立命館大学 法科大学院 法務研究科 法曹養成専攻

文字サイズ

ワシントン・セミナー参加者の体験記・感想

学生の体験記・感想

【2017年度ワシントン・セミナー参加】立命館大学法科大学院(既習者コース)比舎 昌志

 ワシントン・セミナーでの学びを通して、最も興味深かったことは、異なる法文化の人々の考え方や行動、特に、法に向き合う姿勢でした。合衆国最高裁判所の写真を見ていただければ分かるように、まるで神殿を思わせるその造りは、法の支配を司る終局裁判所としての神聖さと威厳をあらわしています。また、ワシントンD.C.という土地柄もあり、非常に多くの場所で憲法の重要性・貴重さが強調されていました。アメリカでは、自らの社会のあり方を語る際、常に憲法制定の歴史的経緯に立ち返り、アメリカ合衆国は憲法によって形作られ、その憲法は「われわれ人民が主体的に勝ち取り、構築してきたものだ」という壮大な物語が、アメリカ全体に共有され、世代を越えて受け継がれているようでした。憲法とは何か、どうあるべきかを真剣に考える上で、日本においてもこのような態度が国民全体に必要ではないかと感じました。

 また、リンカーン記念堂の中のリンカーンの銅像は、合衆国議会をまっすぐ見つめてる設計となっており、アメリカという国は、象徴を作って人々を一致団結させることに長けていると実感しました。セミナー外で、土日を利用していったニューヨークでグラウンド・ゼロ(9.11の跡地)を見ました。広大な地面が2段階に深く掘り下げられ、その底が見えず、ただそこに水が滝のように流れている構造となっており、テロの恐ろしさ、悲しさ、そして二度と起こしてはならないという決意のようなものをひしひしと伝える圧倒的なモニュメントでした。

 こういった経験はまさに現地でしか感じえないものであり、大変貴重な異文化体験を得ることができました。他にも数々の美術館やレストランにも足を運び、楽しく、良い思い出になりました。

ワシントン・セミナー感想

弁護士の体験記・感想

【2016年度ワシントン・セミナー参加】弁護士法人 淀屋橋・山上合同 弁護士 大林 良寛

 私は、すでに海外に留学し海外のロースクールのLLMを取得しているため、海外の大学での授業自体が真新しい経験ではありませんでしたが、留学経験があり、帰国後も渉外案件に関与しているにもかかわらず、一度も米国に行ったことがなく、米国に対する「手触り感」がなかったため、ワシントンセミナーに参加することを決めました。

 弁護士も参加することに対してご配慮を頂いた結果、1週間という短期間で、米国の法律・政治制度の概要を理解することができ、米国に対する「手触り感」を得たいという私の当初の目標は十二分に達成することができました。特に、ワシントンDCという土地柄も影響しているものと考えられますが、米国では、日本と比べると、司法と政治が近い関係にあり、それに伴い、弁護士が関与している業務内容も日本と異なることを知り驚かされました。

 ワシントンDCに行く前に、ニューヨークにも寄りましたが、ニューヨークとワシントンDCの雰囲気は全く異なり、米国の広さも体感することができました。百聞は一見にしかず、ということを改めて強く感じさせられました。

ワシントン・セミナー感想

 日本でも今後国際化のスピードが加速することは間違いありませんし、それに応じて、日本人弁護士が渉外案件に関与することが期待される場面が多くなるものと考えております。ただ、実際に留学するためには多大な費用も時間も要するため、大きな決断となりますので、「留学を具体的に検討するためにちょっと海外の大学の授業を受けてみたい」という若手弁護士にとっては、ワシントンセミナーはとても良い機会であると感じました。ぜひ、これからも、多くの若手弁護士がワシントンセミナーに参加して欲しいと思います。

 山口先生をはじめとして、ワシントンセミナーを準備して下さった立命、アメリカン大学の教授、スタッフの皆様に、このような機会を作って頂いたことに、改めて心から感謝申し上げます。