教員紹介

Eiji YASUI

安井 栄二

安井 栄二
専門
税法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

会社(法人)に対する課税はどうあるべきかということについて研究しています。個人や会社が利益(所得)を得た場合、その利益に対して所得税や法人税が課されます。それらの税は、個人であれば居住地国に、会社であれば本店所在地国に納めることになっています。このうち、会社の「本店」は、役所への届け出(登記)によって移動させることができます。そのため、日本より法人税率の低い国に「本店」を移せば、その会社は法人税の負担を減らすことができます。

このような事情から、現在、世界各国が法人税率の引下げ競争を行っています。このような状況を放置した場合、OECDが危惧した「有害な税の競争」に突入することは必至です。そこで、このような「有害な税の競争」を回避し、適正な法人課税を実現するためには、どのような法人税制をとるべきであるのかという点を軸に研究を進めています。

どんな学生時代を送っていましたか。

平日は、大学で授業を受けてその後バイト、休日は一日中バイト、たまに軟式野球のサークル活動をしていました。2回生が終わるころまでは、平凡な学生生活を送っていたと思います。その後、2回生の12月くらいから、本格的に税理士を目指そうと思い、3回生になる手前から本格的な勉強を始め、4回生の時の税理士試験で会計科目2科目を受験し、ともに合格しました。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

一番大きなきっかけは、税理士になろうと思って、税法ゼミに所属したことです。本学の税法ゼミでは、実際に起こった税務訴訟を題材に、納税者側と課税庁側に分かれてディベートを行います。他大学とのディベート大会の前1か月は、朝から晩まで、授業の合間に同じグループのメンバーで集まって準備をしていました。そこで、税法について深く学んでいくうちに、税法についてもっと学びたいと思うようになりました。

しかし、最大の決め手となったのは、ゼミの恩師の強引な「薦め」で、私の進路が「税理士」から「大学教員を目指す道」に方向転換させられたことです。これが無ければ、私は確実に「研究者」にはなっていませんでした。

受験生のみなさんへのメッセージ

私が高校生の頃、よもや大学教員になるとは夢にも思いませんでした。自分の人生がどうなっていくかは、自分でもわかりません。だからといって、日々を漫然と過ごすのではなく、その時々に自分がやるべきことをしっかりとやってください。そうすれば、将来の選択肢は間違いなく広がります。その選択肢が多ければ多いほど、自分の将来の可能性が広がります。

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