立命館大学 法学部

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学部長あいさつ

法学・政治学を通じて社会に生きる

立命館大学法学部は、2020年に創立120周年を迎えます。1900年当時の日本社会では新しい法律に対応できる高度な専門知識をもった人材が求められており、そうした社会の要請にこたえるために、立命館大学の前身である京都法政学校が設立されました。法学部は、この京都法政学校当時から立命館大学と歩みを共にしてきました。

立命館大学の「立命」の名は、『孟子』の「尽心章句」に由来し、立命館とは「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」という意味を持っています。現在の立命館大学は、西園寺公望の「自由と清新」の精神を受け継ぎつつ、とりわけ第2次世界大戦後は、憲法および教育基本法の精神の基礎となる「平和と民主主義」を教学理念とする教育研究の場として歩んでまいりました。法学部も、こうした流れを受け継ぎ、グローバル化が進展する社会で活躍できる人材の育成に向けて、日本はもちろん、諸外国の自然や文化の歴史に通じ、広い教養と真理を追究する気概を身につけることを目標とした教学プログラムに基づいて法学部教育を展開しています。

「社会あるところ法あり」という格言が示すように、ルールは、人間が複数存するところには必ず存在するものです。私たちの日常生活とは直接関係のないように思える国内外の出来事も、実は必ずどこかで関連しています。こうした国内外で日々起こる様々な出来事をルールの形成・実施・遵守という観点から紐解き、世の中の「利益」を見出し、社会の平和や発展のために貢献できる力をつけていくこと、これが法学部の皆さんに求められる「学び」です。立命館大学の故末川博名誉総長は、日本国憲法と教育基本法にのっとり、立命館大学の教学理念を「平和と民主主義」としました。学問は人間の幸福と世界の平和への貢献をその使命とするという趣旨に則った理念です。故末川博名誉総長は、学生に対して、「未来を信じ、未来に生きる。」という言葉も残して、立命館大学の教学のありようを指し示しています。ここに、立命館大学は、教学理念を「平和と民主主義」として戦争を廃し、青年の未来を守らなければならない、未来においてそれをなしうるのは、今学問に打ち込む青年であること、こうした故末川名誉総長の思いを見ることができるでしょう。

「法の理念は正義であり 法の目的は平和である だが法の実践は社会悪と戦う闘争である」

これも、故末川博名誉総長の言葉です。法の実践には、常に何が真実であるのか、何が正義であるのかを明らかにするための「戦い」が伴います。法があれば、自動的に正義とか平和が訪れるわけではありません。法を現実の中で生かすことは本当にたやすいことではありません。歴史を振り返ると、私たちは、それを破ろうとしたり、無意味なものにしようとする圧力が必ず生じてきたことに気づきます。

誰かから教えられたことを鵜呑みにするだけの受け身の学びの姿勢では 法律を実践していく場所で簡単に相手方の主張を受け入れ、「正義」や「平和」を無意味なものにしようとする圧力に屈してしまうことになるでしょう。「法律を学ぶ」ということは、自分の意思で、自分の目で、自分の耳で「なにが真実であるのか」を探しあてるということなのです。そのため、法を運用するにあたっては「何がこの法律の目的であったのか、この条文はどう解釈することが目の前に横たわる紛争を解決し、さらにその法理によって社会の調和・前進・発展させることになるのか」を明らかにする必要があります。立命館大学において法律学・政治学を学ぶということは、たえず自身の個性を研ぎ澄ませながら、それらを考える力を培っていくことにつながるのです。

大学生になることは、学問の扉を開いていくことになるわけですが、とりわけ、法学部では、大量の条文が記載された六法や分厚い教科書を目の当たりにして、学問に関して大量の暗記が求められるイメージを持つことでしょう。いかなる分野の学問でも、一定の知識の習得は必ず求められるものです。しかしながら、学問をするということは、その知識を覚えることと等号で示されるものではありません。法学において「学問をする」ということは、法律の条文を覚えるということではありません。条文の理念を理解し、その知識を活用して問題を解決していくということです。それは具体的な出来事を、法の観点から抽象化(場合分け・条件付け等)し、 それをもって結論を出していくこと、すなわち、解決に導くことのできる「論理的能力」を身につけるということです。もう一つは、 トラブルが生じた場合、双方の主張を調整して、お互いに納得できる結論を導き出すことのできる「バランス感覚」を身につけることです。つまり法学部とは、「論理性とバランス感覚」を法学の観点から学び、これを習得する場なのです。

立命館大学法学部では、こうした力を講義の中だけではなく、1回生から4回生を通じた小集団ゼミナール(基礎演習や専門演習)において、鍛えていくことを想定しています。

大学での学びの中で、まず皆さんにしてほしいことは、人と関わり、社会と繋がり、自分の居場所を形成する力を養うということです。人間は、学びに参加し、学びを組み立て、表現し、見直しをすることを通じてのみ、自分の殻を破り、成長を遂げるのです。

法学部では、様々な場面におけるあるべき制度やルールの姿を、過去の歴史や他国の経験も参考にして、学んでいきます。さらに、法学部で学ぶ法学・政治学は、社会を広く知り、社会との関係を何らかの形で経験しなければ、理解することができません。皆さんには、単に机の上だけではなく、社会の動き、人々の動き、喜怒哀楽に関心を持ち、人々の感情が、動きが、社会を動かし、ルールを創るということを学んでほしいと思います。その関心は、キャンパス内だけでなく、キャンパスを飛び越え、地域、日本、そして世界に向けて、広げてください。

皆さんが法学部で学ぶ多くの法律は、日本の法律となります。しかしながら、常にグローバルな視点をもって、学んでください。そのことが、グローバル化した日本のなかにおいて、皆さんの視野を広げ、そして未来を切り開く礎と必ずやなります。とりわけ、現代の社会がグローバル化を進展させる中で、私たちは様々な文化を持つ国や人々と交渉やビジネスをしていかなければなりません。先ほど述べた法学的な考え方は、世界各国に共通する思考方法です。法学部での学びで獲得する力は、世界とコミュニケーションを行う際には不可欠な力なのです。

「なぜ」と問う心を大切にしてください。経験は皆さんの大きな力となります。何事にも失敗を恐れずチャレンジし、視野と経験を広げてください。今、この瞬間から、学びに対して真摯に向き合い、心と思考を広げていくことで、みなさんの未来は無限に広がります。

立命館大学法学部は、ここ学問の街・京都の地で、皆さんを新たな学問の扉にいざないます。

2018年4月
立命館大学 法学部長 徳川 信治


法学部長 徳川 信治

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