法科大学院

FD活動

2017年度 第1回

  • 日時 2017年6月20日(火)16:30〜17:40
  • 場所 205教室
  • 出席者 17名
テーマ クラス規模と双方向・多方向授業(2)— 未修者法律基本科目
報告者 • 趣旨説明  松本克美教授・FD委員長
• 憲法 坂田隆介准教授
• 民法 中山布紗教授
• 刑法 松宮孝明教授

 昨年度の第1回FDフォーラムでは法律基本科目の演習科目を中心に「適正クラス規模と双方向授業について」をテーマに取り上げた。今回は、この問題を未修者の法律基本科目に焦点を当てて検討した。

 まず、松本教授から次のような趣旨説明がなされた。今年度後期に日弁連法務研究財団から認証評価を受けるが、同財団の認証評価基準では、法律基本科目の必修科目においては、「クラスでの討論における多様性確保及び学生同士が切磋琢磨して学習効果を上げるために求められる学習環境確保の点」から、適正なクラス規模は10人を下回ることがないよう適切な努力をしていることが求められている。しかし、今年度の未修者の入学者は昨年度の13名に対して2名にとどまり、再履修者を含めても、未修者の法律基本科目(全て必修の講義科目)のクラス規模は2名から6名の規模になってしまった。もとよりこのようなクラス規模は我々自身も想定するところではなく、来年度以降の入学者確保に向けて多様な努力をすることは当然である。他方でこのような少人数のクラス規模であっても効果的な授業の実践を工夫していくことが重要であり、今回のFDフォーラムでは、憲法、民法、刑法の各講義科目の授業実践を踏まえて、この点を検証し、さらなる授業改善に向けての礎石にしたい。

 続いて、上記各科目から、授業での実践例が報告された。概ね、授業の冒頭に復習ないし予習事項に関する簡単な確認問題をその場で解かせて理解度を確認した上、適宜学生に質問をしながら双方向的に授業を進める点では共通している。クラス規模が学生2名であったとしても、切磋琢磨はなし得るのであり、少人数での双方向的授業であるがゆえに、学生にとっては、教員から質問され、それに応える回数も多くなり、また、学生から授業進行中にも質問を出しやすい雰囲気となっているなどの積極的な面もあるとの報告がなされた。多様性確保という点では、教員から様々な見方を学生に提示して考えさせることによって人数の少なさを補っているということであった。

 今回、未修者の入学者数が2名になってしまったことは残念な結果ではあるが、他方で、法科大学院未修者の法律基本科目の効果的な授業運営を原点に立ち返って見直す良い契機ともなった。今後は、来年度の入学者確保に向けての努力を続けるとともに、後期にも引き続き、本日のフォーラムで得られた効果的な授業実践を踏まえて授業の充実を図っていくことを確認した。

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