、卒業後30年以上に渡って、保健福祉関係の現場や本庁で専門職として働いてきました。その間、殆ど全ての社会福祉領域の実務を経験することができたことは幸運でした(専門職採用者は、転勤しても同じような仕事を繰り返すのが普通なので)。

1995年の阪神淡路大震災の時は神戸の児童相談所配属でしたが、厚生省(当時)の指示で、その頃の日本ではあまり知られていなかったPTSDの対応に関わりました。この時の経験で、心理学的支援は社会福祉的援助と結び付けて進めていく必要があることを痛感しました。その後、児童虐待やひきこもりに関わる機会が多くなり、この領域での臨床心理学と社会福祉学とを統合させた方法論が持論のようになりました。

研究の社会的意義について、教えてください。

公務員退職後は、神戸にある大学の心理学科で10年近く教員をしていましたが、週に1日授業の無い日があったので、その日はほぼ毎週、保健福祉や教育の現場に出向いて、主に虐待やひきこもりに関するコンサルテーションを行ってきました。ある日、重症心身障害児の行動障害への対応に苦慮していた看護師にコンサルテーションを行った後、同様の臨床例について効果的方法論に関する先行研究論文があるはずだとして、論文検索の方法を伝えました。その後同じ看護師に会った時、参考になる臨床例についての論文は殆ど見つからなかったと言われ、改めて自分でも論文検索してみました。確かに心身疾患の治療方法に関する医学論文は数多くありますが、心理学領域では、臨床例に関する方法論的論文としては、事例の経過報告に留まっているものが大半で、経過の理論的解析から汎化にまで深めている論文が殆ど見当たらない状況に改めて気づきました。

私自身、長い年月に渡って数多くの事例に関わってきましたが、現場対応に追われ、個々の事例を丁寧に検証し、さらにそれらを他の臨床家が参考にできるよう論文にまとめて社会に発信することが、わずかしかできていません。実践の蓄積とともに、それらに裏打ちされた研究を論文にして発信していく、それができて初めて、社会的役割を遂行していると言えるのではないかと反省を込めて思います。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

優れた心理臨床家とは、①基礎理論を拠り所にしたルーチンなアセスメントがしっかりできる、それに加えて②経験の蓄積に裏打ちされた多面的なアプローチも大胆にできる、そして③発信的研究もできる、ということではないかと考えています。

この研究科では、院生が①の部分がある程度できることを目標に、事例を通して関わっていきたいと思っています。

著書等

  • 入門心理学 ナカニシヤ出版2016年 担当部分:
    第9章「コミュニティ心理学」の部分

  • 保健医療福祉職に必要な社会福祉学 丸善出版2017年 担当部分:
    単著

経歴・業績について