法科大学院

FD活動

2007年度 第1回

  • 日時 2007年6月19日(火)
  • 場所 205号教室
  • 出席者 21名
テーマ 成績評価基準と方法について
報告者 ①問題提起~第三者評価との関係で
前FD委員会委員長 松本克美
②06.5.30和田報告は活かされたのか~3年間の到達水準
現FD委員会委員長 二宮周平

1. 相対評価は採用すべきではないこと

 完全相対評価、合否は絶対基準により合格者の評価は相対評価、いずれの方法についても消極的な意見が強かった。
 よくできていても、あるいはできていなくても、一定割合でC評価をしたりA評価をするのは疑問。ゲタを履かせなく、バランスをとる意味があるのか。もし相対評価で学力を判断しようとすれば、よほど問題を調整しなければならず、現実的ではない。実務総合演習では、学力別クラス編成をしているが、これは絶対評価に基づくことを前提にする。本学はこちらに舵を切っている。
 第三者評価は、当該大学院の評価基準の適正さを審査するものだから、本学が絶対評価を採用してきたのであれば、その評価基準が適正かどうかが審査される。

2. 絶対評価について検討すべきこと

 科目の到達目標との関係で基準を明確化する必要がある。現在のシラバスでは、基準を具体的に示すものは乏しい。基準を学生に示す必要がある。
 到達目標は、学年毎にステップを踏んで設定される必要がある。未修コースの場合、法学部出身者比率が増加し、純粋未修を前提にしていた基準をそのまま維持すべきかどうか検討の必要がある。
 問題は、絶対的基準が実際に適用されているかどうか。同一科目を複数で担当する場合、クラス間に著しいアンバランスがあると、基準が各担当者によって異なることを示すから、絶対的基準といえるかどうか疑問視される。また必修科目では、否とすると、履修要件や修了要件にかかわることに配慮することがあり、事実上、不合格者がほとんどいない科目が発生している。この場合、甘い採点になっていないかどうかも問われる。絶対評価の具体的な基準の設定と各担当者間の共通認識が求められる。
 *本学の現状として、法律基本科目の中には、同一科目で、A評価がほとんどなく、大半がC評価のクラス、AB評価がかなり出ているクラスといったアンバランスのある科目がある。また先端・展開科目、基礎法学・隣接科目では、A評価以上が50%を超える科目と一桁台の科目があり、各担当者で絶対評価の基準が異なることを示している。第三者評価では、この点が質問されることは必至である。

3. 今後の作業

 1)絶対評価の具体的な基準について、各科目担当者で検討して、学生に公表すること。
 2)同一科目複数担当、同一分野科目複数担当の場合、担当者間で共通認識をもつこと。


 本学の先進例として、実務基礎科目、行政法では、試験の前に評価項目を示した上で、担当者間で試験問題の作成、採点基準について事前に検討し、採点後、評価について疑義のある答案を複数チェックしている。こうした作業を通じて、絶対評価の具体的な基準を検討していくべきである。
 上記のような作業を各分野で行うためにも試験問題作成報告書、成績評価報告書の作成を義務づけるという意見もあった。

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