私立大学で有数の規模を誇る本研究科では、充実した研究環境と数多くの最先端の実験設備を取り揃えており、各研究室では、世界に通用する確固たる独自の研究成果を発信するため、多くの大学院生が日夜研究に取り組んでいます。ここでは、理工学研究科の大学院生の研究を皆さんにご紹介します。

  • 大学院生の研究 3人目 (KEISUKE NISHIMOTO)

    電子システム専攻

    理工学研究科 電子システム専攻 電子システムコース 2回生
    情報通信システム研究室

立命館の大学院を選んだ理由は?

GPS測位システムに関する研究に長く取り組みたいと考えていたため、GPS測位システムに関する研究を行っている研究室のある立命館大学の大学院を選びました。このGPS測位システムに関する研究を行っている大学は全国でも少ないため、その点では珍しい大学だと思います。 大学に入学した頃は、電気電子工学を学んで何か人の役に立つものや技術を作りたいと思いましたが、大学で情報技術や制御理論を学ぶうちにソフトウェア制御技術やデータ解析を用いた研究もやってみたいと考えるようになりました。

立命館大学では3回生の後期に研究室の配属が決まります。配属される研究室を決める際には、ソフトウェア制御やデータ解析を用いる研究室は複数該当したためにとても迷いました。久保研究室では、GPS測位システムに関するプログラミングや超高層大気に存在する電離圏の解析などを行っています。3回生当時からスマートフォンが普及し始め、今後はGPS測位システムが多くの人に利用されることも考えたときに、久保研究室が自分のやりたいことに最も合致していると思い配属を希望しました。

また、GPS測位システムは米国が開発したシステムであることから、日本国内よりも海外の方が学会の件数も多く、久保研究室では積極的にそれらの学会で発表を行っています。大学院に進学した際に1度は国際学会で発表を行いたいと考えていた自分には、そういった点でもピッタリな研究室だったと思います。実際に、2012年の11月と2013年の4月には国際学会で発表を行うことができ、大変良い経験をすることができました。

自分のやりたいことや目標を明確に持っていれば大学院での研究は非常に面白いものであり、やりたいと思うことがあるならば大学院に進学する価値は十分にあると思います。

研究をしていておもしろいと感じるときは?

研究していて特に面白いと感じる時は、自分が考えた理論がプログラムとして上手く動いた時です。

GPS測位システムは非常に精巧なシステムであり、作ったプログラムや改善理論が少しでも間違っていれば上手く動作しません。そのためプログラムが上手く動作しないことも多くありましたので、測位精度が向上した時の達成感は非常に大きなものとなります。 また、システムの改善点を見つけたり、理論の改善提案をしたりすることも大学院での研究の醍醐味だと思います。大学院に進学して修士の研究で新しいことに取り組み始めた際には、自由な発想で研究に取り組ませてもらえました。その取り組みの中で、システムのどのような部分で改善が必要で、改善のためには何をすればよいかについて独自の改善理論を考案し、試すことができました。

特に、この理論の改善点を思いついた時は研究の面白さを感じます。改善手法を閃くと同時にそれをどのようにプログラムとして動かすかを考えてしまい、すぐにもプログラミングが行いたくなり、居ても立ってもいられなかったこともありました。改善の方法を閃くタイミングは講義中に出てきた理論式を眺めていた時が一番多く、早く研究室に戻って試したいという気持ちを抑えるのが大変でした。

改善理論を試す際には失敗に終わることが多くありましたが、あきらめずに繰り返し考察する中で得られた知識やデータから、新たな改善すべき点や理論が見つかることもありました。

このように、失敗してもくじけずに試行錯誤を繰り返す中で多くのものが得られ、新しい道が開けていくという点も研究の面白さだと思います。

今後の目標は?

1日先の電離圏遅延量を推定して、より高精度なモデルの構築を行いたいと考えています。

現在は「日本近辺での測位に特化した電離圏モデルの改良」というテーマの研究に取り組んでいます。GPS測位システムでは地球上空に存在する電離層でGPS衛星から送信されている信号が乱され大きな誤差が生じています。現在は地球全体の電離圏で発生する誤差のモデルを用いて補正を行っていますが、このモデルでは50%程度しか電離圏遅延量を補正することができません。そこで、地球全体ではなく日本近郊での測位に特化したモデルを構築することで、より高精度な測位を実現する研究を行っています。

現在提案している手法では、データを得られた日の電離圏モデルしか改良することができないため、たとえば6月1日の測位を行う際には5月31日以前の改良データしか用いることができないという問題があります。そのため、今後は過去のデータを用いて将来の値を求める理論を身に付けて、プログラムを構築したいと考えています。

未来の値を推定するには非常に多くのデータを利用する必要があります。例として、交通情報を集めて解析することで渋滞の発生を予見して交通整理を行うことも、データを集積し解析することができれば可能となると考えられます。

世の中では、ストレージ技術や情報処理技術の進展により大量のデータを解析するための技術の需要が増加しています。このように、多くのデータを用いて解析を行う技術は、現在取り組んでいる研究だけでなく非常に多くの分野でも応用することができると考えています。

多くの時間を勉強に費やすことができるのは学生の特権であり、このような需要が高まりつつある技術に関する知識や、興味のある分野の知識を修士の間に身に付け、取り組んでいる研究や将来携わる技術開発の場で活かしていきたいです。

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