教員紹介

Hideki ISHIBASHI

石橋 秀起

石橋 秀起
専門
民法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

民法の中の、とりわけ不法行為法と呼ばれる法分野を研究しています。具体的には、交通事故や医療過誤、公害事件や名誉毀損など、損害賠償が問題となる事例を対象として、被害者救済のための法理論につき分析をおこなっています。この社会では日々数多くの事件・事故が発生しており、多くの被害者が救済されないまま放置されています。また、社会の進展にともない、新しいタイプの事件・事故も登場してきています。民法その他の法律が定める既存のルールがこれらの状況にきちんと対応できているのか。新しいルールが必要なのではないか。こういったことに関心をもっています。

どんな学生時代を送っていましたか。

学生時代の前半はお世辞にも勉強熱心とはいえませんでしたが、3回生になって民法ゼミに所属したのをきっかけに、法学の勉強にのめり込むようになりました。そして気がついたら、大学院法学研究科に進学することを考えていました。大学院に進学後は、法学の研究者を志す先輩や友人たちと共に、外国の研究書を読んだり、研究報告会をおこなったりしました。そして、こうした経験をつうじて徐々に研究者になるという自覚が芽生えていき、幸運にも大学教員になることができました。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

私の学生時代である1990年代は、大都市における大気汚染に関して、いくつかの重要な判決が言い渡された時代でした。公害というと、いわゆる四大公害裁判をイメージする人が多いかと思いますが、その後、わが国では大都市における複数の汚染源による環境被害が深刻な社会問題となりました。当時は、四大公害裁判において確立した法理論がどこまで通用するのかが問題となっていましたが、裁判所によるいくつかの画期的な判断により、公害・環境責任に関する法は新たな段階へと発展を遂げました。こうした状況のなかで、被害者救済のための法理論を研究したいと思うようになりました。

受験生のみなさんへのメッセージ

大学での勉強は高校までの勉強とちがい、とても自由なものです。自らの関心の赴くままに好きなテーマを好きなだけ学ぶことができます。しかし、そうした自由な学びにおいて必要とされる基礎学力は高校までの勉強によって養われます。高校では各教科の勉強をしっかりとおこなってください。大学でお会いできることを楽しみにしています。

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民法はおもしろい池田 真朗(講談社)

経歴・業績について