松本:外務省に入ろう思ったきっかけを教えてください。学生時代のいつ頃に外務省専門職員試験(外専試験)の受験を決められたのでしょうか。
文化的な違いからくる誤解を解くかけ橋になりたい
甲藤:国際関係学部に入学した時点で、国際的な仕事をしたいという気持ちは持っていましたが、外務省を意識し始めたのは、3回生終了後に休学して中国に1年間語学留学をしてからです。外国の人たちとコミュニケーションすることの楽しさや、様々な文化的な違いからくる誤解を自分の肌で感じたのですが、帰国後、そういった誤解を解くかけ橋となる仕事をしたいと思い、外交官を目指し受験勉強を開始しました。
安全保障に関心、外務省も一つの選択肢だった
岩田:学部4回生5月に官庁訪問を行いました。当初は安全保障に関心があったことから、防衛庁のみの官庁訪問を考えていました。その際、立命館大学が官庁訪問を行っている学生を対象に、立命OBで霞が関に勤務している先輩方との懇談会を企画し、それに参加しました。その場において、OBの先輩の一人に自分の志望動機(安全保障をやりたい)について述べたのですが、その先輩より外務省という選択肢もあるのではないかと助言を頂きました。それまで、安全保障に携わるのならば防衛庁と一方的に考えていたのですが、先輩の指摘を受け、そういうような道もあるなと思ったのが外務省をめざした最初のきっかけです。
学部4回生で挑戦した、官庁訪問(防衛庁、外務省)は失敗し、それで今度は外務省専門職も視野に入れて挑戦をしていこうと考えました。そのため、大学院に進学し、外専試験準備もそのときから始め外務省に入省しました。
アジアの国づくりに関わりたいと思った
多久島:私は3回生のときに、周りが就職活動をそろそろどうしようと頭づくりを始めるときに、とにかく海外に行きたかったというのが正直なところです。当時、カンボジア和平などへの関心が高まっていたときで、そういったアジアの国づくりにかかわりたいと思いました。その後、立命館に来ていたミャンマー人留学生の友人に(そのときはミャンマーについて何も知らずに)どういう国かと聞いたところ、まさに、これから民主化や国づくりをするということで関心を持ちました。4回生の頃のことです。
そして、どのように海外で仕事ができるのかと考えていたところ、大学の廊下の壁に外交官受験講座を実施するエクステンションセンターの案内が目にとまって、非常にサポート体制がしっかりしていていたので、そこで外務省を目指そうと思いました。
外務省を目指していた井上さんに刺激を受けた
吉永:まじめに考え出したのは、実は4回生の終わりぐらいで、就職活動に失敗してからなんですね。元々どこでもいいから、大企業で有名なところで、海外に行けそうなところに適当に入れたらいいなと、甘い考えをしていて、特に目標も目的も動機も考えずに、適当に就職活動をしていたのですけれども、当時も就職氷河期の時代だったんですね。志望動機も特に固まっていないのに、適当に会社訪問とかしていたものですから、当然受かるはずがなくて、どこも採用されなかったので、そろそろまじめに考えないとやばいなと思って、それで外務省を受けようかなと思いました。(笑)
そんなとき、実はここにいる井上さんも外務省を目指して勉強されていたんですよね。それに若干刺激されたというような面もあるとは思います。あと、海外に行きたいというのが漠然とあって、民間企業以外で海外に行けるところというのは、まぁ、外務省ぐらいかなというような流れです。それから、かつ私は、人と話すのが苦手なので、面接が多いとだめなんです。
外務省の専門職の試験というのは、筆記に通ったら、あと面接試験は1回だけで、それに通れば、もう自動的に入れるんです。国Ⅰとか国Ⅱとかは官庁訪問とかしないといけないじゃないですか。外務省はそれが必要ないんですよ。試験がセットされていて、筆記をやって、面接試験に通ったらおしまいと。試験だけ通れば入れるんだったら、何とかなるんじゃないかなと思って、4回生の12月ぐらいからまじめに勉強し出したという感じで、それでうまいこと受かったのでよかったんですけれども、そんな感じです。
ここだったら、何か一生働きながら勉強もできる
井上:私は大学に入ったときから、漠然と公務員になりたいという希望がありまして、大学でも、日本の政治や行政に関連する講義を履修していました。University of British Colombia(UBC、カナダ)に留学し、帰国後、日本の外交とか、アメリカとかカナダの政治に関心を持つようになりました。そこで、当時、外務省で働いていた先輩のところに行って話を聞くなかで、ああ、いいんじゃないかと。ここだったら、何か一生働きながら勉強できるのではないかと思い、それがきっかけで外務省をめざすようになりました。 |