オープンゼミナール2021
「千年の都が10年以内に財政破綻?
京都市財政まっかっかの本質に迫る!!」

板木ゼミ(チーム名:京都リベンジャーズ)
KIM MINSUさん、芳山 渚花さん、 米丸 陽菜さん、和久 文香さん、池田 圭佑さん、安原 千晴さん、濱田 望希さん

2021年度国際関係学部オープンゼミナールで「千年の都が10年以内に財政破綻? 京都市財政まっかっかの本質に迫る!!」と題して発表を行った板木ゼミのみなさんにお話をうかがいました。

オープンゼミでの発表内容を教えてください。

私たちは「千年の都が10年以内に財政破綻?京都市財政まっかっかの本質に迫る!!」をテーマに発表しました。私たちの身近な存在である京都市の財政が逼迫し、財政破綻が危惧されている本質を解明することを目的とし、①課題 ②要因 ③真因の三層構造に分けて分析しました。

①課題の部分で京都市財政の歴史的推移や他の政令指定都市と比較することで京都市の財政赤字の現状を把握し、②要因の部分で歳出の増加・歳入の低下の観点から財政赤字の原因は「政策の失敗、コロナ、少子高齢化による人口減少、文化・宗教、政府との関係性」の5つであることを説明、③真因の部分では、京都市にはマネー・リスク・ストラクチャーの3つのマネジメント能力が欠如しているのではないか、という結論を導き出しました。

発表テーマを選んだ理由は?

準備は9月前半くらいから始めました。ゼミでは国際経済を学んでいますが、オープンゼミではもう少し身近なテーマにしようと考えました。私たちが学ぶ立命館大学も位置しており、コロナ禍で観光客の減少や景気が悪化している京都市の財政赤字(所謂市の借金)が大変になっていることをニュースで知り、財政破綻(企業でいう倒産)する可能性もあるということで、自分事かつタイムリーな問題だと思い、本テーマを選びました。

当日寄せられた質問や意見、本番で印象に残ったことを教えてください。

本番で特に印象に残ったことは、実際に市役所で働いておられるOBの地方公務員の方に発表を聞いていただき、ご質問やご意見があったことです。実際に働いている方々による貴重なご意見はとても納得性があり、私たちの研究や学びをより深めることができました。

また、私たちは本番の質疑応答にスムーズに対応できるよう想定質問集をつくり予め準備してきましたが、本番では想定外のご質問や私たちとは異なった観点からのコメントをいただきました。私たちの勉強不足な面もありましたが、同時に自分たちだけでは得られなかった新たな知識を得ることができました。

本番を迎えるまでのストーリーを聞かせてください。

莫大な情報をいかに簡潔にわかりやすく伝えるかを工夫しました。京都市財政に関するデータや資料が多数存在していてわかりづらかったため、自分たちでグラフや表にまとめなおすことで聞き手のみならず自分たちもすぐ理解できるように心掛けました。

研究を進めるにあたって、リサーチ・クエスチョンとテーマを明確に設定すること、「なぜそのテーマを研究するのか」という研究意義とゴールを常にはっきりさせ続けることが本当に大変でした。調べていくうちにどのような方向性でいくのか、わからなくなることが度々ありましたが、財政赤字問題の「本質」を解明する、という一点に方向性を絞ることでグループとしての最終的な目標・結論にたどり着くことが出来ました。

オープンゼミナールを通じて学んだこと、今後に活かせることがありましたか?

自分たちで設定したテーマに対して何度もチームで議論を行い、分析・研究を通して学びを深め、発表でアウトプットできたことは、ゼミ学習においての学びと成長に繋がったと実感しています。

研究テーマや研究の手法を学べただけではなく、人にわかりやすく説明するスキルやグループワークの重要性など、これからの生活に活かせることをたくさん学ぶことが出来たと思います。また、本番で自分たちの発表を多くの第三者の視点から見てもらえたことで、常に物事を広い視野から捉えることの必要性を認識する機会になりました。

次年度参加チームへのメッセージをお願いします。

オープンゼミナールの良さは一つのトピックについてグループで色んな意見を取り入れながら深めていけるところだと思います。時には行き詰ったりゴールが見えなくなっても、チームで協力して進めていくことで、ふとした時に一人では考えつかなかったアイデアが出てきたりするのでとてもいい経験になります。

オープンゼミナールへの参加は大変なこともありますが、新たな学びの視点やチームワークなど、得られるものがとても多いので後輩の皆さんも是非とも前向きに参加を検討してくれたらなと思います。

板木ゼミの魅力を教えてください。

板木ゼミでは国際経済学について勉強しています。今年度は「米中経済摩擦と覇権争い」というテーマで学習を行ってきました。3回生の春学期は主に「貿易・投資・金融」など今日の国際経済を理解するための基礎を板木先生のオリジナル教材を使用して学習し、夏休みからは基礎文献をゼミ生全員で読んだ後に「デジタル通貨」というトピックを軸として国際政治経済や日常生活への影響について研究しています。

3回生の秋学期に全員で一つの共同論文を作成する、という点は他のゼミとは違う板木ゼミの特徴だと思います。自分たちが主体となって進めて行く必要があるため負担はかなり大きいですが、板木先生はとても親身でわからないことがあったら丁寧かつ的確なアドバイスを下さりますし、ゼミ生や教授とのディスカッションを通して新たな視点を得ることができるので、いつも刺激を貰っています。

板木先生は本当に説明が上手ですし、基礎から経済のことを全員にしっかり教えてくれます。また、ディスカッションに導いてくれるのがうまい先生ですので、授業の中でも自然と学生同士のディスカッションが始まっていることが多いですね。一人ひとりをよく見てくださっていて、授業外のゼミ生同士の交流や活動にも積極的に参加してくれます。

授業時間外での交流の機会も多く、現役生のみならず30年来の板木ゼミOB・OGの社会人の方とも交流できる機会がある点も板木ゼミの大きな魅力だと思います。

2022年3月更新

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