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Vol.03


院生座談会(2018年度修了生)【前半】

映像研究科での学びについて

映像研究科は2011年度に開設してから、今年で9年目を迎えました。
本研究科は、映像に関わり、専門性が高くかつ汎用性もある知識・技能・技術・方法論を修得し、広い視野から自らの課題を捉え、多様化する映像関連分野に柔軟に取り組んでいくことのできる人間の育成を目的としてきました。

この人材育成目的を達成するために、学生が自ら課題を見出して修士論文・制作に結実させていく課題発見志向の「テーマ・プロジェクト型」授業科目と、映像に関わる諸分野の研究に必要な知識・分析法・技能・技術を修得する「ディシプリン・リサーチ型」授業科目の双方における学びを相乗的に組み合わせることのできるカリキュラムを編成・実施しています。

今回は、この春に修了した院生7名に、それぞれの研究内容や大学院での学びを振り返り、どんな大学院生活を過ごしてきたのか、また、これからの夢や目標について語ってもらいました。

20190524_1院生座談会

20190524_2古川耕平先生

(ファシリテーター)古川耕平:立命館大学映像学部副学部長(大学院担当)


古川 耕平 先生
みなさん、大学院での2年間、研究活動に没頭されたと思います。映像研究科での学び、研究はいかがでしたか?

TANG Yu
研究科に入学してすぐは、試行錯誤の毎日でした。 私は、デジタルアーカイブにおける記憶の可視化を研究テーマとしていましたが、日本中を探しても、前例のある研究ではなかったので、計画どおりに進まず苦労しました。それでも、地道に資料を集め、研究活動を重ねた結果、いくつもの発見があり、気づいたら道が拓けてきました。

ZHENG Siyun
映像研究科は少人数の大学院なので、すぐに同期のメンバーや先生方とも打ち解けることができました。
ただ、M2からは研究指導科目が1時限目に設定されているので、公開報告会等は前日から準備が大変でした。自分の研究内容について、何度もプレゼンテーションをする機会があり、始めは非常に緊張しましたが、最後は慣れてきたこともあり、自信をもって発表することができるようになりました。

吉田 早矢佳
映像研究科での授業は、とても楽しかったです。私は他大学出身ですが、学部時代は、「計算をする」ことの授業が多かったですね。研究科では、レポートであっても、自分で企画を考えて制作と共に執筆する、ということが基本になります。
これがとても刺激的だった。自由に何をつくろうか、ということが研究のスタートだったので、クリエイティブなアイディアを出すことに苦労もしたけれど、今振り返れば、充実していました。研究がうまく進まず、躓いたときには、同期のメンバーが助けてくれました。

津田 宝裕
私は映像学部出身で、学部時代にはゲーム制作のゼミに所属していました。
大学院でも、ゲーム制作を主軸に研究を行ってきました。大学院に入学したからこそ、学部での学びを改めて理解することができたし、院生同士で教えあうということを通じて、新しい学びの発見がありました。

20190524_3左から吉田 早矢佳さん、ZHENG Siyunさん、TANG Yuさん



古川先生
立命館大学の映像学部、映像研究科は学科や専攻に分かれていません。
1つの学科の中で、映画を撮りたい、ゲームを創りたい、コンテンツビジネスを学びたい、バーチャルリアリティ(VR)を研究したい、など色んな「やりたいこと」をもった学生、院生たちが一緒に学んでいます。
それぞれが混ざり合って、化学反応がおきることをいつも楽しみにしていました。

TANG
映像学部生の時、偶然に日本の古いお城をアーカイブ化した映像を見て、「これを研究したい!」と強く思いました。そのため、一時期は考古学も学びました。
修士研究を通して、実写とCGアニメーションのコラボレーションは絶対に必要だと感じています。
大学院生活では自分の研究に没頭してしまい、ある意味でタコツボ的になってしまう面もありますが、他分野を専門に研究している人とのコミュニケーションを促す仕組みがあればもっといいなと思います。修士2回生になったとき、私自身は積極的に周りと関係性をつくりました。

小泉 洋介
私は、映画の制作と演出を修士研究のテーマとしていました。
映画を制作するということは、脚本作り、ロケ地での撮影申請、キャスト手配、撮影、照明、音響、編集など、多岐に渡る専門性をもった制作スタッフを集めなければなりません。私は、他大学出身なので、学部生との繋がりがなく、制作スタッフを集めてから監督としてチームを仕切ることがとても大変でした。
そのため、指導教員の品田隆先生に相談し、実写制作に精通している学部生を紹介していただき、演出について幾度となく指導を仰ぎました。ここには、学部生時代には経験したことのない、新しい学びがありました。


20190524_4左から小泉 洋介さん、津田 宝裕さん



ZHENG Zhuo
私は是枝裕和監督の作品『歩いても 歩いても』(2008年)における「歩くこと」の表象が果たしている機能を考察し、その表象が「死者を見ること」の主題と密接に結びついていることを論じました。
この研究を進めていくうえでは、なんといっても、指導教員の川村健一郎先生と議論する時間がとても楽しく、充実したものでした。川村先生からは、いつも新しい着眼点を示していただき「なるほどー!!」と意欲をかきたてられることばかりでした。
これまで中国国内では、日本映画が放映される機会は少なかったのですが、近年は増えてきているように感じます。私は是枝裕和監督の作品が好きなので、もっと広まればいいなと思います。

LIU Jiarui
私は、小説の映画化に関する研究をしていました。入学後4ヶ月くらいは、自分の研究テーマとアプローチ方法がうまく合致せず、苦しい時期がありました。
映像研究科は、1人の院生に対して2名以上の指導教員による研究指導チームが編成されます。私のプロジェクトには、深沢伸行先生と川村健一郎先生がついていただき、理論と実践について細やかな指導をいただきました。
制作をするということは非常に実りある授業でしたが、やはり撮影スタッフや制作が実現できる環境を整えることには苦労しました。

ZHENG Siyun
他のメンバーも同じだと思いますが、私は、望月茂徳先生が担当している映像学部のゼミ(映像文化演習Ⅰ、Ⅱ)にも参加するようにしていました。
映像研究科は、定員が10名という小規模研究科なので、先生方との距離は近く、研究指導チーム以外の先生方からアドバイスを受けることもできます。
ただ、他のメンバーが話しているとおり制作をするうえでは、スタッフとして協力してくれる方が必要であり、そういった面からも、学部生とのつながりを築けるように意識をしました。


20190524_5左からLIU Jiaruiさん、ZHENG Zhuoさん


20190524_7座談会は、「修士論文・制作」の口頭試問直後に開催しました。達成感と共にとても和やかな雰囲気です。



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