学部長挨拶

立命館大学国際関係学部長 君島 東彦

立命館大学国際関係学部へ
ようこそ。

立命館大学国際関係学部長
君島 東彦

「立命国関」は、2018年4月に創立30周年を迎えます。1期生が入学した1988年、世界はまだ米ソ冷戦の時代でした。その後の国際政治と国際経済の激変には驚かされます。冷戦終結、湾岸戦争、国連PKOの活性化、NGOの活発化、9.11攻撃、対テロ戦争、国境を越えるマネーの暴走、中国の台頭、「イスラム国」の出現など、世界は何度も螺旋状の変化をしました。西洋的秩序=近代主権国家システムの黄昏が感じられます。しかし、次の世界のかたちはまだ見えていません。このような時代に必要とされるのは、世界全体の過去・現在・未来を見通す、広い視野と根源的な考察、つまり国際関係学です。1988年に、立命館大学が西日本初の、全国でも数少ない本格的な国際関係学部を開設したのは、きわめてタイムリーでした。それ以来、「立命国関」は、東京大学教養学部の国際関係論コース、明治学院大学国際学部などとともに、日本の国際関係学を切り拓いてきました。
 国際関係学部に入学すると、講義の毎時間毎時間、いまの世界の論点、これからの方向性を考えることになります。国連は無力なのか。国連をどう改革するか。世界の貧富の格差は是正しうるか。難民・移民政策はどうあるべきか。「安全保障のディレンマ」をどう克服しうるか等々。

 学問とは、因習を打破し、自立した思考によって、領域を超えていく知の営みです。書物を読み、教員や友人と言葉を交わし、先人の知恵に学ぶことに加えて、つねに疑問をもち、自分の目で新しい事象を観察し、取り組むべき課題を見つけてください。立命館大学では、それをBeyond Borders(超えていけ!)と言っています。
 理系(自然現象)と文系(人間社会)のborderも超えます。かつて物理学者、湯川秀樹は、国家が並存する世界ではなくて、人類が1つの有機体となる世界を考えました。素粒子、原子、分子から、人間社会、自然環境を経て、世界秩序、地球、宇宙に至るまでの見通しの中で、人間の尊厳と限界、人間の倫理を考えていくことが、いまの世界の学問の最前線でしょう。
 時間のborderも超えます。千年を経た文学、文化をもつ古都である一方、最先端の研究施設、大学、先進的な企業がたくさんあるこの京都で国際関係学を学ぶことは、スリリングです。

「立命国関」では、わたしたち多国籍の教職員集団が、全力を尽くして、みなさんの力──視野の広さ、問題発見能力、問題解決能力──を伸ばす手助けをします。英語力は当然ついてきます。ここで、権威をおそれない知性、越境する勇気、人類社会の一員としての連帯感と責任感を身につけた「立命国関」の卒業生たちは、いま、文字通り世界各地にいます。ニューヨークの国連で、東京の日本外務省で、新聞社・テレビ局で、市役所で、銀行で、ネパールのフィールドで、世界を少しでもよりよいものにすべく、頑張っています。
 「立命国関」で学んで、世界を変革していくみなさんは、人類の未来です。わたしたちは、みなさんにたいまつを渡します。「立命国関」へようこそ。

立命館大学国際関係学部長  君島 東彦

出身大学院・出身大学他
1982年 早稲田大学 法学部 法学科 卒業
1987年 University of Chicago Law School 修士課程 修了
1994年 早稲田大学大学院 法学研究科 公法学専攻 博士課程後期課程 単位取得退学

取得学位
法学修士 (1985/03 早稲田大学)
法学修士 (1987/06 シカゴ大学)

所属学会
日本平和学会、International Peace Research Association、Asia Pacific Peace Research Association、Peace and Justice Studies Association、日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会、国際人権法学会、日米法学会、大学教育学会

研究テーマ
日本国憲法の平和主義に関する研究、憲法平和条項の国際比較研究、グローバルな立憲主義に関する研究、東アジア平和秩序に関する研究