現役教員インタビュー

Interview #9

豊かな感受性、
表現力や行動力。
音楽を通してこそ
育める力がある。

立命館慶祥中学校・高等学校
伊藤佳奈美[音楽科]

目指すのは、音楽を通して
世界に通用する力を育むこと。

「世界に通用する18歳」をスローガンに掲げる立命館慶祥中学校・高等学校。私の担当する音楽科でも、「音楽を通して世界に通用する力を育む」という意識を持って、授業に臨んでいます。

音楽は大学受験などに直結する教科ではありません。しかし音楽を通してこそ育むことができることがたくさんあります。例えば、音楽を聴いて「すばらしいなあ」と心を動かされるような、芸術に対する豊かな感受性もその一つです。また将来グローバルに活躍するためには、自分自身の母国の文化を理解することも大切です。そのために、古くから日本で愛されている歌を取り上げたり、歌舞伎などの伝統文化を鑑賞したりする機会も大切にしています。

またいつも生徒に言っているのが、「友達の良いところを見つけなさい」ということ。他の人の発表を聴き、一緒に練習する中で、互いの長所を見つけ、認め合うことは、「自分とは異なる多様な人々とコミュニケーションを取る力」につながっていくと思います。

また、練習の先に発表や合唱コンクールといった「本番」があることも、音楽科の魅力です。歌や演奏を通じてたくさんの人に「思いを伝える喜び」を感じることが、行動力や表現力の育成につながります。最初は恥ずかしがって小さな声でしか歌えなかった生徒が、友達と励まし合いながら練習を重ねる中で、元気な声で歌えるようになるだけでなく、他の授業でも人前に立って堂々と発表やプレゼンテーションを行うなど、見違えるほど自信をつけます。

そして指導する時にはいつも、目の前の生徒のその先に、「成長した生徒」「大人になった生徒」の姿を思い描きます。これからどんなことに興味を持ち、何を学び、どんな職業に就き、どんな人と出会うのか、生徒の未来は未知数です。音楽を通じて生徒の可能性を広げられたらと願い、情熱を持って指導しています。

表面的な言葉の奥
心を深く見つめる難しさを痛感。

教科だけでなく、吹奏楽部の顧問としても生徒の演奏を指導しています。吹奏楽部では、コンクールでの上位入賞という高い目標に向かう生徒たちを後押しするため、厳しく指導することもあります。しかしそれが裏目に出てしまったこともありました。「厳しく指導してほしい」。最初はそう言っていた生徒たち。ところが熱心に指導するほど、生徒との間には溝ができていきました。

その時になって気がついたのは、「厳しく指導してほしい」という言葉の裏にある、「先生に認めてもらいたい」という思いでした。生徒の表面的な言葉だけではなく、心まで深く見つめること。教師の仕事の難しさを改めて痛感させられました。

立命館学園の一員として
ビジョンを再認識する研修。

どれだけ経験を積んでも、教師の仕事に「これで十分」というゴールはありません。今以上に力をつける上で役立っているのが、初任者研修をはじめとする立命館学園の研修制度です。中でも良かったのは、プログラムを通じて立命館学園の一員としての自覚を新たにできたこと。忙しい日々では、ともすれば教室の中、学校の中に目を奪われ、視野が狭くなりがちです。研修で立命館学園として目指すべきビジョンを再認識したことで、「学園の一員として未来を担う人の育成に貢献したい」という気持ちがいっそう強くなりました。

教師の成長を後押しするのは、研修だけではありません。学年や教科を超えたすべての教職員が一つのチームとなる温かい雰囲気が、本校の魅力。困った時、悩んだ時に相談にのり、サポートしてくれる先生や、「私もこうなりたい」と憧れる先生が身近に数多くいることで、モチベーションを高く保つことができます。

一生に一度の熱い青春時代を送る生徒たちと同じ時間を過ごすことで、燃えるような熱い気持ちや大きな感動を味わうことができるのが、何より教師の醍醐味。これからも生徒の心身の大きな成長を見届けたいと思っています。

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