教員紹介

Asako WECHS HATANAKA

畑中 麻子

畑中 麻子
専門
知的財産法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

知的財産法を専門としており、ここ数年は「調停と知的財産法」という課題について掘り下げ、研究をしています。紛争は必ず起こるものですが、問題を解決するには裁判所で訴訟を起こす以外にも、調停や仲裁という制度を利用して当事者間での合意を探る方法があります。ところが、こうした裁判外紛争解決(Alternative Dispute Resolution)は知財紛争に活用されているとは言い難く、それが何故なのかを知りたかったのです。興味がある方は下記をご覧ください。

インタビュー記事「知的財産を巡る紛争を解決に導く調停制度」Radiant第9号2018年

どんな学生時代を送っていましたか。

趣味に忙しく、早弁をしてお昼休みは自分のために使っていました。結果として、いわゆる「勉強」に熱心であったとは言い難い高校生活を過ごしました。代わりに授業中に自分で参考書を広げて勉強していたので、先生にとっては嫌な生徒だったと思います。大学に入ってからも相変わらず趣味中心の生活でしたが、試験や受験のためではなく原典を読み原理を学ぶ環境は、とても面白かったです。合間に、よく海外へ行きました。ボランティアや語学研修をしたり、バックパックを背負って一人旅をしたり、またゼミ活動で英語のディベートに参加したりと、よく学びよく遊べという哲学を実践していました。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

知的財産法に魅了されたのは、ロンドン大学に留学した時です。皆さんは、日々の生活の中で「パクリ」問題に直面したことはありませんか? 例えば、宿題のレポートを作成しなくてはいけない時に、インターネットで画像検索してコピペしたとします。しかし、これは知っての通り著作権侵害です。著作権を侵害すると、場合によっては刑事罰の対象となり、とても重い罪に問われます。では、どこまでがセーフで、どこからがアウトなのでしょうか。このように、知的財産法は常に新しい問題に悩まされている領域なので、生きた世界が厳格で古めかしい基礎法学より面白く、それが魅力です。

受験生のみなさんへのメッセージ

学問や表現の自由が保障された日本で高等教育を受けられるというのは、とても恵まれたことです。教育は世界へのパスポートですから、柔軟な頭と大いなる好奇心をもって臨んでください。法学、面白いですよ!

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日本語が亡びるとき ―英語の世紀の中で水村 美苗(筑摩書房)

経歴・業績について