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立命館大学で東南アジアの宗教と社会を学ぶこと

文部科学省「平成25年度大学の世界展開力強化事業」に採択された立命館大学「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」の事前学習として、2014年5月から「東南アジアの宗教」という講義を開講しました。講師はタイ出身のピヤダー・ションラオーン助教です。この科目は、タイとインドネシアのAIMS(ASEAN International Mobility for Students Programme)の協定大学に留学する学生を主な対象としていますが、それ以外に東南アジアについて興味を持つ学生も履修できます。受講生は政策科学部の学生が主ですが、国際関係学部の学生も履修していました。
 この講義は「東南アジアの宗教」という授業ですが、登録している学生の多くは東南アジアについては初学者であるため、東南アジア地域とは何か、地域としてどのように、いつから結合されたのかという基本的な知識から学習しました。それから各国の社会、民族、歴史を踏みながら、各地の人々の宗教や信仰について講義しました。東南アジアは民族や宗教的が多種多様な地域であり、この地域で信仰されている宗教、つまり仏教、ヒンドゥ教、キリスト教、イスラム教、および各地の民間信仰を知るだけでも世界の宗教を把握できます。ただし、講義だけでは東南アジアのイメージをなかなかつかめにくいので、自分で各国の文化を体験するために6月14日に大阪国立民族博物館を見学しました。その際AIMSの協定校であるタイ・タマサート大学から来た留学生5人も参加しており、お互いの国の文化を学びながら、交流を深めました。

2014年6月14日、大阪国立民族博物館に見学した。タイの留学生も同行。

講義の後半は東南アジア各地における民族と宗教紛争、及びイスラム過激派と世界テロリストとの関連について焦点を当てました。最後にグループ・ディスカッションとして日本と東南アジアの宗教と人々の宗教に対する認識を比較しながら議論しました。この講義を通じて学生が強く感じたのは、東南アジアの人々にとって、宗教が人々の生活や考え方に強く影響しているということです。また学生からは、今まで宗教のこと、特にイスラム教についてあまり知らなかったので、この講義を通じて知識と理解を深めることができてよかったとの意見もありました。