教員紹介

Kanji TOKUDA

徳田 完二

徳田 完二
所属領域
臨床心理学領域(博士前期担当)
職位
教授
専門
臨床心理学
主な担当科目
臨床心理学基礎実習、臨床心理学実習、臨床心理学演習
おすすめの書籍
精神療法面接のコツ神田橋條治 岩崎学術出版社1990年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

これまで学生相談の領域を中心に実践活動をしてきました。大学生年代のカウンセリングに関心があったからです。その経験をまとめたものが『収納イメージ法』(創元社)ですが、これは学生相談について論じるというよりも、「からだの感じ」に焦点をあて、イメージを用いてその「感じ」に変化を与えようとする技法の経験を土台に、「そもそも心理的援助とは何なのか」を考えようとしたものです。今後も、この問題について考え続けていきたいと思っています。一方、筋弛緩法、呼吸法などのリラクセーション技法にも関心があります。これに関心を持ったきっかけは以前に火山の噴火災害の被災者支援に関わったことです。その流れで、リラクセーション技法の効果を調べたいと思い、そのための質問紙(一時的気分尺度、TMS)を開発しました。これはけっこう使われていて、使用許可を求める問い合わせがときどきあります。

研究の社会的意義について、教えてください。

カウンセリングあるいは心理的援助の研究にどんな社会的意義があるかは今さら言うまでもないことです。なぜなら、カウンセリングや心理的援助それ自体が大きな社会的意義を持っているからです。ただ、私の関心事はさまざまな援助的アプローチに通底するものは何かを追求したいということです。このような研究は、数え切れないほど考えられ考案されてきた各種の理論や技法を統一的に捉える視点を獲得し、それぞれのアプローチ間の関係あるいは位置づけを明確にする(たとえば、ある理論とある理論は対立的なものなのか相補的なものなのかを明らかにするなど)ことに繋がると考えています。また、気分を測定する質問紙の開発は、われわれの心身を安定させたり不安・不快にしたりするものが具体的にどのような気分の変化に影響するのかを明らかにする基礎的研究を促進し、ひいてはより効果的な技法の開発に繋がると思います。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

わたしの、立命館大学大学院における主たる教育上の役割は、心理的援助の実践者教育という点について言えば、心理的援助の初学者に心理的援助の基礎(姿勢、感性、対象者への配慮性、初歩的な技法など)を教えることであると考え、それにエネルギーを注いできました。それは、私が先達から教わり、自分なりの経験の中からつかんだものを若い人に伝えるという、やや大げさに言えば一種の文化的継承であり、今後も続けていきたいと考えています。また、研究指導という点について言えば、それぞれの院生なりの興味関心を尊重しつつ、それをいかに意義のある研究として形にしていくかをサポートするというつもりでこれまでやってきました。院生に望むことは、真摯に自分自身と向き合いつつ、謙虚な気持ちで心理的援助の実践について学び、また、自由かつ柔軟な発想で意欲的に「ものを考える」ということに取り組んでほしいということです。

著書等

  • 収納イメージ法 (創元社、2009年)

  • 講座 心理療法〈3〉 (岩波書店、2000年)

  • 学生相談と心理臨床 (金子書房、1998年)

論文

経歴・業績について