生命現象は多くの有機化合物が介在する化学反応の集合体です。それらのバランスが崩れ、制御不能となった状態が病気であり、我々は医薬品を投与することでバランスを回復させ、治療につなげています。現在用いられている医薬品の大半は、ユニークな化学構造と強力な生物活性を示す天然有機化合物をもとに生み出されており、生命現象を制御する化合物の宝庫と言えます。本研究室では、生物活性天然物を基盤とした創薬化学研究や、その作用メカニズムを解明するためのケミカルバイオロジー研究を展開することで、有機合成化学の力を使って、新たな医薬品の創製や、未知の生命現象の発見につながるような新しい分子を創り出すことを目指しています。