ニュース

京都府福知山市へのヒアリング調査(リサーチ・トリップ)を行いました

公務研究科では、院生が主体となり、地域の行政機関や、NPOなどの地域社会を訪れ、ヒアリング調査を実施してきました(本研究科ではリサーチ・トリップと呼んでいます)。

公務研究科最終年度にあたる今回のトリップは、防災行政を主題に、京都府福知山市を訪れ、ヒアリング調査を行いました(2018年9月25日)。由良川や支川の氾濫に悩んできた福知山市は、過去の被害を踏まえた詳細な「総合防災ハザードマップ」を作成するなど、「水害に強いまちづくり」に積極的に取り組んでいます。

参加した院生は、ヒアリング調査を実施するにあたり、行政資料を読み込み、また、履修した「地方自治論」や「行政学」で得た知見や整理を活用しながら、質問表をまとめました。教員も交えた勉強会において、質問項目をブラッシュアップした上で、当日のヒアリング調査に臨みました。

調査当日は、福知山市役所市民総務部危機管理室のご助力を得て、今年7月に発生した土砂崩れによる天然ダムなど水害の現場を訪れることができました。院生(及び教員)は、被害の大きさにおののくと共に、被害を最小限に食い止めた、住民の自助、共助の力、そしてそれを支える行政の高い危機管理能力を学ぶことができました。

現地調査後は、庁舎へと場所を移して、危機管理室のご担当者から、事前にお送りした質問表への回答をいただきました。避難勧告・指示のタイミングなど防災行政に直接関わる問題の他、防災行政をめぐる政府間関係(中央政府・広域自治体・基礎自治体)、福知山市内の中央と周辺関係、危機管理室の持続可能な運営体制など、自治体行政のあり方に関わるトピックについて、幅広く意見交換することができました。

今回の調査では、福知山市役所市民総務部危機管理室のご担当者をはじめ、地域住民の方々など、多くの方にご協力をいただきました。皆さまのお力添えによって、参加した院生は、多くの知的発見を得るとともに、本研究科が重視してきた「現場感覚」を養うことができました。水害の生々しい爪痕が今なお残る中、貴重なお時間を頂戴してご協力下さった皆様方に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

参加した院生が得た知見を、公務研究科全体で共有すべく、リサーチ・トリップ合同報告会を開く予定です。院生は、ヒアリング調査を報告し、討論することで、研究能力をいっそう磨き上げることでしょう。