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立命館大学 国際関係学部 国際関係学部 校友会
 立命館大学国際関係学部 校友会 校友会業種別懇談会 #3「国際協力分野懇談会」
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松本 卓巳 さん
松本 卓巳 さん
国際関係学部3回生
矢口 真琴 さん
矢口 真琴 さん
2001年立命館大学大学院国際関係研究科修了
公益財団法人ジョイセフ勤務
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藤善 奈美 さん
藤善 奈美 さん
2004年3月立命館大学大学院国際関係研究科修了
学校法人創志学園勤務
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不破 麻理子 さん
不破 麻理子 さん
2005年3月立命館大学国際関係学部卒業
公益社団法人日本国際民間協力会勤務
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浅川 祐華 さん
浅川 祐華 さん
2007年立命館大学大学院国際関係研究科修了
独立行政法人国際協力機構(JICA)勤務
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学生時代にやっておいて良かったこと、やっておけば良かったと思うこと

松本:国際協力の仕事を携わる中で、学生時代にやっておいて良かったこと、また逆に「これをやっておけば役に立ったのに」と思うことはありますか。

アルバイトでの経験から、国内での啓発活動の重要性を実感

藤善:やっておけば良かったことは、留学ですね。実は私、留学したことがないんです。修士課程の研究テーマがインドだったので、フィールド調査でインドに滞在したことはありますが、海外できちんと英語を勉強した経験はありません。英語を話す分には問題ありませんが、働き初めて困ったのは、ライティングです。正しい表現で文書を作る力が圧倒的に不足していると感じました。学生時代にきちんと英語を学ぶ機会を持っておけば良かったと、今になって思います。

 やって良かったことは、アルバイトです。青年海外協力隊から帰ってきた後、財団法人兵庫県国際交流協会で働く機会を得て、県民の方々に国際協力について理解を深めてもらうための啓発活動を担当しました。それが重要だと思ったきっかけが、コンビニでのアルバイトでした。大学では、世界には貧困でご飯も食べられない人がいるなどと勉強しているのに、アルバイト先では、賞味期限の切れた食べ物をどんどん捨てなければならないんです。勉強していることと現実とのギャップを痛感したことが、国内の人に啓発する重要性を痛感した原点。アルバイトでそれに気づけたことが、良かったです。

英語を「読む」「書く」スキルが役立っている

不破:やって良かったことの一つは、よく遊んだことです。どんな仕事に就くにしても社会に出ると、まとまった休みを取ることが難しくなります。学生時代に思いっきり「日本の学生の遊び」に打ち込んだおかげで、社会人になってからは心おきなく仕事に集中できました。

 また不規則な生活に慣れたことも、思わぬ効用がありました(笑)。2005年にパキスタンで大地震が発生した時、私はNICCOのスタッフとしてパキスタンに駐在していました。地震後、半年ほどは平均睡眠時間が4、5時間という過酷な生活が続きました。時差があるため、現地時間の明け方から日本の本部と連絡を取り始め、日中から夜中までフィールドへ出て仕事という毎日。それを乗り切れた体力は、学生時代の不規則な生活の賜物かもしれません。

 もう一つ、やって良かったことは、英語の基礎をしっかり学んだことです。高校時代に留学を経験し、日常会話に支障のない程度の英語力は身につけていたので、大学入学当初は、帰国子女のクラスに入ろうかなとも考えました。でも父親からの「普通のクラスで、英語を鍛えた方がいい」というアドバイスに従って、厳しいことで有名な若菜マヤ先生の英語のクラスを選択。そこで洋書の内容を英語でまとめるといった、読み・書きの訓練を積んだことが、後にとても役に立ちました。海外の事務所では、上司に出すレポートも、プロポーザーに渡す資料もすべて英語で作らなければなりません。大変だったけれど、マヤ先生のクラスで読み・書きの基礎を徹底的に学んで、本当に良かったですね。

