在学生の声

2022

司法特修

大学は「自分の価値観、人生観を変えてくれる場」

司法特修
3回生

岡山県 金光学園高等学校

 みなさんは、大学について、どのようなイメージを持たれていますか?
 自由で華やかなイメージ。自分の興味のある分野を研究するイメージ。アルバイト、サークル、レポートなど、様々なものを思い浮かばれると思いますし、人それぞれ全く異なると思います。
 私が立命館大学法学部に3年在学し、色々な経験をした結果、抱く大学のイメージは、「自分の価値観、人生観を変えてくれる場」というものです。
 高校までの学習と違い、法学には明確な答えがありません。法学部の試験では、「いかに説得的に自分の考えを伝えることができるか」が問われており、時に自分の感性や考え方が重要になることもあります。そのため、授業を聞いたり、学生どうしで試験対策をしたりする中で、自分の常識だと思っていたことが実はそうではないことに気づかされることがあります。
 例えば、刑事訴訟法の授業で、逮捕された被疑者は、警察官や検察官による取調べを受ける義務があるか、という論点を学習しました。法律を学ぶ前の私は、逮捕される者は何かの犯罪をしたと疑われている「悪い人」であり、真相を解明し、事件を解決するためには、当然取調べを受ける義務があると思っていました。そうでなければ捜査がはかどらないと…。
 しかし刑事訴訟法を学習するうちに、被疑者は「悪いっぽい人」に過ぎないこと(無罪推定の原則)、逮捕は、被疑者による証拠の隠滅や逃亡のおそれがある場合になされるのであり、取調べを目的になされるものではないこと、アメリカでは取調べを受ける義務が否定さていることが分かりました。
 これらのことを踏まえると、本当に取調べを受ける義務があるのか、さらに検討する必要があるように思えてきます。刑事ドラマ等を見て出来上がった自分の常識、価値観は、実は間違っているのではないかと考え出した時から、少しずつ学びが楽しいものだと思えるようになってきました。
 他方で、自分の感性や考え方を述べるだけでは、「説得的」ではありません。そのため法学部では、理論を学び、判例や学説を勉強します。自分に近い意見は何か、その根拠はどんなものか、自分と反対の意見はどうしてだめなのか、このように深掘りして考えることが大切であり、法学の意義であるように思います。
 そしてこの「感性と論理のバランス」(憲法のとある教授からいただいたお言葉)を養うにおいて、独学は向いていないように思います。どうしても考えが偏ってしまうし、自分では説得的だと思って書いた文章でも、他人が読めばそうでないかもしれません。また、1人でこつこつと勉強を継続させることは、とても大変です。
 その点、立命館大学法学部では、私のように法曹を志望する学生の受講できる講座が充実しており、そこでは学生だけでなく、弁護士として活躍される先生とお話しできる機会も多くあります。それも入学した1年生の春から受講することができるため、早い段階で、同じ志をもつ仲間と、専門的な学習をすることができます。また、とてもフレンドリーで、疑問に思った点を、分かるまで何度も、優しく、丁寧に教えてくださる教授の先生が多くいらっしゃいます。
このような環境があったからこそ、今日まで、私は学習を継続することができました。
 膨大で難解な法律の学習が大学だけで完結するため、まさに法曹を志望する者にとって、最適な場であったと思っています。
 また法曹志望でない方にとっても、前述のような法律を学ぶ意義は大きいですし、様々な人の多種多様な考えに触れることで、新たな自分を見つけることができる場であると思います。
 これから入学される方や、在学生の方が、立命館大学法学部で、さらに多くの出会いや、発見をされ、充実した大学生活を送られることを願っています。

取材:2022年

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