政治や経済を勉強しておけば良かった

矢口:私も英語をきちんと学んでおいて良かったと思っています。学生時代に習った英語が直接仕事に役立つとは限らないけれど、何にでも基礎は必要。基礎をしっかり積んでおくと、スタートラインが違います。

  また、インターンシップも良い経験になりました。社会とはどういうものかを垣間見たこと、また今働くNGO以外の組織の仕事を知ったことも、今の仕事に役立っています。その他、もちろん留学も。世界にはいろんな人がいるということを身をもって学び、視野が広がりました。

松本:ちなみに語学力がなくても、国際協力の仕事に携わることはできるでしょうか。

藤善:世界各国の人の集まる機関で働く場合は、共通語としての英語は必要でしょうね。青年海外協力隊なんかだと、現地の言葉が必要な場合もありますが。私はネパールに派遣されたので、ネパール語をマスターしました。

浅川:JICAにも、入構前までは海外経験がゼロだったという職員もいます。もちろん仕事で使うので語学力は必要ですが、採用時点では必ずしも重視される条件にはなっていないようです。英語はやりたいことを実現するためのツールと考えるべきではないでしょうか。

矢口:何をしたいかによるということでしょうね。国際協力という枠の中で、自分が何をやりたいかによって英語が必要か否かも変わるということです。

 加えて、私がやっておけば良かったと思うことは、政治や経済の勉強です。国際協力は、ピンポイントの支援だけで良くなるというものではありません。国や世界の仕組みをきちんと理解した上で、今この国で必要なこと、先進国としてすべきことを提言する必要があります。それには、政治や社会、経済の知識が不可欠です。

松本:僕もそれを感じています。英語でディスカッションをする際、話題が政治などになると、とたんに発言できなくなるんです。日本語でもっと知識をつけないと痛感します。

矢口:英語はあくまでツール。話す「中身」を学生時代に充実させることが重要なんです。

足元の日本について知らないことを痛感

浅川:私の場合もやっておいて良かったことは、留学ですね。大学のプログラムで、1年間カナダのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)に留学しました。本場の英語を学べたことはもちろん、「英語で」勉強できたことも良かった。また文化の異なる環境で、新しいことにチャレンジする経験を積んだことも収穫でした。

 やっておけば良かったと思うことは二つあります。一つは国内旅行。先程の矢口さんの話とも共通しますが、「日本の外」に興味を向けるあまり、自分の足元の日本について全然知らないなと、今になって痛感しています。もっと日本を知る機会をたくさん持てば良かったと思いますね。

 もう一つは、クラブやサークル活動です。実家から通学で長時間かかっていた上に留学資金を貯めるためにアルバイトをしていたので、いわゆるチームプレー精神を育むといったような「学生時代の青春」的課外活動を楽しんだ思い出がないんです。今それを取り戻すべく、ビーチフットボールをやっています。

不破:私も、政治や経済、日本の歴史について尋ねられ、答えられないといった経験を何度かしました。まとまった時間のある学生時代にこそ勉強しておけば良かったと思います。

松本:僕も近々スウェーデンに留学する予定です。確かに、留学にばかり気を取られて、サークル活動に打ち込んだり、日本について勉強したりといった時間がおろそかになっているなと気づきました。海外では、例えばどんなことを聞かれますか。

松本:僕も近々スウェーデンに留学する予定です。確かに、留学にばかり気を取られて、サークル活動に打ち込んだり、日本について勉強したりといった時間がおろそかになっているなと気づきました。海外では、例えばどんなことを聞かれますか。

不破:神教と仏教の違いを尋ねられたことがあります。あと歴代の首相の名前とか。経済に関係することを聞かれることも多いですね。

浅川:日本は、経済発展を遂げた成功事例と思われていて、どうしてこんなに発達したのか、その理由を知りたいという人が多いようです。私も答えられなくて、歯がゆい思いをしたことがあります。

松本:勉強します!

 
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